話題の本.com編集部ブログVol.17『ハードルの低い読書記録』

皆さんこんにちは。
話題の本.com編集部です。

いよいよオリンピックの開催が近づいてきました。
編集部のほど近くには新国立競技場があるのですが、周辺では毎日工事をしています。この工事は、オリンピックに向けたものなのでしょうか。

振り返れば8年前、新卒で入社した会社でも渋谷区で勤務していたのですが、その頃も街はずっと工事中でした。東京の工事は、いつ終わるのでしょうか。

 

すぐに忘れてしまうから

街の工事と同じように、読書にも終わりはありません。

一冊単位で考えれば、最後のページまで読めばそれはそれで「終わり」ということになりますが、読了と同時に関心は次の一冊へと向かうためです。

次から次へと本を読んでいると、内容をすぐに忘れてしまうため、どこかに記録を残しておきたいところです。しかし、しっかりとした文章として、ときには図も交えながら記録を残すという作業を、読んだ本のすべてについて行うのは大変な手間です。実際、私の場合は2冊分くらいで挫折してしまいました。

そこで私はあるときから、その日読んだページの中で気に入った言い回しをメモに残すだけの読書記録をつけるようになりました。

直近で言えば、ノンフィクション作家・服部文祥さんの『サバイバル登山家』から、「寒気で固くなったスニッカーズを苦労して噛みちぎると、口の中にアングロサクソンの好みそうな恥知らずな甘みが広がっていった」という一節を記録しました。「アングロサクソンの好みそうな恥知らずな甘み」などという言い回し、どうやったら思いつくのでしょうか。

後でノートを読み返すと、その言葉をチョイスしたときの心理状況や、自分の好きな言葉・言い回しの傾向が見えて面白いものです。メモを見れば不思議と本の記憶はフラッシュバックするもので、読書記録の方法としてかなり有能ではないかと思っています。

そして、この読書メモは、仕事にも大いに役立つネタ帳にもなります。

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない」とは、名著『アイデアのつくり方』(ジェームズ・W・ヤング著)の有名な一節ですが、まさに私のメモは「既存の要素」を積み上げていく作業といえます。

読書記録の必要性は感じつつも、「時間がかかるしなぁ」「文章としてまとめるのは大変だしなぁ」と躊躇している方は、気に入った一言をメモするというハードルの低いところから始めてみることをオススメします。

今日は私のお気に入りの一言が収録された作品を3本、紹介します。

1.『空白の5マイル』(角幡唯介著/集英社

チベットの奥地、人跡未踏の「空白の5マイル」に踏み込んだ冒険家・角幡唯介氏のノンフィクションです。本作のお気に入りフレーズは「冒険家は、命がすり切れそうなその瞬間の中に生きることの象徴的な意味を嗅ぎ取っている」というもの。「生きる」とは何か。じっくり考えたい人にオススメの一冊です。(書籍の詳細はこちら:Amazonhonto

2.『思考の整理学』(外山滋比古著/ちくま文庫)

刊行から35年、250万部以上売れている名著です。お気に入りフレーズは「われわれは、花を見て、枝葉を見ない。かりに枝葉は見ても、幹には目を向けない。まして根のことは考えようともしない。とかく花という結果のみに目をうばわれて、根幹に思い及ばない」。(書籍の詳細はこちら:Amazonhonto

3.『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦』(出雲充著/ダイヤモンド社)

ユーグレナ・出雲充社長が起業に至るまでの歩みを振り返り、ミドリムシを通じて実現したいビジョンを語る一冊。「でも、ミドリムシなら仙豆に近いんじゃないですか。植物と動物の間の生き物ですから」。出雲青年の人生を大きく転換させた、サークルの後輩・鈴木氏のこの一言がお気に入りです。(書籍の詳細はこちら:Amazonhonto

 

手書きでメモを残すことがポイントです

ハードルの低いこの読書記録ですが、それすらも面倒に感じ、スマホのメモ機能を使って記録を残そうとした時期もありました。

しかし結論からいうと、メモは手書きで残した方が効果的です。

個人差はあるでしょうが、手書きの方が記憶に残りやすいためです。また、スマホよりも、紙のノートの方が過去の記録を見返すことが多いような気もします。紙ならメモが蓄積していく様子を実感しやすく、記録を続けていくモチベーションにもつながるはずです。

まずはいつもよりちょっと良いノートと良いペンを買って、ハードルの低い読書メモを始めてみてはいかがでしょうか。

それではまた次のブログで!

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