中堅・中小企業のM&Aを成功に導くByside FA

川畑 勇人[著]

2023.12.04

1760円(税込)

幻冬舎

単行本

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書籍内容

買い手が見つからないM&A事業者を救う
業界初の買い手のプラットフォームとは

仲介会社、売り手、買い手
すべてにメリットをもたらす「買いFA」を徹底解説!

近年、空前のM&Aブームが訪れています。
背景には、中堅・中小企業の後継者不在問題があり、
M&Aによってその問題を解消しようという動きが活発化しているのです。
しかし、その裏には深刻な問題が潜んでいると著者は言います。
後継者不在による事業承継ニーズは年々高まっていますから、M&A事業者にとって、
売り手候補は見つけやすくなってきました。
一方、その売り手にマッチする買い手を見つけることがなかなかできず、
案件をいくつも抱え込んでしまっているM&A事業者が増えているのです。
売り手候補が多数あるものの、その企業がもつ潜在的な価値がすぐに分かる
会社ばかりではないため、売り手にふさわしい買い手を見つけるのは困難を極めます。
実は、一見すると価値が分かりにくい会社であっても、
買い手の経営戦略や事業戦略によっては価値を見いだせるケースもあるのですが、
買い手に対しての理解を深め、事業成長の可能性を提案できるM&A事業者は
多くないというのです。

これはM&A事業者にとって不幸であるのはもちろんですが、
売り手企業にとっても、実際は価値があるにもかかわらず
買い手が見つからないのであれば不幸なことです。また買い手企業にとっても、
実は事業を成長させるチャンスになるマッチングがいくつも存在するはずなのに、
それを見過ごしてしまっていることになります。
この不幸を解消するために著者が推し進めているのが「買いFA」の活用です。

FA(ファイナンシャル・アドバイザー)とは、
従来は大手企業のM&Aディールでのみ用いられていたもので、
売り手・買い手のどちらか一方とアドバイザリー契約を結んで、
依頼者の利益を最大化するために助言や代理交渉を行うアドバイザーです。
一方、中堅・中小企業M&Aにおいては「仲介会社」が売り手・買い手の両者と契約を結び、
その間に立って売買をとりまとめる方法が一般的でした。
しかし、売り手を多く抱えているM&A事業者が増えている現状においては、
買い手との交渉を専門に行うFAを活用することがアンバランスを解消するカギに
なるというのが著者の考えです。

著者は2014年に業界最大手のM&A仲介会社に入社後、
一貫して買い手部門で買い手候補企業との交渉にあたってきました。
入社から2年半後には全社トップの営業成績を上げMVP表彰を受けています。
6年目からは買い手部門の部長となり、部門全体として年間100件程度の成約、
売上にして30億円を達成していました。
そんななか、それまでに培った買い手との交渉ノウハウを活かし、
従来は大手を対象としていたFA方式を中堅・中小企業M&Aのディール向けに
最適化して応用することを考え起業しました。
そして中堅・中小企業M&A専門の「買いFA」として、
進展しないディールに悩むM&A仲介会社やM&Aアドバイザー、
さらには買い手企業を支援する事業をスタートさせたのです。

本書では、著者自身が受けた案件の実例をもとに〝買いFAのリアル〟を紹介します。
M&Aに関わる人たちにとって、買いFAへの理解を広げ、悩み解消の一助となる一冊です。

目次

はじめに

中堅・中小企業の後継者不在問題を背景として、近年、M&A事業者が増えています。

中小企業庁のデータによると、M&A支援データベースに登録されているM&A事業者は法人・個人を合わせて3117件に上ります(2023年3月17日時点)。私がこの業界に入った2014年と比べて10倍以上に増加しており、空前のM&Aブームが訪れているといっても過言ではありません。しかし、その裏には深刻な問題が潜んでいます。

後継者不在による事業承継ニーズは年々高まっていますから、M&A事業者にとって、売り手企業を見つけやすくなってきました。一方、その売り手にマッチする買い手を見つけることがなかなかできず、案件をいくつも抱え込んでしまっている業者が増えています。売り手候補が多数あるものの、その企業のもつ潜在的な価値がすぐに分かる会社ばかりではないため、売り手にふさわしい買い手を見つけるのは困難を極めます。実は、一見すると価値が分かりにくい会社であっても、買い手の経営戦略や事業戦略によっては価値を見いだせるケースもあるのですが、買い手に対しての理解を深め、事業成長の可能性を提案できるM&A事業者は多くありません。これは、M&A事業者にとって不幸な状態であるばかりでなく、売り手企業にとっても大きな不幸です。また、買い手企業にとっても、M&A事業者から見当違いな売り手候補ばかりもち込まれていると、無駄な検討を重ねなければならず、やはりメリットはありません。

この不幸を解消するために、本書で提唱するのが「買いFA」の活用です。

FA(ファイナンシャル・アドバイザー)とは、買い手もしくは売り手のどちらか一方とアドバイザリー契約を結んで、依頼者の利益を大きくするために助言や代理交渉を行うアドバイザーです。従来は大手企業のM&Aディールでのみ用いられていたもので、事業承継目的での中堅・中小企業M&Aにおいては「仲介会社」が売り手・買い手の両者と契約を結び、その間に立って売買を取りまとめる仲介方式が一般的でした。しかし、売り手と買い手の間に隔たりが生じている現状においては、買い手との交渉を専門に行うFAの活用が問題解消のカギとなります。

私は2014年に業界大手のM&A仲介会社に入社後、一貫して買い手部門で買い手候補企業の発掘と交渉にあたってきました。入社から2年半後には全社トップの営業成績を上げMVP表彰を受けています。6年目からは買い手部門の部長となり、部門全体として年間100件程度の成約、売上にして30億円を達成していました。

そんななか、それまでに培った買い手発掘や買い手との交渉ノウハウを活かし、従来は大手を対象としていたFA方式を中堅・中小企業M&Aのディール向けに最適化して応用することを考えました。そして中堅・中小企業M&A専門の「買いFA」として、進展しないディールに悩むM&A仲介会社やM&Aアドバイザー、さらには買い手企業を支援する事業をスタートさせたのです。

私は買いFAの事業を始めてまだ1年ほどですが、すでに多くのM&A仲介会社、M&Aアドバイザーからのコンタクトをいただき、成約までたどり着いたディールも数多く生まれています。本書では、それらの実例をもとに“買いFAのリアル”を紹介しています。本書を通じて買いFAへの理解が広がることで、M&Aに関わる人たち、譲り受けたくなる案件が提案されない買い手企業の悩みが解消され、M&A市場がさらに活性化していくことを願ってやみません。

著者:川畑 勇人

1984年生まれ、鹿児島県奄美大島出身。
2008年、早稲田大学第一文学部を卒業後、株式会社キーエンスに入社。同期200人、営業部員2000人のなかで常にトップの座を維持し2014年、責任者の内示が出るのに伴い同社退社。同年、株式会社日本M&Aセンター入社。2019年、買い手事業部の部長職に就任。2021年、株式会社日本PMIコンサルティング取締役就任。翌年、Byside株式会社設立、代表取締役に就任。中堅・中小企業がM&Aの選択肢を自由に選べる時代(M&A3.0時代)を見据え、買いFAを提唱。M&A仲介会社、売り手企業、買い手企業、すべてにメリットをもたらすサービスを開発している。

ネット書店

  • https://amzn.to/3f3Yc6Z

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