建設業界 DX革命

小柳 卓蔵[著]

2021.11.01

1650円(税込)

幻冬舎メディアコンサルティング

単行本

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書籍内容

保守的な建設業界に革命を起こせ!

地方の土木建設会社が、MR(複合現実)技術・ホロストラクション開発で
「建設DXの旗手」になるまでの軌跡――

このままでは自社だけでなく、業界も先がない……
日本の建設業界はきつい・汚い・危険という3K職場のイメージがあり、
労働者の減少が著しく、特に若者の就職希望者が減っている。
省人化・効率化を推し進め、魅力ある業界に変わるためにはDXが不可欠だ。

日本マイクロソフトと共同開発。
最新のテクノロジー・ホロストラクションでDXに成功した企業の挑戦の記録

建設業界はきつい・汚い・危険という3K職場のイメージから、若者の就職希望者が減り、
慢性的な人材不足が続いています。
人が足りなければ効率よく業務を進めなければいけませんが、
建設業界はいまだにアナログで非効率な職場のままです。
金融会社に勤務していた著者は家業の小柳建設株式会社に入社し、
デジタル化が進んでいた前職と比べてあまりにもアナログな職場に驚きます。
小柳建設だけでなく建設業界の将来性を危惧した著者は、
会社のIT化を進めていくことを決意し、
アメーバ経営やシステムのフルクラウド化を取り入れます。
2016年に日本マイクロソフトと共同で、
MR(複合現実)技術・ホロストラクションの開発を始めました。

本書ではアナログで非効率だった職場から「ホロストラクション」の誕生により
「建設DXの旗手」と称されるまでの小柳建設の軌跡を紹介します。

目次

はじめに

プロローグ

第1章 気合いだけの営業会議、ずさんな情報管理
――デジタル化が進まない建設業界に愕然
バブルが弾け、茨の道を歩み始めた家業
アナログでの管理が当たり前の環境に愕然
社内の嫌われ者へ
情報が共有されない不完全な組織
数字を使わない気合いだけの営業会議
ずさんな情報管理の実態
問題は社員ではなく業界と会社にある
父から受け継いだチャレンジ精神を発揮
社長1人で事業が回せる時代はもう終わり

第2章 まったく見えない「会社の数字」。
独自の月次決算の導入がDXの基礎となる
ヒントは稲盛和夫氏の言葉にあり
「アメーバ」という独立採算可能な小集団で全員参加型の経営へ
「時間当たり採算表」は建設業では無理?
アメーバ経営の導入を父である社長も認める
盛和塾に参加して分かったアメーバ経営の実態
稲盛さんと直接話して気づいた“フィロソフィ”の重要性
祖父の社是と京セラの経営理念を元に
アメーバ経営で出来高の概念を決め、会社は利益体質に
「例外を認めないルール」の適用でアメーバ経営導入を貫く
効果が出れば抵抗していた社員でも考えが変わる
不要な役職を廃止しながら、次世代のリーダーを育成する
導入して明らかになった、アメーバ経営とDXの親和性
公平な人事制度こそが革命の大前提

第3章 基幹システムのクラウド化へ。
DX革命の第一歩は「昨日までの自分たち」との闘い
父が体調を崩し、社長を継ぐことを決意
アメーバ経営を導入したからこそ見えた光明
既存の業務システムではもうデジタル化に対応できない
「社員をもっと楽にする」――基幹システムのフルクラウド化にチャレンジ
ISO 27000の取得が功を奏す
社内ポータルからすべてのシステムにアクセス可能に
BCPと「社員をもっと楽に」を念頭に置いた現場情報共有システムを開発
業務改善に終わりはない――
功労者に一歩引いてもらうことも必要
社内のフルクラウド化だけでは不十分

第4章 社員が現場に足を運ぶ手間やリスクを軽減したい
――現場のデジタライゼーションこそ、建設業界DX革命が目指す先
日本上陸前のテクノロジーに共感
ホロレンズとMRとは
ホロレンズこそ建設業界の切り札
誰もがベテラン技術者と対等に渡り合える技術
導入に必要なのはビジョン
社員の意見を取り入れホロレンズの使い方を模索
動き出したホロストラクション開発プロジェクト
マイクロソフトと信頼関係を構築
掲げたのは3つのコンセプト
実際のデータを使うことで課題が見えてくる
業務利用に向け、直観的に現場で使えるよう準備
外販することを前提にさまざまな検討を開始
ついにホロストラクションの試験運用を開始
日本にあるものだけを見ていてはダメ。社長主導で海外視察ツアーへ
エストニアの最先端な行政システムに驚く
マイクロソフト本社の建物に見た壮大さ
採用も目的に加えた海外視察で、外国人採用の難しさに直面
Chatworkを知って、社内のメール連絡を禁止
芽生えたのは若者への投資という意識
マイクロソフトの鬼才キップマンと意気投合

第5章 DXはあくまで「目的」ではなく「手段」。
ホロストラクションをはじめとしたDX化で建設業務はまだまだ改善できる
3社でホロストラクションのアルファ版トライアル運用を開始
「試作品」であるアルファ版を有償公開に
竹中工務店がホロストラクションを使いたかった理由
模型を運ぶ労力が大幅に軽減
普及を目指し“顧客とともに課題解決していく作戦”を採用
トライアル運用の成果を東京・青山で発表
利用者拡大を目指しながら、新デバイスにも対応
これからのホロストラクションをどうやって普及させていくか
DXを意識したことはないが、DXを進めてきたという功績
オープンイノベーションがDX実現の鍵
建設業界にとってこんなに面白い時代はない
小柳建設が「建設業」ではなくなる日
日本の中小企業が海外で活躍する時代へ

エピローグ

おわりに

著者:小柳 卓蔵

1981年新潟県生まれ。
金融会社に勤務していたが、祖父の代から続き父が経営する小柳建設に2008年に入社し、
管理部門、総務・人事部門などを担当。常務、専務を経て2014年6月社長に就任。
京セラ創業者である稲盛和夫氏の本『アメーバ経営』を読み、同氏の主宰する塾に参加、
同氏のフィロソフィを会社に浸透させて盤石な基礎を築き、
伝統を重んじる建設業界にあって、DXを推進。
2016年日本マイクロソフトと共同でMicrosoft HoloLensを活用し、
建設業における計画・工事・検査の効率化やアフターメンテナンスのトレーサビリティを可視化する「Holostruction」のプロジェクトをスタートさせた。

ネット書店

  • https://amzn.to/3f3Yc6Z

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