テレワーク本質論

田澤由利[著]

2022.02.14

990円(税込)

幻冬舎

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書籍内容

テレワークが企業の課題だけでなく日本の社会問題を解決する!
第一人者が示すテレワークの役割とあるべき姿とは

コロナ禍を機にテレワークを導入したはいいものの、コミュニケーションが取りにくい、
マネジメントができない、社員の生産性が下がるなど、
さまざまな課題を目の当たりにした企業が多くあります。
しかし、だからといって「テレワークは合わない」と
出社勤務に戻ってしまってはいけません。
テレワークを単なる感染防止対策で終わらせてしまうことは、
日本の企業における生産性向上、人材確保、危機管理対策など、
ポストコロナ時代を生き抜くための武器を捨てるようなものだからです。

2020年以降、新型コロナウイルス感染防止のために多くの日本企業がテレワークを
導入したのはすばらしいことですが、
同時に多くの課題も浮き彫りになってきました。
人材教育やコミュニケーション不足による社員の帰属意識やモチベーションの低下により、
生産性が下がったと感じている企業も少なくありません。
企業が抱えるテレワークの課題は、
すべてマネジメントに問題がある「間違ったテレワーク」により生まれています。
コロナ禍という不測の事態により急速にテレワークが普及したため、
各企業は十分な準備もできないまま
コミュニケーションツールや労務管理ツールを導入してテレワークを実施しています。
いわばツール頼みの手探り状態で、
テレワークを運営するためのマネジメント体制の整備が追いついていないのです。
適切なテレワークを行うために最も大事なのは、
テレワークの本質を理解して社員とのコミュニケーションを強化し、
適切な人材に適正に業務を振り分け効率的に運用することです。
本書では、日本の企業・働く人、そして社会がテレワークにより
さまざまな課題を克服していくための基本知識、考え方、具体的な実践法などを
詳細に解説しています。

目次

【目次】
はじめに

[第1章] コミュニケーションが取れない、マネジメントができない、
生産性が上がらない……
間違いだらけのテレワーク
コロナ禍のテレワークは緊急対策
出社に戻るか、テレワークを進めるかの岐路
コロナ禍で露見した12の「間違ったテレワーク」
(1) 仕事を切り出すテレワーク
(2) 社員がさぼるテレワーク
(3) 過剰労働になるテレワーク
(4) コミュニケーションを取らないテレワーク
(5) 雑談ができないテレワーク
(6) 社員を管理しないテレワーク
(7) 社員が不公平を感じるテレワーク
(8) 部下を評価しにくいテレワーク
(9) 新人が育たないテレワーク
(10) 情報が漏洩しやすいテレワーク
(11) 報告・連絡・相談は対面のテレワーク
(12) 会社の一体感が薄れるテレワーク
「間違ったテレワーク」に向き合わずして、成功なし

[第2章] テレワークは単に離れて仕事をすることではない
テレワークの役割とあるべき姿とは
テレワークという言葉の意味を理解する
(1) 国がテレワークを推進する理由
(2) 「テレワーク」の定義に込められた意味
(3) リモートワークとテレワークは違う
(4) 在宅勤務と在宅ワークは違う
《コラム》筆者の在宅ワーク時代
なぜテレワークが日本を救うのか
(1) テレワークで企業の生産性向上
《コラム》テレワークで削減できるコスト
(2) テレワークで労働力の確保
《コラム》未活用労働力は500万人近く?
(3) テレワークで、高齢化社会対策
《コラム》リモートで親と朝食
(4) テレワークで、少子化対策
《コラム》男性の育児休業とテレワーク
(5) テレワークで、災害時の事業継続
《コラム》停電時でもテレワーク
《コラム》帰宅難民と出社難民
(6) テレワークで、地方創生
《コラム》地元に若者が戻る「鮭モデル」
なぜテレワークは日本に普及しにくいのか
(1) 最大の壁は、働く人の意識?
(2) 日本の従来の「仕事の仕方」が足かせ?
(3) アメリカと日本のテレワークの違い
《コラム》米ヤフーが在宅勤務を禁止した理由
欧米の真似ではない、日本のためのテレワークを

