コンクリート業界の革命児が挑む 老舗イノベーション
書籍内容
業界の常識を疑え!
未知なる可能性を追求し続ける3代目が明かす
「ファミリーエンタープライズ」の進化の道筋
「老舗企業」と聞くとどんなイメージをもつでしょうか。
老舗企業こそビジネスの世界で生死をかけた激しい競争を繰り返し、
時に顧客ニーズに合わせて変化し、時に技術の進歩に合わせた改革を行いながら
生き延びてきたはずです。
「変化に適応できた者だけが生き残る」とよくいわれるように、
イノベーションを起こし、進化し続ける企業カルチャーなくして、
老舗企業にはなれないのです。
(「はじめに」より抜粋)
どんな老舗企業であっても、
前例ばかりを踏襲していては時代の流れに取り残されてしまいます。
著者が3代目社長を務める會澤高圧コンクリートは、北海道で産声を上げ、
2021年4月で創業87年目を迎える総合コンクリートメーカーです。
今でこそ業界では息長く存続している企業の一つですが、
著者が入社した1998年頃は、生きるか死ぬかの競争が業界内で繰り広げられ、
決して会社の未来は明るいとはいえませんでした。
コンクリートは生活するうえで欠かせない材料であり、
独占禁止法に違反する行為(カルテル)が特別に認められている業界です。
一方で、“守られた”存在ゆえに
旧態依然とした悪しき習慣が当時は色濃く残っていました。
著者は旧態依然とした業界に革命をもたらすことで横並びの状態から抜け出すことに成功し、
その後も研究開発とオープンイノベーションに注力して
新事業を次々と生み出していきました。
その結果、二十数年のうちに道内のコンクリート需要はほぼ半減したなかで、
売上を約4倍に拡大させました。
そして現在は、創業100年目の姿を構想しながら「真の老舗企業」になるべく、
さらなる挑戦を続けています。
本書では、祖業が秘めた可能性を信じて発展を遂げてきた足跡を紹介するとともに、
ファミリーエンタープライズの進化の道筋をお伝えします。
目次
はじめに
序章 次代へ向けて――未来につながる種をまく
運命の出会い
ドラえもんの世界を現実に
第1章 戦わずして道は開けぬ 業界の悪しき習慣を疑え
荒れ果てた業界
コンクリート×IT
生コン業界の“クロネコヤマト”に
規制に翻弄されて
玉虫色の結論
純粋な民主主義は存在しない
≪コラム≫インターネットの熱狂
第2章 成熟技術にこそフロンティアを見よ 未知なる可能性を探求する
運命の日
コンクリートは成熟技術ではない
理想の水和、そして硬化制御という領域へ
無限の可能性を秘めた最終兵器
會澤コンクリート工業所を創業
コンクリートの可能性に着目
奥深きコンクリートの世界へ
コンクリート×テクノロジー=イノベーション
コンクリート×ドローン
コンクリート×3Dプリンター
コンクリート×衛星
コンクリート×風力&水素
コンクリート×AI
研究開発型生産拠点「RDM」福島県浪江町に建設
文明とはコンクリートである
第3章 老舗だからこそ“最先端”を取り入れる 生き残るために進化を止めるな
思い切った改革を推進
自己否定こそ、経営者の仕事
高い志や目標が人を変える
一流どころと付き合うべし
防衛を目的とした中国への進出
「請われて出ていく」会社を目指して
恐竜にならないために
第4章 企業の成長には「喜怒哀楽」が不可欠 イノベーションを起こすために
必要な経営者のポリシー
“嫌われ者”のコンクリート
イノベーションを阻む規制の壁
まずはやってみろ
「多様性」は強みになる
自分にしか果たせない役割を
「最大公約数」はいらない
チャレンジャーが尊ばれる組織に
仕事の報酬は仕事
やりたいことをやればいい
面白いことを追求する
「組織図が描けない組織」を目指して
「出会うべくして出会う」プラットフォームを
第5章 サステナブルなファミリーエンタープライズで「真の老舗企業を目指せ」
約束された椅子などない
「3代目」としての闘い
ファミリーエンタープライズの強み
選択と集中はいらない
祖業が秘めた可能性
真の老舗企業を目指して
おわりに