拡大しない経営

水尾恒雅[著]

2023.05.15

1760円(税込)

幻冬舎

単行本

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書籍内容

小規模組織だからこそ
「やりたいこと」を極め続けることができる

激動のIT業界を拡大しない経営で生き抜いてきた
技術者兼経営者の40年の軌跡

独自のサービスや商品で売上を伸ばして事業を拡大させる──。
経営者であれば、このような夢を抱く人は少なくありません。
しかし、組織が大きくなると人材や設備、データなどが増えるため新たに人材・業務を
振り分けなければなりません。また意思決定に時間を要するようになり、
事業を拡大するほど経営者として組織マネジメントに注力しなければならず、
自らの手でゼロから何かを作り出したい、好きなことをとことん追求したいといった
起業時に抱いた志を果たすことが難しくなってしまいます。

本書は、事業を拡大していくことだけが必ずしも経営の正解とは言えないという
著者の主張を踏まえ、自分のやりたいことを貫き続けるための「拡大しない経営」
についてまとめたものです。
著者は「システム、ソフトウェアを作りたい」という一心で30歳のときに
脱サラし独立、ソフトウェア開発の分野で40年以上、拡大しない経営を続けてきました。
経営者でありながら技術者でもありたいという思いは創業当初から一貫しており、
社内コンペには毎回必ず参加し、技術者として社員たちに交じってプレゼンを行っています。
また従業員30人という規模は20年以上変わっていません。
このスケールだからこそ社内における迅速な情報共有が可能であり、
それにより早い段階で経営リスクに対処し、事業戦略も柔軟なかじ取りによって
ブルーオーシャンを開拓し続けています。

本書は、未来の予測が難しくなるVUCAの時代において、拡大しない経営のメリットや
マインドについて、著者の足跡をたどりながら説いています。
これから起業しようと考えている人や起業したばかりの人の背中を力強く押す一冊です。

目次

はじめに

序章 迅速な意思決定と組織全体の見える化が困難…… 
事業を拡大することだけが社長業の正解ではない
日本国内における起業の動向
・失敗したら挽回できない国
「会社の寿命30年」説は過去の話
・VUCA時代の企業寿命とは
大企業の社長像
・憎まれ役を担う大企業社長
大規模組織のデメリット
・意思決定に時間を要する
・リスクを避ける社風が形成される
・思いが浸透しにくい
・たくさんの意見を吸い上げる必要がある
・組織内の対立が起きやすい
・やりたいようにやれない

第1章 組織を大きくしないからこそ長くやりたいことを貫ける
「拡大しない経営」のメリット
中小企業の社長像
社長像の正解とは
・設立時にマネジメント能力は不要
小さな組織の会社の魅力と価値
・すべての責任を背負える充実感
自分の理念を貫ける
好きなことに好きなだけ時間を注げる
人間関係の余計な摩擦が少ない
次への挑戦に資産を投じやすい
「一発一中」が狙える
ニッチな市場でも生き残れる
「拡大しない」と「成長しない」は違う

第2章 競争優位に立てる大手不在のニッチな市場を切り拓く
大手との差別化を狙った独自のマルチタスクモニター
大手と差別化できる小さな組織ならではの武器
コンピューターとの出会い
プログラムいじりに熱中する日々
顧客の課題を解決するアプリケーション
バグとの戦い
海外赴任で広がる視野
人生観のアップデート
コンピューターのプロフェッショナルを目指して
アメリカ留学のチャンス
受託開発で軌道に乗せる
技術職のついでに社長業
人を雇う難しさ
雇用は0から1が最難関
商品化の起点は「ユニーク+継承」
独自路線から生み出されたマルチタスクモニター
音声応答システムとの出会い
他社には真似できないユニークなシステムを
一貫したコンセプトが経営を長続きさせる
拡大しないからこそ守れた理念とコンセプト

第3章 迅速な意思決定により早い段階で経営リスクに対処できる
すばやい製品改良で情報通信産業の構造転換を乗り越える
IT業界の地殻変動
堕ちていく企業と踏ん張る企業
新時代と折り合いをつけた商品開発
・最後のオリジナルハードウェア
ITバブルの甘い誘惑
「認めてもらうこと」に固執しない
・救済措置で安心する経営者
「売れる」までの険しい道のり
・商品を生み出す喜び
拡大しないからこそ順応できた変革の時代
・転換期を乗り越える秘訣は抵抗力ではなく対応力

第4章 柔軟な事業戦略の舵取りでブルーオーシャンを開拓し続けられる
電話回線領域で生み出した超ロングセラー商品
課題解決がブルーオーシャン開拓の糸口
「電話屋さん」に本格参入
拡大しない会社のウイークポイント
・マイナスを覆すプラスを用意する
縁あってブルーオーシャンに飛び込む
ユニークな商品だからこその苦悩
アメリカ同時多発テロ後に受注激減
・「まだなんとかなるだろう」が最も危険
オペレーター業務を効率化する「QuickCRM」の開発
・顧客対応窓口が迎える新たな局面
拡大しないからこそ参入できた新領域
「現場の担当者が業務を構築できる」のが理想
第5章 システム開発一筋40年、社員30人という“完成形” 
ナレッジを蓄積しニーズに応え続けられる老舗企業へ――
拡大しない経営の行動基準は「継承できるかどうか」にある
継承によって生まれるユニークな商品たち
多機能より唯一無二の独自性を磨け!
・性能よりもまず発想から
物真似だけでは継続できない
ヒアリングに創造なし
会社・商品・サービスの「表現力」を育てよ
顧客本位のビジネスモデル
・マーケットの反応がすべて

おわりに

著者:水尾恒雅

1970年代に大学卒業後、イタリアに本社のある「日本オリベッティ」に入社、ミニコンピューターを利用したシステムの開発に従事する。入社10年後にソフトウェアメーカーを立ち上げたいという夢をもち1980年6月に株式会社MITシステム研究所を設立。受託開発をしながら「マルチタスクモニター」「マルチCPUボード」をリリースし、大蔵省(現:財務省)から通関システムに採用されるなどの実績を積み、米国ダイアロジック社のオープンデベロッパーに認定される。以降、音声応答システム、PCサーバーを利用したPBXシステムを開発、大手メーカーとOEM契約を締結し、コンタクトセンターで顧客と接する部分(音声応答、音声認識、CTI、CRM等)の商品化、クラウド化を進めている。2023年3月、本社を新丸の内ビルディングに移転し、ますます新しいソリューションの提案に意欲を燃やしている。

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