地域循環型経営

島原 俊英[著]

2022.09.02

986.7円(税込)

幻冬舎

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書籍内容

地方が抱える課題には
ビジネスチャンスが埋もれている

地域の資源(ヒト・モノ・カネ)を活用し
経済を循環させることが地方中小企業存続のカギ!

従来の地方創生は大企業誘致や補助金などの積み上げによる移住者獲得、特産品開発、観光動画によるPRといった全国一律のものが主流だった。それは話題をつくって人を呼び、金を落とさせるという大都市型の手法であり、地方間の競争を強いるものでしかなかった。しかし宮崎県日向市の産業用機械製造会社を二代目社長として引き継いだ著者は、地域課題の解決のために自社のモノづくり技術を活かし、地域の価値を生み出して地域経済の発展に貢献することが地元中小企業の使命であり存在意義であると考える。宮崎の主産業である農業をモノづくり企業として支援する野菜工場の設立をはじめとしたさまざまな生産機械の開発・製造を進め、2015年には「地域の視点や県内資源を活用した事業活動により、地域経済の活性化や、域内に産業振興への貢献をした」との理由で宮崎中小企業大賞を受賞する。
本書では地方中小企業の経営者に向けて、自社がどのような役割を果たすべきか、それを通していかに地方の活性化を実現するのかを具体的な取り組みを通して紹介する。地方創生の方向性と地方中小企業が今後歩むべき道を示す一冊である。

目次

はじめに

第1章 染みついた受け身体質……新たな価値を生み出せない地方中小企業
染みついた受け身体質
経営者を含め社員全員が思考停止状態
「指示があればやります」という社員たち
厳しさを増す地方の経営環境
未来が見えない地方の現実
新たな価値を生み出さなければ地方中小企業の未来はない

第2章 地方資源の活用こそが地方中小企業存続のカギ
地方創生は地方発でなければ実現できない
地方の施策を国が一括して考える日本
地域経済について欧米で学んだこと
上杉鷹山が行った地域創生
循環させながら、さらに力を高めていく
何のためにつくるのか――企業理念を改めて確認

第3章 地域循環型経営の第一歩
地方中小企業のネットワークを構築する
1社では地域循環型の経済は実現できない
横のつながりで共に考える
地域における中小企業としての役割
“漏れバケツ”では地域力は上がらない
地域の産学官の力を集める
地域創生に挑む人を育てることも必要
大学に「地域資源創成学部」が誕生
自作ロケットに上がる歓声

第4章 食・環境・エネルギー……
地域社会全体の課題にビジネスチャンスが埋もれている
地域の課題と発展の展望はどこにあるのか
地元の資源を活かして創造する
「ひむか野菜光房」を設立
太陽光利用型の宮崎らしい工場に
日産8000株を順調に生産
実際に手掛けて知った農業の課題
収穫即出荷に伴う悩みを解決する
今までにない鮮度保持装置を開発
低温調湿庫が生み出す新たな価値
バイオマスボイラーを導入
工業界が農業に貢献できること
エネルギーの自給率をさらに高める
バイオマス燃料について日夜考える
持続可能な地域をつくる

第5章 地域循環型経営を実現すれば、
地方企業の存続と真の地方創生につながる
イノベーションを起こす仕組みをつくる
組織を背負っての参加や発言はない
高校生も正式メンバーとして参加
地域の力で地域の未来を創る

おわりに

著者:島原 俊英

株式会社MFE HIMUKA 代表取締役社長
1962年生まれ、宮崎県日向市出身。1985年熊本大学工学部生産機械工学科卒業後、プラント輸出を手掛ける大手総合化学メーカー宇部興産に入社し、15年間勤務し、海外赴任も経験する。1999年、父が創業した株式会社日向中島鉄工所に入社。2001年には社長就任。
自社が従来、大手エンジニアリングメーカーの下請けとしての役割しか果たせていないことへの反省から、食、エネルギー、環境の3つのテーマの下で、モノづくりの技を生かした地域課題解決への取り組みを始める。
一般社団法人 日向地区中小企業支援機構理事長
2015年「宮崎中小企業大賞」受賞

ネット書店

  • https://amzn.to/3f3Yc6Z

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