大切な人を大切にする 大型歯科医療グループの管理しない運営

梶原 浩喜[著]

2022.02.01

1650円(税込)

幻冬舎

単行本

書籍内容

一代で直営の歯科医院21院、歯科医師150名以上の
大型歯科グループを創り上げた著者が示す経営の極意とは――

「先生が死んだらこの病院は終わりです」
信頼するスタッフが私をまっすぐに見つめてこう言いました。
この言葉をきっかけに私は経営改革に乗り出しました。
スタッフたちが安心して一生を託せる職場にするために――
試行錯誤の末、辿り着いたのが「管理しない運営」だったのです。

全国の歯科医院の数はコンビニよりも多いといわれ、廃業に追い込まれる医師も
多くいます。
また、歯科衛生士の離職率は高く7割以上が転職を経験したことがあるといいます。
しかし、歯科業界の厳しい現状の中で、医療法人宝歯会グループは
西日本を中心に21院を運営し、10年以上働いているスタッフも多くいます。
宝歯会の成功の裏側には、
グループ代表である著者が苦悩の末に辿り着いた病院運営方法がありました。
著者は1992年にクリニックを開業しますが、勤務医に自分のやり方を強要していたため、
勤務医の離職が相次ぎました。
著者は、残った勤務医から「先生が死んだら、この病院は終わり」という
衝撃の言葉を受け、状況を改善しようと分院展開をしますが、うまくいきません。
そんなときに一冊の本に出会い、病院の運営を一新することになります。
それは「管理しない」という方法でした。
本書では、歯科医師を取り巻く問題を取り上げながら、
著者が行ってきた病院運営の改革を紹介します。

目次

はじめに
序章 歯科医師への挑戦
歯科医師への憧れ
父の死
1億1000万円の借金を背負う
母の病気で思わぬ開業

第1章 一流の歯科医師を目指す
~スタッフが生涯安心して働ける職場を目指し分院展開を開始~
悲願の開業
亡き父に助けられる
歯科医療が好きだ
順風満帆な日々
マネジメントの難しさ
「先生が死んだらこの病院は終わりです」
分院展開に乗り出す

第2章 当たり前の事をバカになってちゃんとやる
~「規律の中の自由」を実現するため、院訓の徹底、入社研修を実施~
「自分は悪くない」からの脱却
自己中心的な考えを捨て、利他心に生きよ
「モノをもてあそべば志を失い、人をもてあそべば徳を失う」
「優勝劣敗」の世界に生きている
逆境を前向きにとらえる
スタッフを大切にしていない自分を反省
運営と人生の転換期
縛りつけず、自立を促すための規律へ
院訓の徹底
入社研修を始める

第3章 組織力を強めるために“同胞感を大切にする”
~歯科医師やスタッフとその家族まで大切に想う~
家族を大切にするということ
有言実行、面談の徹底を実践
院長室に貼ったスタッフの大量の写真
大切な人の大切な人を大切にする
「同胞感」こそが最大の強み
世界一のピラミッド
「同胞」を増やすことで組織力を高める

第4章 学びの場がスタッフの成長を加速する
~診療と運営を完全に分離する~
「継続学習」が組織を育てる
1基礎研修セミナー+基礎実習
2未来セミナー
3特別セミナー
4補綴技工セミナー
5分院の治療レベルの向上と同胞感の熟成の為の分院長講義
6症例発表会
歯科医療に集中できる環境づくり
医療以外の業務を一手に担う別会社を設立
歯科技工士が輝くための会社も立ち上げる
コロナ禍を受け大学レベルの消毒・滅菌を行う
利益とは何なのか

第5章 “人材”を“人財”にする運営で業界のベンチマークになる
~患者様、地域の皆様そしてスタッフと深く永くお付き合いする~
離職率の減少に成功
リーダーの育成
人材を人財にする
女性が働きやすい環境をつくる
ドクターOB会の設立
財団法人の設立
未来の歯科業界のために

おわりに

著者:梶原 浩喜

医療法人宝歯会グループ代表 歯学博士
近未来オステオインプラント学会専門医指導医
ICOI口腔インプラント学会認定医
日本臨床歯周病学会認定医歯周インプラント認定医
日本顎咬合学会認定医

1960年、福岡県生まれ。鹿児島大学歯学部卒業後、
30歳で故郷の北九州市若松区にチェア2台の「かじわら歯科小児歯科医院」を開院。
「患者様と永く、スタッフと永く、地域の皆様と深く永くお付き合いする」を
ミッションにした治療方針が、患者様に広く支持されている。
開業16年目より分院展開を続け、
現在は、福岡県・山口県・広島県・岡山県・兵庫県を跨ぐ21の直営の歯科医院を運営。
在籍医150名、患者様数63万人の歯科医療グループとなる。
2021年研究者の支援のために一般財団法人 梶原浩喜財団を設立。
運営者としての仕事に加え現在も精力的に歯科医療に取り組みながら
若手の歯科医師育成に力を入れている。

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