多様性(ダイバーシティ)が日本を変える
書籍内容
世界で存在感を示せなくなった日本にとって
再び国際社会で活躍するために必要な「真の多様性」とは?
日本で行われている建前ばかりの男女雇用機会均等やダイバーシティ経営は、
むしろ「やったつもり」になることで現実を見る目を曇らせてしまいます。
文化や歴史、習慣など世界との違いを学び、
受け入れるところから本当の多様性が身につきます。
そうすることで、「失われた30年」を脱し、
日本人がグローバル社会で活躍できるようになるのです。
かつて世界第1位の国際競争力を誇っていた日本は、バブル経済崩壊後、
低下の一途をたどり、革新的なものを生み出すこともほとんどできていません。
この30年で、パソコンとインターネットが結びつき、
巨大なコミュニケーション環境下で新たな価値観、文化が醸成されました。
しかし、日本は多様性や型破りを認めようとしない社会です。
「男女平等」「女性活躍推進」「ダイバーシティ経営」などが盛んに口にされていますが、
日本のジェンダー・ギャップ指数はランクを下げ、最新の調査で156カ国中120位でした。
この調子では、イノベーションは生まれません。
本書では、ブラジルで生まれ、アメリカの大学で数学を学び、
アフロアメリカンの女性と国際結婚、また重量物ダンボールの会社を世界各国で
大きく発展させてきた著者が、
教育、ビジネスにおいて現在の日本の問題点をあぶり出し、
今後、日本人が国際社会でどう活躍していくべきかを提案します。
目次
はじめに
第1章 なぜ世界で日本人は活躍できないのか
・さまざまなランキングで順位を下げる日本
・成功体験が捨てられず、過去の栄光にしがみつく
・「日本って結構いけてるんじゃないの」という強がり
・コロナ禍が見せてくれた日本の今
・一度ルールをつくると、それが変えられない
第2章 社会構造、偏見、教育制度……グローバル化を阻む日本特有の問題点
・教育現場も同質であることを奨励している
・学びたい人すべてを受け入れる教育体制をつくる
・日本での合弁会社経営で学ぶ
・「士農工商乞食ダンボール」!? 通産省のお役人が発した驚くべき言葉
・昔も今も、日本の常識は世界に通用しない
・そもそも会社は誰のもの? ひとり歩きする「ガバナンス」という言葉
・当時の経営陣はお飾り? キャッシュフローの見方も知らないとは!
・海外では非常識! 中小企業を追い詰める「手形決済」「個人連帯保証」
・「平社員が飛行機で来るとは、生意気だ!」 大事なのは効率ではなく序列
・「身内かよそ者か」がいちばん重要 とりあえず、なんでもタグ付け!
・結局、良し悪しの判断基準は「金があるか、ないか」だけ
・再び、一人で始める決断をした
第3章 欧米諸国から学ぶ、日本に必要な「真の多様性」
・「外国」とはどこの国のこと? 「外国人」とは誰のこと?
・中国進出を不安視する日本企業 出資を申し出てくれた世界の企業
・『毛沢東語録』と『論語』を読んで中国へ 異文化を学び、受け入れるのは楽しい
・名言「中国人の言葉は紙よりも重い」 その言葉を信じてみたら……
・「なぜ工場内に床屋があるの?」 素直だけれど、したたかな中国人
・「日本のやり方はこうだ」とは絶対に言わない “とことん現地主義”こそ
海外事業の鉄則
・配慮の欠如による失言で痛い失敗をしたドイツでのこと
・イギリス人が誇る医療制度に受けた感銘
第4章 世界のトップ企業が行う「ダイバーシティ経営」
多様な人材を集めれば、個人・組織が成長できる
・誰が会社に必要な人材か、第三者が判定する
・採用の決め手はたったの3つ 「華やかな履歴書」も大歓迎!
・社員の解雇に心を痛めなくなった理由
・日本では考えられない、奇人・変人大歓迎という発想
・仕事しか頭にない経営者を脱すること
・自分に無関係な人間など一人もいない
第5章 日本を愛せば多様性への理解はさらに深まる――
グローバル社会で“日本人の強み”を活かせ
・自分を知ることが相手への敬意につながる
・「クールジャパン」で満足していていいのか?
・「お座敷は日本文化の縮図」 外国人初の芸者・紗幸さんが教えてくれた
本当の日本の美しさ
・「外国人には分からない」というのは負け惜しみ
・受け継ぐ者は「その文化をいかに愛しているか」を基準にすればいい
第6章 「真の多様性」を受け入れて、世界をリードする国となれ
・「これが絶対!」は存在しない 科学的思考をしよう
・妬み嫉みからは成長も創造も生まれないことに気づく
・失敗して「よかったね!」と言えるようになる
・多様な社会に欠かせない「憲法」について常に議論する
・日本が『なくてはならない国』になるためには? 私の医療立国論
特別対談1 坂東眞理子×鈴木雄二
危機のなかにある日本――居心地の良さを脱することから
・緊急時でも「強制ができない」それが日本の限界
・ぬるま湯に浸かり過ぎて、“茹でガエル”化する日本
・挑戦しなければなにも始まらない
・「ありのまま」「自分らしく」で逃げていない? いくつになっても成長し続ける
人間であってほしい
・自分自身が確固とした価値観をもつことが大切
特別対談2 広中平祐×鈴木雄二
間違えない人間はいない。その経験が人を新たなスタート台に立たせる
・特異点解消は、つまりダンボールにすること
・ピアノも数学も……。「これだ!」と思ったら、のめり込む
・一度、失敗した人間のほうがいい、という発想は日本にはない
・モビリティに富んだ社会をつくる
おわりに