完治を目指す リウマチ治療

吉田智彦[著]

2023.03.02

990円(税込)

幻冬舎

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書籍内容

完治は夢じゃない!
進歩を遂げるリウマチ治療

日本で最初にリウマチ膠原病専門クリニックを
開業した院長が解説する
「 協働意思決定( SDM= Shared Decision Making) 」
にもとづいたオーダーメード治療とは


リウマチは不治の病—― そんなイメージをもち、長くつらい闘いを強いられる病気だと
考える人は少なくありません。 リウマチと診断されただけで趣味や仕事、 恋愛、 結婚、 出産など、
人生における楽しみや個人的な夢も諦めなければならないのではないか… …
と絶望してしまう人がまだまだ多くいるのです。
しかし、 日本初のリウマチ膠原病専門クリニックを開業した著者は、 そんなマイナスイメージはもう過去の話であると説きます。 現代ではさまざまなリウマチ治療薬が開発されており、 適切な治療を行えば十分に完治を目指せる病気なのです。
さらに著者は、 医師が患者に治療方針を押し付けるのではなく、 患者の希望や価値観にもとづいて医師が治療方針を提案する「 協働意思決定( SDM: Shared Decision Making) 」 が重要だと言います。 患者と医師が治療の方針や目標を話し合い共有することによって、 進学や就職、 妊娠・ 出産、 海外旅行など、 患者の夢や希望を叶えることを目指す治療が可能になるのです。
本書では、 リウマチという病気の基礎知識をはじめ、 SDMを取り入れたリウマチ治療の進め方、 日常生活を取り戻した患者たちの事例などが掲載されています。 「 リウマチ」 という病名に打ちひしがれている人にこそ、 夢を諦めないためにもぜひ読んでほしい一冊です。

目次

はじめに

第1 章 ある日突然、 リウマチに――
もう日常生活は取り戻せないのか?
リウマチという病名の衝撃
メディアの情報によって悪いイメージが増幅されている
周囲の無理解や治療が長引くことに対する不安も
ライフイベントや夢は諦めなければならないのか?

第2 章 リウマチかもしれない人、 リウマチと診断された人のための
リウマチの基礎知識
リウマチとは放っておくと関節が変形する病気
関節が変化し、 炎症が起こるしくみ
女性が発症することが多い
リウマチは遺伝する?
リウマチの根本原因は未解明だが、 痛みのメカニズムの研究は進んできた
関節に現れる、 リウマチが疑われる症状
代表的な初期症状
発症しやすい年齢には3つのピークがある
できるだけ早く治療を開始することが肝心
内科の看板に「 リウマチ科」 と掲げる専門医を主治医に
診察の流れ
診断に必要な検査
リウマチの診断
リウマチの起こりやすい部位と特徴
関節以外に現れる不調や異変
膠原病とリウマチとの関係

第3章 寛解・ 完治は夢じゃない!
進歩を遂げるリウマチ治療
リウマチ治療の歴史
1 痛みを取るだけの暗黒時代
2 関節・ 骨破壊を抑制する薬「 リウマトレックス」 の登場
3 関節・ 骨破壊を止める「 生物学的製剤」 の登場
4 関節・ 骨破壊を止める内服薬「JAK阻害薬」 の登場
5 バイオシミラーが登場
不治の病ではなく寛解を目指せる病気となった
「 T2 T」 で目標をもった治療を行い、 フィードバックを欠かさない
リウマチの活動性の評価法
リウマチの治療薬を知る
リウマチ治療のフェーズⅠ  抗リウマチ薬
リウマチ治療のフェーズⅡ  リウマトレックス+ 生物学的製剤またはJAK阻害薬
リウマチ治療のフェーズⅢ  別の薬剤への変更
新薬登場以前の患者には

第4 章 「 協働意思決定( SDM= Shared Decision Making) 」 で
患者と医師二人三脚で完治を目指す
リウマチ治療の目標はライフイベントを諦めないこと
リウマチ治療はチーム医療
治療目標を決めていくための手段がSDM
SDMを治療に取り入れるためのステップ
リウマトレックスを使った例
生物学的製剤を使った例
JAK阻害薬を使った例
問診票でも希望を伝えられる
新しい薬を使い始める前のチェック
夢や希望を実現するオーダーメードの治療
現代医学( 西洋) と伝統医学( 東洋) の統合医療
寛解後の生活
自分に合った主治医を見つけるには
これからのリウマチ治療とは

第5 章 仕事、スポーツ、 妊娠・ 出産、 旅行… …
日常生活を取り戻したリウマチ患者たち1 6 のケース
「 ほかに手がない」 はあり得ない
ケース① スポーツを続けたい ( 2 0 代男性)
ケース② 仕事を続けたい ( 3 0 代女性)
ケース③ バリバリ仕事をこなし、 休暇は海外旅行という日々に戻りたい ( 4 0 代女性)
ケース④ 就職したい (2 0 代女性
)ケース⑤ 上京して充実した大学生活を送りたい (20代女性)
ケース⑥ 女優になりたい ( 2 0 代女性)
ケース⑦ 自立したい ( 2 0 代女性)
ケース⑧ 結婚したい ( 3 0 代女性)
ケース⑨ 子どもが欲しい ( 4 0 代女性)
ケース⑩ 中絶したくない ( 3 0 代女性)
ケース⑪ 介護も趣味も続けたい ( 5 0 代女性)
ケース⑫ 山登りをやめたくない ( 6 0 代男性)
ケース⑬ いつもおしゃれでい続けたい ( 4 0 代女性)
ケース⑭ 孫の世話をしたい ( 7 0 代女性)
ケース⑮ 仕事もゴルフも続けたい ( 6 0 代男性)
ケース⑯ 結婚式では杖なしで歩きたい ( 5 0 代女性)

おわりに

著者:吉田智彦

医療法人社団東信会 世田谷リウマチ膠原病クリニック 統括院長。日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員。日本内科学会認定内科医・総合内科専門医。聖マリアンナ医科大学大学院を卒業後、同大学の付属病院リウマチ膠原病アレルギー内科勤務を経て、2006年に世田谷リウマチ膠原病クリニックを開院。「膠原病」をクリニック名に冠したのは日本初。2018年には父のクリニックを引き継ぎ、東信よしだ内科・リウマチ科に呼称変更。2023年2月、組織統合によりフラッグシップクリニックと位置づけた世田谷リウマチ膠原病クリニック新宿本院を開院。本院では、すべてのメディカルスタッフがリウマチ・膠原病の専門知識をもち、現代医学に漢方・鍼灸などの伝統医学を融合して患者に応じたオーダーメード治療を確立している。
関連施設:世田谷リウマチ膠原病クリニック新宿本院/東信よしだ内科・リウマチ科/新宿スカイビル健診テラス/世田谷リウマチ膠原病クリニック祖師谷

ネット書店

  • https://amzn.to/3f3Yc6Z

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