From ZERO  地方の町工場をグローバル企業に変えた 二代目女性社長

手島 由紀子[著]

2022.09.29

990円(税込)

幻冬舎

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書籍内容

この会社を日本の中小企業のロールモデルに成長させる。
これが私の社長としての使命だ――

アメリカ帰りの二代目女性社長は、いかにして昭和的経営の町工場を
海外販売比率20%超のグローバル企業に変革できたのか。
先代や古参社員から軽視され猛反発を受けながらも、
ゼロから挑んだ経営改革の数々。
二代目社長が会社を変えるヒントがここにある。
アメリカ留学からの帰国後、父が経営する医療用ステンレスチューブメーカーに入社した著者は、昭和のままの旧態依然とした会社のあり様に衝撃を受けた。
パソコンが1台しかないオフィス、ベテラン社員の腕と勘に頼った製造技術、得意先からの受注待ちの営業スタイル。
時代錯誤であっても、面倒であっても、昔ながらのやり方であくせく仕事をすることが正しい。
そんな会社で、いつ潰れてもおかしくない絶望的な状態に見えた。
入社以来、強い危機感を抱き続けていた著者は、2014年の社長就任後にすぐさま改革に着手。
古参社員の抵抗や社員の大量退職、創業以来初めての赤字転落などさまざまな困難に直面しながらも、「残ってくれた社員たちを必ず幸せにする」という強い覚悟を胸に、次々と改革を推し進めていった。
本書は、家業を引き継いだ二代目経営者が、アメリカ帰りかつ女性という強みを活かしながら、旧態依然な町工場をグローバル企業へと生まれ変わらせた軌跡をまとめている。
高度経済成長期に創業した中小企業の多くで事業承継が進むなか、先代から看板を譲り受けた次世代経営者が会社を変えるヒントを得られる一冊である。

目次

はじめに
第1章 家業は地方で金属加工業を営む町工場
二代目女性社長の改革前夜
・二代目社長の苦悩
・父が創業した町工場で生まれ育った
・普通の女子だった私が留学した理由
・逃亡先のボストンでの楽しい生活
・人生で初めて真剣に勉強した
・「社員を遊ばせる気か」とPCの導入を反対する父
・そして始めたゼロからの改革
・生産管理ノウハウは工場長の頭のなかのみ
・受け身体質が染みついていた

第2章 技術を見て盗む時代は終わった
ノウハウを明文化し社員の能力を最大限に伸ばす人材配置を行う
・会社の強みが分からない
・ISO 9001取得を目指し、たった一つの肩書きを手に入れる
・ノウハウの共有、そして明文化へ
・生産管理システム開発をスタート トレーサビリティの実現へ
・MBA取得を目指して再びボストンへ
・私を大きく成長させた2度目のアメリカ
・ボストンにTeshima Internationalを設立
・「帰国せよ」母からのメッセージ

第3章 古参社員が幅を利かす会社は老いる
思い切った世代交代こそ最強の会社組織アンチエイジング
・現場社員と対立しても、改善を進める
・生産管理システムでトレーサビリティを厳格化
・入社約10年で初めての役職を得る
・展示会への出展で新たな扉が開く
・海外売上比率を3%から20%に引き上げた世界戦略
・新工場建設プロジェクトを遂行
・業務停止ゼロ。ゴールデンウィークの7日間で工場を移転
・これからの中小企業の経営者が考えるべきこと
・受け身体質から抜け出さなくては先はない時代
・父に引導を渡し、事業承継を行う
・社員の健康と環境に有害な薬剤の廃止へ
・1カ月で社員の7割が去った「水洗浄事件」
・環境マネジメントシステムISO 14001取得へ
・ネガティブキャンペーンがエスカレート
・5年の歳月を経て水洗浄が完成

第4章 「昭和の働き方」を良しとする会社は生き残れない
女性に優しい環境を目指した職場づくり
・会社組織として人材を育てる教育制度の構築へ
・危機的状況を救った新卒採用
・世の中にどう役立つのか、自社の魅力をアピールする
・第三者評価が信用になる

第5章 先が見えない国内依存から脱しなければ会社の成長はない
女性視点の企業ブランディングで世界に挑む
・社員の働きやすさを追求した社内制度
・働き方の自由を担保する正当な評価制度
・利益を社員に還元する「賞与ファンド」
・DXの導入でムリ、ムダ、ムラをなくす
・SDGsに取り組み、世界に貢献する

第6章 地方の町工場からグローバル企業へ
二代目・女性の視点が会社の未来をつくる
・週に1日しか出社しない社長
・自走する組織に変える
・新規市場の開拓を積極的に行える組織へ
おわりに

著者:手島 由紀子

1972年、群馬県生まれ。
1996年に渡米し、ESLにて英語を学んだあと、Northeastern Universityにてビジネスの基礎を学ぶ。
2002年に手島精管株式会社に入社。7年間の現場改革を経て、より深いグローバル経営の知識を得るために2008年に再渡米し、HULT IBSに入学し、翌年MBAを取得。帰国後、2014年に代表取締役社長に就任し、数々の組織改革を行う。2017年には、地域未来牽引企業に選定され、2020年には中小企業庁「新しい担い手研究会」(中小スタートアップ企業の在り方を考える会)に参画し、社内だけでなく幅広く活動している。「ニューズウィーク日本版」「Qualitas」「WITH WOMEN」「日本経済新聞」などさまざまなメディアで製造業女性二代目社長として今まで行ってきた改革が取り上げられている。

ネット書店

  • https://amzn.to/3f3Yc6Z

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