革新のバトン 経営者3代でつないだ介護用品・福祉用具卸ナンバーワン企業への軌跡
書籍内容
3代にわたって守り、受け継ぐ
「変幻自在の経営精神」
激しい変化に対応できなければ企業は生き残れない!
社会構造の変化、競合の存在、事業承継……
常に決断を迫られる経営者のヒントとなる一冊!
企業が生き残っていくのは簡単ではありません。激しい変化に対応できなければ、
存続することは不可能です。
実際、需要の変化を見通すことができずに過剰な設備や人員を抱えてしまったり、
突然現れたライバルに低価格競争を強いられて事業が立ちいかなくなったりという話
はいくらでもあります。
加えて最近は、事業承継に失敗して売却や廃業を余儀なくされるケースも増えています。
経営は常に企業の存続に関わるリスクを抱えています。
著者の父がはじめた会社は創業から70余年経ちますが、その間、多くの危機に
直面してきました。
しかし危機のたびに思い切った経営の革新を進め、現在は介護用品・福祉用具専門
の卸会社として、年間売上171億円という業界トップの業績を残すまでに
成長しています。
そして、いまでは長男にバトンを渡し、さらなる成長に向けて邁進しています。
本書では、そんな会社の歩みを振り返りながら、卸からメーカーへ、メーカーから
再び卸へという業態転換や取扱商品の変更、新たな物流システムの開発など、
3代のそれぞれが経営者として何を考えどのような革新を行ってきたのかを
改めてまとめています。
経営に携わるすべての人にとって、さまざまな局面における決断のヒントになる一冊です。
目次
はじめに
第1章 革新の礎
卸からメーカーへ
変わることを恐れない創業者のDNA――
経営者3代を貫く変革の精神
「鶏口となるも牛後となるなかれ」
顧客の満足は営業を不要にする
大量流通時代が招いた卸の危機
噴出した問屋不要論
工場を買収しメーカーへ転身
経営リスクを高めた特定の量販店との蜜月
もう一つの挑戦
商品はできたが販路がない
初代社長、清水太郎が遺したもの
第2章 主力商品の転換
新たな市場に挑み、会社を成長軌道に乗せる――
高齢者向け衣料の生産に集中した2代目の決断
ウェルファンとアニマルの二足のわらじで
ついにヒット商品誕生
売り場が成立するだけの商品をそろえる
アニマル立て直しを現地で進める
先代の理念を明文化して継承
在宅営業社員制度を導入
直面した構造不況
二足のわらじを脱し、一本に絞る
大分工場の縮小に着手
アニマルの不拡大方針表明と2年後の完全閉止
第3章 業態の転換
メーカーから再び卸へ――
顧客が望むものを迅速に届けるために卸業に回帰
卸業の必要性を痛感
靴で学んだ卸のあり方
工夫満載の「夢ライフカタログ」の制作
カタログを広告事業と位置づけ、掲載料を求め有料で販売
本格カタログ『福祉用具便利帖』を創刊
『初めての介護用品』への挑戦
研修会でメーカーと販売店をつなぐ
第4章 改革
業界トップシェアを目指すための流通改革
――全国4カ所の物流センター開設に挑む
物流の伴わない卸は支持されない
発注業務を倉庫部門に移管
全国に物流センターを整備
業務システムを全面リニューアル
経営層がシステム更改プロジェクトを担う
社長交代は早いほうがいい
残務整理
体系的廃棄へ
第5章 承継と発展
新たな挑戦へ、3代目にバトンを託す
――人、もの、システムを強化してさらなる発展を目指す
徹底したデジタル活用
トータルコンビニエンス
人財へのこだわり
おわりに