よみがえる限界集落

書籍内容
自然との共存、人とのつながりを
重視した生き方の実践
売上や効率ばかりを追い続けてきた経営者が、
これまでの自分の考え方に疑問を抱き
人口270人、コンビニエンスストアもない限界集落で
あらためて生き方を問う。
2019年末に見つかった新型コロナウイルスによって、その後の私たちの世界は
一変しました。既存の経済社会システムのひずみが浮き彫りになり、
一人ひとりの生き方が改めて問われています。
著者はそんなポストコロナ時代を生き抜くための新たな価値観を、
四国の限界集落の人々との交流や農業、自然との対話から模索していきます。
新型コロナウイルスが猛威を振るう直前、ホテル経営者である著者は経営の再建を
請け負った四万十川源流の景勝地、愛媛県の滑床渓谷にあるホテルに泊まり込み、
リニューアルオープンの準備を進めていました。
しかし、突如起こったパンデミックによって再建を期したホテルばかりか、
それ以外に経営するすべてのホテルを営業停止とせざるを得ない状況に陥ってしまいます。
事業をいつ再開すべきか見通しも立たない不安のなか、著者は都市から離れた
このホテルがある集落で時を過ごします。
ホテルの営業停止中は特にやるべき仕事がなく、近くの田んぼや畑を手伝ったり、
地元の人に無農薬農法や周辺の自然について話を聞いたりするのが日課となりました。
すると都市から離れた限界集落での生活は、むしろ新たな価値観や生き方のヒントが
詰まっていることに気づかされます。
そこで著者は、集落の人たちにとっては当たり前のことだった農業や自然体験を
観光資源として、宿泊客へ提供するツアーを企画します。
営業再開後に始めた農業と自然体験プログラムが呼び水となり、全国からたくさんの
宿泊予約が入るようになります。
また、このプログラムに興味を持った学生たちが、インターンシップで次々と参加を
希望するようになったのです。
著者やその取り組みに共鳴した人たちが見た限界集落の可能性とは何だったのか?
本書は、自然とともに生きる暮らしや人と人とのつながりで成り立つ村の生活を通じて、
経済成長至上主義に縛られないオルタナティブな生き方を提示する一冊です。
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