2040年問題を乗り越える 介護事業経営
書籍内容
介護事業者を待ち受ける2040年問題————
多死社会で生き残るための経営に舵を切れ!
介護事業の存続・成長に不可欠な
「経営者マインド」と「右腕となるNo.2の育成」を徹底解説
2040年は介護事業者にとって、生き残るか滅びるか、
運命が決まる年といっても過言ではありません。
日本では2005年以降死亡者数が出生数を上回っており、少子高齢化・人口減少が
進んでいます。人口の多い団塊の世代は2040年頃に死亡者数がピークに
達すると見られています。現在は多くの人が病院で最期を迎えていますが、
死亡者数がピークに達すれば病床数が足りず重症度が高い高齢者が自宅や施設で
最期を迎えるケースが激増します。そうした社会の変化に伴い、
訪問看護など在宅医療サービスを提供できる事業者が求められるようになり、
軽度生活援助などの介護サービスのみを提供する事業者は集客に苦戦
するようになると予測されています。
今の段階から未来を見据えた経営に舵を切らなくては、2040年を生き残ることは
できないのです。
本書の著者は2015年に兵庫県の淡路島で介護サービスを提供する会社を立ち上げました。
以降、訪問看護やリハビリ、通所介護、デイサービスなど幅広い事業を展開し、
売上を伸ばしながら順調な経営を続けています。
著者は昨今の介護事業者の倒産増加から、今後必要とされる介護事業所とはなにかを
見据え、経営者はきちんと経営者マインドをもって事業を展開していかなくては
2040年まで生き残っていくことはできないと主張します。
経営者は経営に集中し、運営は自身の右腕となり現場の運営を
一任できるNo.2を育成してその人に任せる、つまり経営と現場の運営を分けて考える
ことが、淘汰の時代を迎える介護業界においての事業を盤石にするのです。
本書では介護事業経営者である著者の経験を踏まえ、介護事業において
経営者がどうあるべきかやNo.2人材の育成について解説したうえで、
売上を伸ばし経営を盤石なものにするための事業拡大戦略についても紹介します。
介護事業者にとって、2040年を生き残るためのヒントとなる一冊です。
目次
はじめに
第1章 介護業界を待ち受ける2040年問題
多死社会に備えた経営をしなければ事業者は生き残れない!
介護事業者が直面する2025年問題
多死社会に突入し介護激戦時代を迎える2040年
2040年の先も困難は続く
高齢者の定義が変わる
医療・介護は「病院完結型」から「地域完結型」へと転換する
医療・福祉サービスのシステム改革が起きる
介護事業者の淘汰はすでに始まっている
介護事業には保険制度という「ガラスの天井」がある
制度上の制限があるからこそ、人材確保が肝になる
第2章 「奉仕の心」だけでは生き残ることはできない
事業の存続は経営者マインドがカギを握る
2025年問題を生き残る介護事業者になる
情熱だけの介護事業は頭打ちになった
介護は地域全体で支える形にシフトしている
介護ビジネスは地域のインフラであり地場産業である
介護ビジネスは地域ネットワークのなかで展開する
これからの介護は限りなく医療に近づく
「地域特性」×「専門医療」=「訪問看護」が生き残りのカギ
経営者としてブレない姿勢――情熱だけではない経営者マインドをもつ
介護ビジネスにこそ必要な『論語と算盤』
51点目からの「算盤」が勝負
経営者のマインドはどう伝えるか
知識や経験よりマインドを重視した採用を
ブレない経営者の姿勢は経営の方向性の確認・見直しから生まれる
事業計画書の精度を高め、経営者マインドを鍛える
第3章 経営者は現場と距離をおきマネジメントに専念する
重要なのは右腕となるNo.2の育成
経営の責任者=現場の管理者、一極集中の問題
経営マネジメントのカギとなる「No.2」体制をつくる
No.2を活かすと組織が機能し始める
組織構造をデザインする
情報伝達系統をデザインする
組織にNo.2を起点としたトップダウンの仕組みをつくる
No.2は情報の「ハブ」
No.2は経営者と従業員の調整役
いろいろなチャンネルを開ける
トップは目標地点、No.2はカーナビ、従業員は運転手
事業計画書のPDCAサイクルで経営感覚を高める
No.2の見つけ方
第4章 拡大なくして介護事業の安定なし
ニーズの高い訪問看護事業でさらなる発展を目指す
経営を安定させるには拡大を見据えた事業展開が重要
事業を始める前の準備「地域診断」の重要性
行政と共鳴する地域診断
市場の動向と自社の強みを精査する
専門性を届けるプロモーションでほかと差別化し集客につなげる
信頼を勝ち得て生き残る
透明性を確保し、経営感覚を養う
選ばれる介護ビジネスのカギは採用にあり――30代までの採用でフレキシブルに
地域で通用する多様なスタッフの働き方を支援する
フレックスタイムはもともといる人に向けたものではない
教育と育成は違う 自分で特性に気づき、活かす多様な働き方を応援する
第5章 2040年以降も生き残るために
未来を見据えた経営で介護事業を盤石にする
2040年以降、医療・介護の技術の進展は加速する
自分たち視点でチャンネルを広げる
情報系統はピラミッド、現場チームはネットワーク
そのときの自分たちにふさわしい事業を、楽しみながら
職員が働きやすい環境をつくる
専門コンサルタントを頼るのも決断の一つ
紹介者を裏切らない信頼関係が良質な人材確保の近道
おわりに