健康脳が寿命を延ばす

谷 茂[著]

2022.11.02

990円(税込)

幻冬舎

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書籍内容

脳の健康を維持すれば、
人間はもっと健やかに長生きできる!?

脳疾患は突然死や体の麻痺、言語障害を招く恐ろしい病気――
長年、脳卒中など急性患者の治療と、
地域住民の脳疾患の発症予防・再発防止に努めた医師が徹底解説。
健康寿命を縮める脳の病を防ぎ、
健やかで豊かな人生を実現する生活習慣とは。

厚生労働省が実施した人口動態統計によると、1951年から約30年にわたって死因別死亡者数の第1位は脳疾患でした。1970年頃からは減少傾向にあるものの、今もなお上位に位置しています。また、脳疾患は、完治が難しいことも特徴です。幸い一命を取り留めたとしても、体の「麻痺」「しびれ」「痛み」、また「言語障害」「認知機能の低下」などの後遺症に悩まされる人が多くいます。程度によっては寝たきりになったり、介護が必要になったりすることもあり、発症前と同じ生活を送れなくなってしまいます。
しかし、早い段階から生活習慣に気を使い予防に取り組めば、脳疾患を防げる可能性は高くなるのです。
本書では、脳神経クリニック院長が脳疾患の基本的な知識と、脳疾患を予防し健康寿命を長く保つための秘訣を医・食・眠・住・遊・学という6つの観点から解説します。
恐ろしい脳疾患を防ぎ、少しでも長く健康で豊かな人生を過ごしたい人必読の一冊です。

目次

はじめに

[第1章]進む長寿化といまだ発展途上の脳研究
延び続ける日本人の平均寿命
健康長寿のために欠かせないものとは?
20世紀にようやく始まった脳の研究
体のほかの部位よりも進みづらい脳の研究
脳の健康についての治療はまだまだ未発達

[第2章]脳の健康なしに健康長寿は実現できない
脳の病気から寝たきりにつながるリスク
脳梗塞になれば一命は取り留めても障害が残ることもある
運動麻痺や感覚障害、視野障害に加えて認知機能の低下にもつながる
脳の健康こそが健康長寿のカギ
脳は、どのような構造なのか
想像を絶する脳内のネットワーク
脳に男女差はあるのか
賢さと脳の回転の速さは反比例する
ニューロン同士の電気活動、脳独自のメカニズム
脳内血管の安全確保
脳内の老廃物はどう処理されているのか
血流で分かったことと、増えた謎
記憶についての謎
分かっているショッキングな事実

[第3章]健康長寿を妨げる恐ろしい脳の病気
歳をとると脳が縮む?
脳が萎縮すると何が起こるのか
注意したい炎症
意外な盲点、血管で運ばれる危険物質
脳の病気で何より気をつけたい脳卒中
血管が詰まる脳梗塞
1.アテローム血栓性脳梗塞
2.心原性脳塞栓症
3.ラクナ梗塞
血管が破れる脳出血
1.脳出血
2.くも膜下出血
ほかにもある脳卒中のリスク
1.脳動静脈奇形
2.もやもや病
3.アミロイド血管症
4.慢性硬膜下血腫
脳卒中、どのように気をつければよいか
アルツハイマー病にはどう対処すればよいか

[第4章]脳の健康を長く保つための生活習慣~医療・食事・眠り・住まい・遊び・学習~
医・食・眠・住・遊・学を大切に
医:早いうちから、かかりつけ医に相談する
医の一)何よりもまず、信頼できるかかりつけ医を見つける
医の二)じっくり話を聞き、きちんと管理してくれるドクターを探す
医の三)かかりつけ医選びは、とにかく一度診てもらって比べてみる
医の四)かかりつけ医から紹介してもらえる病院も確認しておく
医の五)健康診断を必ず受けて、かかりつけ医に相談する
食:脳を健康にする食事を心掛ける
食の一)加齢に伴い、食事を減らすのは有効
食の二)自分の味覚を確かめる
食の三)中年以降は質の良いタンパク質を摂る
食の四)体に入れたもので、体はつくられる
食の五)脳の健康を守る食べもの
眠:眠りの意義を確認する
眠の一)2種類の睡眠を、どちらも大切にする
眠の二)眠りにつく前は、副交感神経を意識する
住:脳を刺激するような空間で過ごす
住の一)脳の活性化を意識する
住の二)誰かと触れ合える空間を確保する
住の三)五感を刺激する住空間に住む/視覚
住の四)五感を刺激する住空間に住む/聴覚
住の五)五感を刺激する住空間に住む/嗅覚
住の六)五感を刺激する住空間に住む/触覚
住の七)時には屋外で五感を解放してみる
遊:人と楽しく関わりながら脳を刺激する
遊の一)一人で遊ぶより、誰かと一緒に楽しむ
遊の二)場所を変える効果に注目する
遊の三)頭を使う遊びが望ましい
学:脳を活性化するために学び続ける
学の一)何であれ、何かを学ぶと脳は刺激を受ける
学の二)読書は脳を活性化するための王道
学の三)学び直しの機会を活用する

[第5章]脳の健康を保てば不老長寿は手に入る
いつの時代も不老長寿は人類の願い
ほぼ倍まで延びた平均寿命
脳だけが不老不死になる夢
人間の判断、AIの判断
未来の恩恵を受けるために
認知症予防には脳の活性化を心掛ける
『老いなき世界』の衝撃
長寿遺伝子サーチュインの力
どうすればサーチュインを活性化できるのか
体に入れるものでサーチュインを活性化する
ほかにもある老化を遅らせるもの
良いことは何でもやってみる

おわりに

著者:谷 茂

愛媛県出身。父が医師であったので、身近な職業として感じていたことから医師を目指すようになる。脳に興味があったのと脳が非常にきれいだと思ったので脳外科医を選択した。医師になった当初は手術の手洗いで手がひどく荒れ、脳外科医を断念しかけたが、断食療法を専門とするある先生のおかげで、食事療法で手荒れを克服。この食事療法をきっかけに、空腹状態のほうが体調が良く手荒れが改善することに気づいた。脳外科医として健康に働けることに感謝するとともに、人体がいかに健康を保持するか全般に関心をもっている。特に近年は高齢化における健康長寿について、脳を中心とした治療に着目している。2021年4月1日に南栗橋神経クリニックの院長に就任。前院長の清水隆先生は師匠であり、清水先生の指名で院長に就任した。

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