光のアートで地方創生 地域を活性化させるプロジェクションマッピング
書籍内容
人を呼び込み、感動を生み出し、地域を活性化させる
デジタル技術によって建物などに映像を投映する空間演出「プロジェクションマッピング」。
各自治体の抱える問題に合わせて企画・広告・効果測定までをトータルでプロデュースしてきた著者が、
地域活性化の成功事例をもとに準備から成果までを詳しく解説。
地域に観光客を呼び込み地方創生につなげたい、
地域の観光スポットをより多くの人にも知ってもらい知名度を向上させたい――
近年、こうした目的を達成するためにプロジェクションマッピングを実施する地方自治体が増えています。
プロジェクションマッピングとは、プロジェクターを用いて建物やオブジェなどの立体物の形状に沿って映像を投影し、
さまざまな視覚効果を与える技術、あるいはその技術を用いたイベント・パフォーマンスのことを指します。
地域の歴史的建造物や文化財に映像を投影することで、光のアートによる幻想的な空間を創り出すことができます。
目の前で繰り広げられる迫力ある映像がもたらす感動は、その場所に足を運んでこそ体感できる醍醐味であり、多くの集客が見込めます。
また、プロジェクションマッピングを見た興奮や感動を共有しようと多くの人がSNSで動画や写真を拡散するため、
海外を含め来場者以外にも情報が拡散され話題になるという面でも効果的です。
さらにプロジェクションマッピングは暗い環境が必須で屋外の場合は夜間に実施されるため、
周辺での飲食や宿泊などナイトタイムエコノミー(夜間の経済活動)の振興という経済波及効果を狙うこともできます。
著者は、プロジェクションマッピングをはじめとするデジタル技術を活用した地方創生イベントのプロデュース・総合演出を手がける会社を営み、
城や寺など地域の伝統的建築物、文化観光資源、文化財に登録されている古民家や料亭、美術館・博物館といったさまざまな場所を活用したデジタルアートイベントを開催してきました。
効果的なプロジェクションマッピングを企画するためには、映像コンテンツにその地域ならではの歴史や文化、伝統を表現する場面を盛り込み、
観光客がその場所に足を運んで映像を見る価値を実感できるイベントとすることが重要だと著者は言います。
そして、その考えのもと、何の目的を達成するために行うのかという戦略策定や企画の制作立案からイベント終了後の波及効果測定までをトータルでマネジメントすることで、
多くのプロジェクトを成功に導いてきました。
たとえ有名な建造物などがなく、あまり知られていない地域であっても、それぞれの地域の歴史や文化伝統、あるいは自然景観に目を向ければ、
必ずその地域にしかできないようなユニークなプロジェクションマッピングは実現できます。
地域ならではのすばらしい魅力を織り交ぜた映像コンテンツを制作し、地域のユニークなロケーションを生かしたプロジェクションマッピングを実施することによって、
参加した観光客に地域の魅力が伝わるだけでなく、地域住民のシビックプライド(都市に対する市民の誇り)の醸成につながります。
そして、地域の課題やプロジェクションマッピングに期待する効果を丁寧にヒアリングしたうえで企画を立案し、集客力を発揮できるコンセプトメイキングや、
戦略的なパブリックリレーションズなど、さまざまな面で戦略的にきめ細かく設計・評価を進めることで、
知名度の高い国宝級の文化財がなくても、地域に人を集め地方創生につながるプロジェクションマッピングを行うことができるのです。
本書では、プロジェクションマッピングに関する基礎知識、そしてそれを活用した地域ならではの事例を幅広く紹介します。
地域に根ざして地方創生や文化観光のDXに取り組む自治体担当者や地域の文化観光関係者、プロジェクションマッピングに興味のある次世代クリエーターへ向けて、
プロジェクションマッピングの可能性を伝え、地域の知名度向上のヒントとなる一冊です。