[第3章] テレワークを成功に導く心得十か条
テレワークを成功に導く心得十か条
一、 仕事が限られると思い込むなかれ
二、 一緒に仕事をしている感を大切にせよ
三、 雑談してしまう「場」をつくれ
《コラム》毎朝のラジオ体操で雑談
四、 ホウレンソウをデジタル化せよ
五、 安心して働ける「柵」を用意せよ
六、 デジタル化は今すぐ始めよ
七、 セキュリティは鍵のかけ方と心得よ
《コラム》クラウドと社内、どちらが安心?
八、 時間あたりの効率を評価せよ
《コラム》優秀な社員ほど離職?
九、 会うことを大切にせよ
十、 フェアなテレワークを目指せ
《コラム》目指すべきハイブリッドな働き方

[第4章] テレワークでのコミュニケーション実践のポイント
コミュニケーションを5つに整理する
(1)リアルタイムの会話
(2)話しかけるきっかけ
(3)チームの業務進行
(4)インフォーマルな会話
(5)チームの一体感
オンライン会議を改善する
(1)オンライン会議室を活性化する
《コラム》匿名だと質問や意見がしやすい?
(2)オンライン会議の緊張感を保つ
《コラム》部下に「カメラをオンにして」と言いにくい
(3)ハイブリッド型会議をフェアにする
雑談しやすい「場」と「雰囲気」をつくる
(1)雑談はどこから起こるのか?
(2)バーチャルオフィスの雑談しやすい「部屋」
(3)話しかけやすい運用ルール
《コラム》バーチャルオフィス「謎の部屋」の正体
「ホウレンソウ」をデジタル化する
(1) ホウレンソウのデジタル化は、これからのビジネスの要
《コラム》口頭で指示するのはいけないこと?
(2) チーム型ホウレンソウツールを求めて
(3) Facebookのノウハウを活かした「ホウレンソウ」ツール
《コラム》惚れたツールを販売できる幸せ
チームのつながりを強化する
バーチャルオフィスで「一緒に仕事をしている感」
《コラム》ウェブ会議ツールで「仮設バーチャルオフィス」
オンラインでの新人教育
オンラインでもチームビルディング

[第5章] テレワークでのマネジメント実践のポイント
テレワーク時の労働時間制度を理解する
(1) 通常の労働時間制度
(2) フレックスタイム制
(3) 事業場外みなし労働
(4) 裁量労働制および高度プロフェッショナル制度
《コラム》テレワークは性善説か性悪説か
テレワーク時の時間の管理方法を知る
安心して働けるマネジメントを目指す
新しいマネジメントツールを知る
《コラム》30分の中抜けで保護者会に出席
《コラム》つながらない権利
テレワークの就業規則と運用ルールをつくる
時間あたりの成果を評価軸にする
《コラム》テレワークでもフェアな賃金制度
《コラム》ジョブ型雇用と成果主義

[第6章] テレワークが当たり前になる社会へ
日本型テレワークが企業・働く人・社会全体のウェルビーイングを実現する
テレワークで、社会の組織も柔軟に
オフィスは働くためのプレミアムな場所へ
仕事と休暇を切り替えるワーケーション
《コラム》水戸黄門はワーケーションだった?
デジタル田園都市を支えるテレワーク
《コラム》地方で暮らす幸せ
テレワークで「まちづくり」が変わる
《コラム》ネットとリアルが融合する街
企業戦力としての障がい者雇用
《コラム》アンデルセンのパン
テレワークできない仕事はいつかなくなる
日本の未来を救う「日本型テレワーク」とは

おわりに

著者:田澤由利

北海道北見市在住。上智大学卒業後、シャープ(株)でパソコンの商品企画を担当。
フリーライター経験を経て、1998年(株)ワイズスタッフを、
2008年日本初のテレワーク専門のコンサルティング会社(株)テレワークマネジメントを設立。
民間企業等へのテレワーク導入・活用支援や、国や自治体のテレワーク普及事業等を広く行う。
また年間150本超の講演をしながら、
国土交通省 国土審議会計画部会、内閣官房 地方創生テレワーク検討会議、
総務省「ポストコロナ」時代におけるテレワーク定着アドバイザリーボードなど、
テレワークの新たな普及定着に向けた政策検討会議に参画している。
上智大学非常勤講師。
●最近の主な受賞歴(個人)
2021年 第66回前島密賞
2020年 文部科学省 地方教育行政功労者表彰
2016年 厚生労働省テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰個人賞
2015年 総務省平成27年度情報化促進貢献個人等表彰

ネット書店

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