社会をあるべき姿へ変えていく ソーシャルデザイナーの仕事術

地子 徳幸[著]

2023.11.17

1650円(税込)

幻冬舎

単行本

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書籍内容

人口減少、地域産業の衰退、過疎化……
社会問題を解決する仕事人!

日本が抱える社会課題をクリエイティブに解決する
ソーシャルデザイナーの仕事を5つの事例で分かりやすく解説!

戦後の高度経済成長期を経てGDP世界第2位の座に長く君臨した日本は、
1990年代初頭のバブル崩壊以降、「失われた30年」の暗闇を歩んできました。
長引く低迷からの脱却を目指すものの、人口減少や少子高齢化、
国内市場の縮小に苦しめられ、このまま復活の兆しを見いだせず
「失われた40年」を迎えることも十分にあり得ます。

著者は、このバブル崩壊から続く低迷の原因の一つは、高度経済成長期の
ビジネスモデルに則った「組織の構造」にあるといいます。日本の組織の多くは、
業務内容に合わせて細分化された部門・部署が独立して機能する「縦割り型」の構造です。
この構造は業務に精通した人材が集まり、生産性を高めるうえでは有効なため、
大量生産・大量消費を良しとした好景気の時代であれば大きな成果に結び付きました。
しかし一方では、業務の効率化・収益化を追求するあまり、各部署間での連携不足で
スムーズな対応ができず、組織構造が壁となって物事が進まないという弱点もあります。
その結果、社会情勢や経済の変化が目まぐるしい現在の日本ではうまく機能せず、
市場の停滞を招く要因ともなっているのです。

著者はソーシャルデザインの視点で自治体や企業に提案を行うコンサルティング会社の
経営者です。以前は地方自治体に施策の提案を行う際、たとえいいアイデアがあっても、
自治体の縦割り型の組織構造のために効果を発揮できないことがあり、
問題意識を抱いていたといいます。連携不足のため重複する取り組みが行われたり、
各部署における責任の所在が明確になっていなかったりするなどして、
無駄が多く発生していたのです。

そこで著者が新たに見いだしたのが、ソーシャルデザインの考え方を取り入れ、
コンサルティングに活かしていく手法でした。
ソーシャルデザインは、社会課題の解決を目的として制度やインフラなど
さまざまな要素を設計、調整することであり、横断的な発想と連携を重視するところに
特長があります。例えば、スマートシティ構想が進むデンマークのコペンハーゲンでは、
市や地元の民間企業、研究機関などが連携し、データ活用やインフラ整備を推進しながら
都市全体の効率性の向上を実現しています。著者はその考え方に触れ、
大きな刺激を受けたのです。

それ以来著者は地方自治体の首長に対し、ソーシャルデザインの考え方で改善案や
課題の解決策を直接提案してきました。
著者が各地の自治体に提案してきた災害に強い街づくりや女性が活躍できる街づくり
などの施策は、実際に数多く採択されています。
著者はこのソーシャルデザインの考え方が広く受け入れられていくことが、
企業の成長や日本社会全体の活性化、ひいては縦割り型構造で凝り固まった日本を
復活させる鍵になると考えています。

本書では、社会課題の解決にあたるソーシャルデザインについて紹介し、
事例を挙げて分かりやすく説明したうえで、その視点や考え方が企業経営に
いかに有効であるかを解説します。
課題に対し目先の解決に追われるのではなく、本質をとらえて新たな価値を生み出す
ソーシャルデザインの考え方は、経営者やビジネスパーソンにとって、
ビジネスを成長させていくためのヒントとなるはずです。

著者:地子 徳幸

1968年2月23日生まれ。1990年に富山大学経済学部を卒業後、株式会社インテック入社。営業、企画室、社長秘書、富山経済同友会事務局を務める。2002年に同社出資会社である株式会社ネプリ代表取締役社長に就任。2004年、イーソリューションズ株式会社に入社し、2007年、副社長に就任。2020年、AKIA株式会社(Ashita-mo Kitto likoto Aru) を設立。これまでは上流でプロジェクトのプランニングを行うことが主だったが、 自身で直接提案・営業を行い、プロジェクトが形になるまで見届けたいとの思いからAKIAを立ち上げた。2022年からは一般社団法人カーボンニュートラル総合研究所代表理事も務める。

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