知っておきたい「うつ」の真実
書籍内容
一人ひとりが自分らしく幸せを感じながら生きていくために
うつ病患者とその家族が知っておくべき正しい知識とは
うつ病を患い、長い闘病生活のなかで再発を繰り返している患者たちの多くは、
誤った情報を信じ続け重症化させている人が大半です。
言葉では言い尽くせないほどの苦痛から解放されるためには、
まず正しい知識を身につけ、
情報に振り回されず自分を信じて判断する力を養うことが必要なのです。
現在、15人に1人がうつ病を発症すると言われており、うつ病は誰でもかかり得る
身近な病気となっています。
問題は、インターネット上に溢れる情報に振り回されて右往左往しているうちに
病状の悪化や長期化につながるケースが後を絶たないことです。
「うつ病は入院するほどの病気ではない」「カウンセリングを受ければうつ病は治る」
「薬に頼らずに治療したほうが体への負担が少なくて良い」など、
誤った情報を信じ続け重症化させてしまっている人が大半なのです。
一人ひとりの顔や性格が違うように、
10人の患者さんがいればそれぞれの患者さんに合った10通りの治療法があります。
本書では、幾多のうつ病情報の何が間違いなのかを明らかにするとともに、
治療法は一つではなく、個々のケースによってさまざまなアプローチがあることを
解説していきます。
目次
はじめに
序 章 「情報」に翻弄されて、再発・長期化してしまう「うつ病」患者たち
特別な病気から身近な病気になったうつ病
誰もが簡単に病気の知識を得られるようになっている
世の中に出回る情報が患者をさらに混乱させる
人が人らしく生きられない世の中になってきた
心の病を治すためには正しい情報を得ることが必要
年齢・性別・職業によってうつ病の傾向は違う
第1章 【診断】うつ病と診断されても慌てない
一人の医師だけで正しい見立てをするのは困難
うつ病の初期は症状が体に現れる?
うつ病に精通した医師でさえも、うつ病かどうかを正確に診断するのは難しい
一人の医師の判断でうつ病と決めつけるのは早計、セカンドオピニオンも積極活用
新型うつ病を侮ってはいけない?
いい加減な人でもうつ病になる
第2章 【治療】いたずらに病気を長引かせない
3カ月の外来治療で治るかどうかが、うつ病治療の一つの目安
うつ病治療は外来治療が原則?
うつ病は入院して治療したほうが予後は良い
外来での治療は薬が中心になりがち
3カ月以上通院しても良くならない場合は入院したほうが良い
医師も患者も回復を評価する基準を持つことが大切
第3 【薬】薬依存・副作用の恐怖におびえないために知っておきたい
抗うつ薬と抗不安薬の真実
薬は必要だが絶対に必要なわけではない
侮ってはいけないプラシーボ効果
副作用を知れば薬は怖くない
こじれたうつ病は漢方薬だけでは治せない
抗うつ薬と抗不安薬は似て非なる薬
依存性のある薬でも内科や外科などでは普通に処方されている
第4章 【カウンセリング】肩書きだけで判断しない
心理療法は自分に合ったものを選ぶ
カウンセリングは「相談」とは違う
カウンセリングで悩みが100%解決するわけではない
自分の思いを伝えるにはカウンセラーとの相性も大事
心理療法は薬を使わないから安全とは限らない
認知行動療法は必ず効果が出るというものではない
うつ病治療成功のカギはスピリットへの働きかけにある!
自他尊重を目指すアサーショントレーニングはとても重要!
再発を防ぐには自分に適したセルフケアを持つこと
第5章 【習慣】良い生活習慣を身につけることがうつ回復への近道となる
心を前向きにしようと予定を詰め込み過ぎるのは逆効果
笑う習慣をつけると本当に幸せになれる
サプリメントやトクホに頼らず通常の食事を楽しんで
「睡眠は8時間取らなければ不眠症」は嘘
朝シャンがうつ病の回復を後押しする!
スマホ、ヘッドホン……生活の中で欠かせない機器との正しい付き合い方
生活習慣病の人はうつ病になりやすい
糖質を制限し過ぎると脳に悪影響が及ぶ
終 章 うつ病の克服には、自分と向き合うことが必要
あなたにとっての理想の医師とは
うつ病にはオーダーメイドの治療が必要
自分を信じれば自然治癒力も高まっていく
コロナ禍が教えてくれた自分との向き合い方
自分が幸せになることを決意する
ストレスケア病棟「なごみ」
おわりに