健康寿命を延ばす心臓リハビリテーション入門
書籍内容
心不全の専門医が解説!
再発を防ぐ治療「心臓リハビリテーション」とは
「運動」「食事」「ストレスマネジメント」
突然死や寝たきりのリスクを抑えて健康寿命を延ばす!
世界でもトップクラスの長寿社会である日本では、
健康的で自立した日常生活を送れる期間=健康寿命をいかに延ばすかが
大きな関心事になっています。
その健康寿命を脅かす疾患の代表格が心不全です。
心不全は現在ではまだ完治へ導く治療法がなく、
改善と悪化を繰り返し徐々に全身の機能低下が進んでしまいます。
それにより生活の質が低下するとともに治療や介護の費用が膨らむなど、
本人だけでなく家族にとっても大きな負担となります。
また、弱った心臓が急に動きを止めてしまう突然死のリスクも抱えることになります。
ひとたび発症すると生涯の付き合いになる心不全においては、
「重症化の予防」が健康寿命を延ばすカギになります。
そして、その有効な治療法として国内外で高い評価を得ているのが、
本書のタイトルになっている「心臓リハビリテーション」(心臓リハビリ)なのです。
リハビリと聞くと、怪我や脳卒中などで不自由になった手や足の運動機能を
取り戻すための訓練というイメージが強いかと思いますが、
心臓リハビリは少し意味合いが異なります。
心臓リハビリは心臓を鍛えるのではなく、体力や血管の機能を高めることで
心臓に掛かる負担を軽減し、心不全の重症化を防ぐための治療プログラムです。
運動だけでなく食事やストレスマネジメントも重視した、包括的な指導が行われます。
著者は20年以上にわたり多くの心不全患者を診てきた循環器専門医です。
心臓リハビリについては日本にその概念が米国から入ってきた1990年代から
臨床研究に関わり、国内における有効性の検証に取り組んできました。
心臓リハビリの効果は多くの研究で裏付けられているにもかかわらず、
まだ一般にはあまり知られていないと著者はいいます。
そして、心不全で苦しむ人を一人でも減らすために、
心臓リハビリの重要性を広めたいと考え、本書を執筆しました。
本書では、心臓リハビリの目的や効果、実際に行うことなどを分かりやすく
解説しています。心不全やその原因となる心疾患についても触れており、
病気の知識を深めるためにも役立つ内容です。
心不全の重症化を防ぐための非常に有効な方法である心臓リハビリについて
知ることができ、健康寿命延伸のためのヒントとなる一冊です。