「人材が定着する会社」の社長が実践していること38

木村辰幸[著]

2023.03.01

990円(税込)

幻冬舎

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書籍内容

社員をつなぎ止めなければ中小企業は生き残れない!

社員に「この会社で働きたい」と思ってもらうために
社長が実践すべきこととは――

 苦労して採用した人材が定着せず、すぐに辞めてしまう。あるいは長年にわたって活躍し、
将来は幹部になってくれると期待をかけていた社員が、あっさりと転職してしまう。
多くの中小企業経営者が、人材が定着しないという問題に頭を痛めています。
 大企業であれば全社員の給与額を一律に引き上げたり、週休3日制を導入したりするなどの
 施策を打ち出せますが、資金力に余裕のある中小企業はほとんどないため、
給与額をアップするのは極めて困難です。
また、少ない人数で日々の業務をこなすのに精いっぱいのなかで、
休みを増やすなど勤務体制を変えるのも現実的ではありません。
大企業のような待遇改善策を導入するのは難しい――
しかし、何らかの策を講じなければ人材流出のスパイラルから抜け出すことはできず、
業績悪化は必然です。
では、中小企業が人材を定着させるのは不可能かというとそうではなく、
待遇を改善しなくても社員をつなぎ止め、自社を成長軌道に乗せることは
十分に可能だというのが著者の主張です。
著者は社会保険労務士として、1997年の開業以来、中小企業を中心に
280社以上の企業の顧問を務めてきました。さらには自身の顧問先のみならず、
東京都社会保険労務士会多摩統括支部の支部長としての活動を通して、
多くの経営者と会ってきました。これまでに対面し、人材に関する相談を受けた
ことのある経営者の数は、1000人以上に達しています。
25年の経験をふまえて著者は、人材の定着に際し中小企業には中小企業なりの
やり方があるといいます。
そもそも大企業は規模が大きく、経営層と社員との接点がほとんどありません。
そこで人材の定着を図るためには給与体系や勤務体制などの制度を変えることで
経営者の意図を社員に伝える必要があります。
しかし、規模が小さい中小企業ではやるべき施策が異なります。
企業の規模が小さいということは経営においてデメリットのようにとらえられがち
ですが、人材定着に関して言えばむしろメリットになるというのです。
中小企業では経営者と社員の距離が近いため、社員は直接経営者から会社の目標や
理念を共有できますし、業務に対するフィードバックも細かく行うことができます。 手を打つことができます。 こうした日々のやりとりのなかで社員が社長を信頼し、
なおかつ密接な関係が構築できていると実感できれば、社員は間違いなく
定着するというのが著者の考えです。
 本書では、中小企業経営者が社員に対してどのように行動し、接すればよいかを具体的に紹介し
そのうえで組織づくり、仕組みづくりの施策についても解説しています。
この本で紹介する一つひとつを丁寧に実践していけば、結果的に経営者自身も会社も
変わり、 社員が「この会社で働きたい」と思うようになるのです。
人材を定着させたい中小企業経営者にとって必読の一冊です。

目次

はじめに

第1章 人材確保が困難を極める中小企業
社員をつなぎ止められない企業が直面するのは倒産の危機
コロナ禍で経営危機に陥る企業が増加
日本の人手不足は、今後さらに進む
給与額や休暇を増やすことで人材定着を目指す大企業
賃金アップでは人はつなぎ止められない
中小企業従業員の退職理由は「人」だった
中小企業は「社員との距離の近さ」を活かすべし
人材流出が止まらない会社は危機に陥る
これからの企業は労働者と二人三脚で健全に成長すべし
企業にとって競争力の源は「人」
「じんざい」には4つのタイプがある

第2章「人材が定着する会社」の社長が実践していること13
〈セルフマネジメント編〉社長の意識と行動次第で会社は変わる
苦しくても絶対にルール違反をしない
経営者としての魅力を追求し、人間性を磨く
適材適所を実現するため、常にアンテナを張る
苦しいときにこそ部下をかばう
社長室に閉じこもらず現場に出る
部下の目線に立ってものごとを考える
「忙しいオーラ」は絶対に出さない
感情的に接するのではなく、部下を信頼する
趣味をもって「脱・仕事人間」を目指す
部下への感謝を忘れない
教え込むのではなく、導く
本をたくさん読む
社外の人脈で人間の幅を広げる

第3章「 人材が定着する会社」の社長が実践していること6
〈 組織づくり編〉 社員が「ここで働きたい」と思う会社をつくる
成長する企業に共通する雰囲気をつくる
賃金だけではない「 働きがい」 を提供する
成果主義より「 休みが取れる職場」 にする
総務を「 公の心を結びつける」 部署として機能させる
「 経営層候補者」 に総務を経験させる
優秀な総務担当者を育てる3つの心得

第4章 「人材が定着する会社」の社長が実践していること9
〈仕組みづくり編〉社員の働くモチベーションを高める
手当などを導入して社員のやる気を引き出す
ポジティブな評価方式を工夫せよ
「時代遅れの手当 を再検討せよ
社内の「人口ピラミッド」を適正に保つ
「SDGs」を意識した経営で社員の達成感を満たす
他企業と人材を融通し合って人余り・人手不足を解消する
外国人向けのマニュアルを整備して人材定着をもたらす
留学生をメンターにしてモチベーションをフォロー
病気になっても安心して在籍できる仕組みをつくる

第5章 「人材が定着する会社」の社長が実践していること10
〈リスクマネジメント編〉社員のトラブルは早期に防ぐ!
「ブラック企業」のレッテルを貼られないよう対策を講じる
できるだけ早い時期に異変に気づいて労働紛争を防ぐ
社員とのトラブルの傾向を分析する
ハラスメントの基礎知識を学ぶ
ハラスメントを防ぐ仕組みを用意する

【実践編】
従業員から突然、 パワハラの訴えが届いた
従業員が突然出社しなくなったら
「退職代行業者」 経由の退職届への対処法
「振替休日」 と「代休」の扱いを誤らない
やむを得ず部門を閉鎖する際の対応

おわりに

著者:木村辰幸

社会保険労務士法人木村事務所代表。特定社会保険労務士。東京都社会保険労務士会副会長、東京都社会保険労務士会多摩統括支部統括支部長。早稲田大学社会科学部卒業後、一般企業で約8年間防衛関連の開発に関わる営業に従事。平成9年4月、東京都立川市に木村社会保険労務士事務所として開業登録。現在顧問先は280社にのぼる。 平成21年早稲田大学大学院法学研究科卒業(法学修士)、財政の裏づけをもった社会保障制度について専門性を高める。人事制度改定支援、就業規則等諸規程作成、人事労務相談顧問、給与計算代行、退職金制度見直しから、各種助成金申請、年金の相談・手続き、マイナンバー制度についてのセミナー講師など、労務に関する幅広い業務を請け負う。『人と企業のパートナー』として、経営者と従業員双方の視点に立った人間味のあるコンサルテーションを実践している。

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