話題の本.com編集部ブログVol.8『読書で旅行気分を味わう』

皆さんこんにちは。
話題の本.com編集部です。

緊急事態宣言下ということもあり、このゴールデンウィークはどこにも出かけず、おうち時間を過ごした人が多かったのではないでしょうか。

私も部屋の掃除や読書などをして過ごしたのですが、クローゼットの奥の方から昔ネパールを放浪したときに使った大きなバックパックが出てきたことをきっかけに、一気に海外旅行熱が高まってしまいました。

とはいえ、すぐにチケットを手配して出発、という訳にはいきません。

コロナ禍でとても多くのものが失われましたが、私にとって最大の損失は、海外旅行がお預けになっていることかも知れません。

 

旅先で一番印象に残ったものは・・・

バックパッカースタイルの貧乏旅行をしていると、刺激の強過ぎる日々に疲れて旅するのが面倒になり、一日中宿のベッドに寝転がって過ごす「沈没」と言われる状況に陥っている人にたくさん出会います。

彼らは文字通り死んだ魚のような目をしているのですが、その町に長く滞在しているだけあってローカル情報には精通しており、ガイドブックよりもはるかに役に立ちます。

冒頭、私の部屋のクローゼット奥深くから登場した大きなバックパックも、実はカトマンズに沈没したフランス人から譲り受けたものです(彼からはほかにもTシャツを2着ほど恵んでもらいました)。

「僕はもうどこにも行かないから」などと言っていましたが、フランスに帰る予定もなかったのでしょうか。帰り際にFacebookで友達になったものの、彼が新しい投稿をすることはなく、いまどこで何をしているのかも分かりません。

カトマンズにはたくさんの観光地があります。何しろ時間だけはあったので、私も一通り巡ってはみたのですが、何よりも印象に残っているのはそうした旅人との会話や、彼らと一緒に過ごした時間です。

あぁ、海外旅行に行きたい。また一泊数百円でシャワーからはお湯が出ない安宿に泊まって沈没者と喋りたい。懐かしいバックパックを眺めながら、そんなことを思ったゴールデンウィークでした。

まだまだコロナ禍は長引きそうです。私と同じように旅行に行きたくてムズムズしている人は多いようですので、ここはひとまず、探検モノのノンフィクション小説を読んで旅行気分を味わってみるとしましょう。

今回紹介するのは、私がコロナ禍のおうち読書でどハマりした辺境ライター、高野秀行の作品です。

1.『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)

コンゴで多くの目撃談がある幻獣「モケーレ・ムベンベ」探索78日間の記録です。高野隊長率いる早稲田大学探検部が、数々のトラブルと対峙しながらムベンベを追って駆け回る様子に、ドキドキが止まりません。読後は自分も何かに挑戦したくなること間違いなし!(書籍の詳細はこちら:Amazonhonto

2.『怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道』(集英社文庫)

モケーレ・ムベンベ探索行から20年近くが経過し、「探し物中毒」の禁断症状に苛まれた著者が、次はインドで目撃されたという怪魚「ウモッカ」を探す旅を計画します。現地の言葉を身に付けるなど万全な準備を整えて日本を発ちますが、インドを目前にあるトラブルが・・・。予想外の展開に、逆に笑えてくる作品です。(書籍の詳細はこちら:Amazonhonto

3.『神に頼って走れ!自転車爆走日本南下旅日記』(集英社文庫)

2.『怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道』の後に読んでほしい、箸休め的な作品です。規則正しい自転車旅行生活で健康を手に入れた著者。道中の神仏に祈りまくるこの旅行を経て、願いは成就するのか・・・?(書籍の詳細はこちら:Amazonhonto

 

やっぱり旅行に行きたい

探検記を読んだ後、Googleアースで現地を訪れると意外と楽しいもので、気づいたら私のゴールデンウィークは終わっていました。

旅行に行けないいま、せめて旅気分を味わいたいと思って読み始めた高野秀行シリーズ。読めば読むほど旅に出たくなってしまい逆効果でしたが、ワクワクできる作品ばかりですので、旅好きの方はぜひ目を通してみてくださいね。

それではまた次のブログで!