元メガバンク支店長だから知っている銀行融資の引き出し方

川居 宗則[著]

2022.11.02

990円(税込)

幻冬舎

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書籍内容

銀行が融資審査で重視するポイントを理解すれば、
融資成功の確率が格段に上がる!

銀行融資を成功させるコツを
元メガバンク支店長が徹底解説!
中小企業が銀行融資を受けるために
知っておくべきポイントとは


新型コロナウイルスの感染拡大をうけ政府が次々に打ち出した給付金・助成金・3年間返済無しの特別貸付などの中小企業支援策で、中小企業経営者の多くは当面の手元資金を確保することができました。しかし今後は返済猶予期間が終了し、融資の返済が本格化します。
新たな資金調達の方法として、金融機関からの融資や借入がありますが、その融資の貸し渋り・打ち切りは時に企業の進退を決定してしまうほど重大なものです。
一方で、銀行が融資審査で重要視しているポイントを理解したうえで準備をすれば、銀行融資を引き出すことは難しいことではありません。
本書では、メガバンクに32年間勤め、金融機関の融資判断のポイントや債権保全・回収に精通した著者が、銀行融資を引き出すテクニックを解説します。事業の復活や再生に銀行融資を活用したい経営者必読の一冊です。

目次

はじめに

[第1章]
「とりあえず借りておく」「借りられるだけ借りる」は危険!
経営者に必要な資金調達のリテラシー
資金調達は経営者にとって至上命題 しかし融資のハードルは高い
過去の景気対策融資では中小企業にまで恩恵が届かず倒産が急増
コロナ緊急融資で返済に困る企業が1割
今は法人口座を開くこと自体が難しくなっている
企業成長には信用保証協会付き融資よりプロパー融資
経費に使う運転資金のためには銀行は貸したがらない
銀行が期待するのは「レバレッジ効果」
「借りられるうちに借りておく」「とりあえず借りる」は危険な考え
「借りられるだけ借りる」も金融リテラシーが心配
「銀行は雨の日に傘を貸さない」は本当か
返済のリスケをすると新規の融資は受けられない
借り換え融資にもデメリットがある
銀行側の事情を知って関係づくりをすることが融資成功の第一歩

[第2章]
相手の懐に入るには、まずは融資の実情を知る!
申し込みから実行までの融資審査フロー
なぜ融資の審査には何カ月もかかるのか
銀行の種類ごとに性質や得意分野は違う
民間銀行の融資審査4つのステップ
稟議書は書くべき情報量が多く1案件で5~10日かかる
決算書以外にも事業性を評価している
稟議におけるキーパーソンは融資担当課長
融資担当課長が面談に出てくれば良い兆候
融資担当課長が決めかねると融資会議での話し合いになる

[第3章]
融資を通すか否か、銀行はあなたの会社のここを見ている!
担当者が口には出さないチェックポイントとその対策
初対面の雑談からすでに値踏みは始まっている
銀行が見ているのは「与信」
【面談時に見ているポイント】
➀お金の使い方、金融リテラシーはしっかりしているか
②約束にルーズな人はお金にもルーズ
③決算書だけ渡して「よろしく」は今は通用しない
④自社の強み・弱みを分析できているか
⑤節税をしないと損だと思っている社長は要注意
⑥決算書が読めているか、数字を経営に活かせているか
⑦時代に合ったビジネス感覚をもっているか
【会社訪問時に見ているポイント】
⑧トイレや仕事場がきれいに保たれているか
⑨従業員の士気が落ちていないか、教育はできているか
⑩信頼できる右腕や経理がいるか
⑪従業員の離職や休職が多ければ黄信号
【事業について見ているポイント】
⑫会社のホームページがあるか、活用できているか
⑬取引先やエンドユーザーは誰なのか
⑭業界動向やトレンドなどビジネス環境はどうか
⑮取引先や近所での会社の評判はどうか
融資担当者まかせではダメ。「二人三脚」の意識が大事

[第4章]
決算書、事業計画書、資金繰り表……
融資審査を通過する書類作成㊙テクニック
決算書を見れば会社のお金の動きが分かる
決算書3期分の提出は必須。赤字があっても隠さないこと
「決算書がゴール」の社長と「決算書からスタート」の銀行の意識のずれ
最初に融資担当者が見るのは「自己資本比率」
次に割り出すのは「借入金の返済年数」
自己資本と現預金を増やす意識をもって経営する
勘定科目内訳明細書は徹底分析される
決算書に加えて「事業計画書」を提出すると成功率が上がる
事業計画書は3~5年先まで記入。それぞれの数字に根拠をもたせる
4半期ごとに「試算表」を提出し近況報告をする
「資金繰り表」が出せる会社は一目置かれる
これからは「事業性評価融資」がトレンドになる
事業性評価融資は銀行の「目利き」が問われる
個人保証なし、担保なしの融資が今後は増えていく
「きらりと光るもの」がある会社を銀行は探している
事業性評価融資に役立つ「事業性評価シート」
3W2Hを説明できるように整理する
「ローカルベンチマーク」まで作成できれば理想的
提出資料をきちんと作ることで自社の理解が深まる

[第5章]
何より大事なのは銀行との信頼関係
「選ばれる立場」から「選ぶ立場」へ
自社に合った銀行を選べるかが資金調達のしやすさにつながる
3つのタイプの銀行と付き合うのがベター
メガバンクは売上規模10億以上が目安
タイプの異なる銀行と付き合うことのメリット
1行取引してきた銀行には恩を感じ過ぎなくて大丈夫
融資担当者は3~5年で転勤する
地銀では顧客と長く付き合えるよう人事運用を見直し
前向きな融資のセールスをどこまで信じていいか
支店長に会いたいときは2週間前までにアポイントを取る
「融資してもらっているから頭が上がらない」とは考えなくていい
融資の申し込みは3月と9月が比較的狙い目
これからは事業性が高くないと生き残れない時代
事業性評価によって融資に成功した社員たち
資金繰りの負担を軽減し、本業に集中するための専門家の活用
伴走支援型でWin-Winの関係を目指す
資金繰りに窮する社員たちの力になりたい

おわりに

著者:川居 宗則

中小企業診断士(経済産業大臣登録)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(厚生労働大臣登録)、1級販売士(日本商工会議所)、CTP認定事業再生士
1987年に慶應義塾大学経済学部を卒業後、三井銀行(現・三井住友銀行)に入行し32年勤務。主に融資業務に携わり、審査部において事業再生業務にも従事した。独立後は融資・補助金に強い専門家として資金調達支援を実施。ライフワークとして東日本大震災後の宮城県の気仙沼市商店街を継続支援している。主な著書として『TOKYOキラリと光る商店街』『専門家のための事業承継入門』がある。

ネット書店

  • https://amzn.to/3f3Yc6Z

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