救えない地方のペットたち 獣医療格差への挑戦の軌跡

川西 航太郎[著]

2022.12.01

1650円(税込)

幻冬舎

単行本

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書籍内容

地方ではペットが病気になっても治療をあきらめるしかないのか
命の地域格差に、ひとりの男が立ち上がった――


水戸の動物病院に高度医療を導入し、リハビリ施設を設置。
年間約400件の手術で地元のペットの命を救う
アニマルドクター挑戦の軌跡――

愛するペットの命を守りたい飼い主必読の一冊!

ペットの飼い主にとって、かわいい家族が苦しむ姿は見たくないものです。病気になればなんとしてでも治してあげたいと思うのは当然のことです。しかし、地方の動物病院と大都市の動物病院との間にある医療格差によって、愛するペットの治療が満足にできないケースが頻繁に起きています。
著者は、東京の獣医学大学を卒業後、地元である水戸の動物病院に就職してから、動物たちが満足な検査や治療を受けられずに命を落としてしまっているケースを多く見てきました。東京の病院であれば完治できるのに、地方の病院では設備も医療技術も足りないために治療できないという格差の現実を目の当たりにしたのです。目の前で命が失われていくことに我慢できなくなった著者は、さらに高度な獣医療を学ぶため母校の大学病院での研修を決意。約3年にわたる勤務の間、地元の動物たちの命を救う場をつくりたいという一心で最新の治療法や手技を学び、経験を積んでいきました。そして2011年に、念願がかなって水戸に動物病院を開業しました。
動物たちを大都市の病院へ転院させることなく自院ですべての治療を完結させるという目標のもと、CT(コンピュータ断層撮影)や腹腔鏡などの高度な医療機器を導入し、治療を行ってきました。間もなくМRI(核磁気共鳴画像法)も導入予定で、開頭術・開心術・放射線治療など、一部の特殊な開頭手術以外はほとんどすべての治療が可能となります。また、術後のペットができる限り元の生活に復帰できるようにリハビリテーション施設をつくり、治療だけでなくペットと飼い主のQOL(生活の質)の向上まで、自院で完結できるようにしています。
本書では、大都市と地方の間に厳然として存在する獣医療格差に挑んできたアニマルドクターの軌跡をまとめています。地方に住んでいる飼い主も命を諦めない選択ができることを知るきっかけとなる一冊です。

目次

はじめに

第1章 ペットの命に地域格差があってはならない
地方の動物医療の現実
医療技術の進歩とともに地方格差はますます広がった
動物病院は大都市に集中している
高度医療施設も大都市に集中している
医療連携がないから地方では「何でも屋」をするしかない
「検査や治療ができないのは仕方ない」と諦めている現実
難しい病気は諦める?
同じ病気が大都市なら本当に治せるという驚き
動物医療の地方格差があることが知られていない

第2章 CTと腹腔鏡導入で高度医療施設を目指す 自院で完結する治療を行えば、救える命は増える
地元の水戸で開業を決意
特別な医療機器がなくても質の高い治療はできる――その1 骨折治療
特別な医療機器がなくても質の高い治療はできる――その2 腫瘍切除手術
超音波メスを導入する
白内障手術にも挑戦することに
不得意分野の克服のために再び大学に
CT検査装置を導入する
地方の動物医療の発展を願って腹腔鏡を導入
今後はMRIも導入予定
自院で治療を完結させるしくみ
二次診療という専門外来の必要性
ホームドクターという役割は決して捨てない
夜間救急への課題

第3章 ペットに多い骨折、腫瘍、白内障…… 医療スキルを向上させてどんな手術にも対応する
最新の医療機器だけ取りそろえても手術はできない
ペット治療のインフォームドコンセントの大切さ
地方でもこれだけできる! 命の可能性を模索してたどり着いた現在の治療法
 ●骨折治療 ●関節外科治療 ●神経外科 ●肝臓・胆嚢外科 ●形成外科 ●胸部外科 ●口腔外科 ●鼻腔内疾患 ●耳の疾患 ●内分泌疾患 ●骨腫瘍 ●腹腔鏡手術 ●眼科

第4章 日常生活を取り戻すためにリハビリ施設を設置して機能障害の回復を支援する
手術後や病気の回復期はリハビリテーションが大切
術後のリハビリテーション
 ●膝蓋骨脱臼、前十字靭帯断裂、骨折手術後のリハビリテーション
 ●椎間板ヘルニア
ペットの食事は病後の療養や病気の予防にも直結する

第5章 地方の動物病院だからこそできることがある
コンパニオンアニマルのニーズは地方にも
ペットも高齢化し、病気は増えてくる
農水省の考える小動物医療には地方の力も必要
地方の獣医師にもメリットがたくさんある
地方のメリットを活かした研修方法も
私が治療の様子を動画配信している訳
動物看護師が国家資格に
動物医療の高度化は避けられない流れに

おわりに

著者:川西 航太郎

動物病院ハートランド 水戸動物CTセンター 院長
2005年日本獣医生命科学大学卒業。動物病院勤務を経て、日本獣医生命科学大学に研修医として勤務。2011年に動物病院ハートランド 水戸動物CTセンターを開業。最新の医療技術や医療機器を取り入れ、地方の動物病院でありながら一・五次診療、二次診療までカバー。ホームドクターとして飼い主のさまざまな相談にのりながら高度の医療を提供しており、近隣だけでなく遠方からの来院も多い。

ネット書店

  • https://amzn.to/3f3Yc6Z

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