異邦のかかりつけ医 中国人医師が40年掛けて実現した地域医療のカタチ
書籍内容
中国に戻ればエリート公務員の未来が約束される……
それでも僕は日本の患者を救うことを決意した
異邦の医師が地域医療を担う開業医に――
患者に頼られるかかりつけ医を目指した40年の軌跡
本書は、日本の医療を学ぶために祖国を離れ、患者と向き合いながらひたむきに診療を続け、
かかりつけ医として地域に根差した医療を提供してきた一人の中国人医師の軌跡を描いた本です。
中国・上海に生まれた著者は、1984年に九州にある大学の医学部へ留学生としてやってきます。
来日当初は、祖国とは違う日本の高度な医療を学び、
その知識を活かして中国の医療に貢献したいと考えていました。
しかし、大学院から医療現場に研修医として出た著者が目にしたものは、病院が遠方にあるために患者本人はもちろん、
付き添いの家族も大きな負担を強いられている現状でした。
中国よりも先に超高齢社会を迎えようとしていた日本において、
適切な治療やアドバイスをする「かかりつけ医」として目の前の患者を常に身近で支えたい、という想いが強くなっていました。
そうした強い使命感に駆られ、中国に戻らず日本で医師として活動していくことを決意した著者は
2001年に自身のクリニックを開業し、以来、24時間365日、患者に頼られるかかりつけ医として地域医療に身を尽くしてきました。
日本の医療に尽力してきた異邦人である著者は、今では地域患者にとって必要不可欠な存在となっています。
遠く中国から海を渡り、日本の医療に貢献するため奔走してきた一人の医師による40年の記録をまとめた本書は、
日本の地域医療でかかりつけ医に求められていることを、いま改めて考えるきっかけとなる一冊です。