縁もゆかりもない片田舎で僕がクリニックを開業した理由
書籍内容
開業資金を極力抑えつつ、地方医療に貢献したい――
継承開業で始めた「田舎」のクリニック経営
地方医療に貢献し続けてきた医師が語る
地方におけるクリニック開業と経営のリアル
少子高齢化が進むなか、すべての高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる社会の実現が求められています。
医師のなかには、その担い手として地方でクリニックを営み、地域医療に貢献したいという思いを抱く人も増えています。
しかし、実際に地方で開業するとなれば、集患はできるのか、人材は足りるのか、
自分の専門とする診療科が求められているのかといった経営上の不安がつきまとい、先行きを見通して一歩を踏み出すのは容易ではありません。
こうしたなか、著者はM&Aで地方のクリニックを引き継ぐというかたちで開業を果たし、
縁もゆかりもない地域で少しずつ信頼を得ながら経営を続けてきました。
本書は、その経緯の一部始終を紹介するものです。
継承開業であれば、スタッフや患者も含めて引き継ぐことができ、少ない資金で安定した経営を目指せる――
著者はそう考えていましたが、新しい土地での船出は順風満帆とはいえないものだったといいます。
地域の人たちからは「よそ者」として敬遠され、役所やほかの医療機関とも習慣の違いから軋轢が生じてしまったのです。
しかし、継承した以上はこの地域の医療を担うのは自分の使命であるという信念のもと、
総合診療医としてひたすら地道に「この地域のどんな患者さんにも真摯に向き合う」という姿勢を貫き、受け入れられるための努力を続けました。
著者はその経験から、地方での開業を軌道に乗せるには多くの挑戦と努力を要するものの、
それは医師としてのやりがいを再確認し、自己成長する機会でもあると断言しています。
この本では、著者が地方で開業しクリニックを成長させてきた軌跡をたどりながら、
実際に開業を検討している医師の参考になるよう、良いことばかりでなく、苦労した面もリアルに伝えています。
都市部と地方の医療格差について考えを深め、地方開業を成功させるためのヒントが得られる一冊です。