改訂版 AI時代のビジネスを支える「データセンター」読本 

IT

杉浦日出夫[著]

2023.03.14

990円(税込)

幻冬舎

新書

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書籍内容

クラウド、スマートデバイス、ビッグデータ、AI(人工知能)、IoT、フィンテック……
進化するITは「データセンター」なしではありえない!

デジタルトランスフォーメーションが本格化するなか、
データセンターが果たす役割、抱える課題、未来像とは――

ITの世界には毎年のように新しい概念やテクノロジー、サービスが登場し、
絶えず進化を続けています。その進化により社会もまた、大きく変化しています。
それらを支えるためには〝ある施設〟が欠かせないのですが、その施設は
なかなか話題に上ることがありません。
実はその重要な施設こそ、本書のテーマである「データセンター」です。
IT社会のインフラともいえるデータセンターですが、その知名度は
電気、ガス、水道、電話、鉄道などほかの社会インフラと比較すると圧倒的に低く、
IT業界で働く人を除けば、「データセンター」の存在自体を知らない人もいると思います。
データセンターのITインフラが使えなくなると、Twitterでつぶやくことも、
LINEで連絡を取り合うことも、FacebookやInstagramに投稿することもできなくなります。
銀行のATMもSuicaなどの交通系ICカードも使えなくなります。
ECサイトで商品を売買することもできません。
もちろん、企業の活動にも大きな影響が出ます。電子メールが使えなくなるので
連絡業務を電話やFAXや郵便で行わなくてはなりません。
銀行、製造業、医療、サービス業など、ありとあらゆる企業のシステムが停止してしまい、
ビジネスが大混乱となるばかりか、想像もつかない損失が発生します。
AIやIoTなどがビジネスや生活に不可欠となっていくこれからの時代は、
ますますデータセンターが重要になります。データセンターなくしてビジネスの遂行も
快適な社会生活を送ることも不可能になるといっても過言ではないのです。
このようにますます重要になるデータセンターについて、その基礎から将来性、
今後の課題などを網羅した入門書が本書です。
著者は「データセンターコンサルタント」として日米で20年以上の実績を有し、
データセンターの設計、構築、運用をサポートしてきた第一人者です。
データセンターを理解することは、これからのITと社会のあり方を理解することであり、
さらには新しいビジネスチャンスにもつながります。
これからのビジネス、社会を考えるうえで必要な、さまざまな知識とヒントが
詰まった一冊です。

目次

はじめに

第1章 スマホ、仮想通貨、AI、ディープラーニング……
目まぐるしいIT業界の技術革新
「夢」だったことを次々に実現 私たちの生活を激変させたIT
「1年半で2倍」の法則に則ってきたコンピューターの進化
25年前と現在のコンピューターの違い
身近になったコンピューター
コンピューターが身近になるとデータ量が増える
便利になるとさらに大量のデータが必要となる
データ量はどのぐらい増えたのか、そして今後の予測は?
コンピューターの数も増え続ける
進化するデータセンターが解決する

第2章 IT社会になくてはならない「データセンター」
改めて「データセンター」とは?
「データセンター」という言葉は1990年代から
データセンターが2000年から急速に増えた理由とは?
昔のコンピューターセンターとの大きな違い
オープンネットワーク技術がデータセンターを生んだ
仮想化技術の進展がデータセンターの普及に拍車をかけた
クラウドがデータセンターのあり方を変えた
データセンターの信頼性を示す「ティア」とは?
日本独自のティアが確立
可用性とは?
可用性を高めるためには冗長性がカギ
100%の可用性はあり得ない
データセンターの温度や湿度の基準
電力使用効率に関する標準
設計に関する標準化の動き
データセンターの立地条件
従来型データセンタービジネス
データセンタービジネスの変化――クラウド型データセンターの登場
エンタープライズデータセンター
クラウド事業者について
データセンターのラック
データセンターを借りる際の検討
データセンターのライフサイクル
データセンタービジネスのプレイヤー
データセンターのユーザー企業
私たちは無意識にデータセンターを利用している

第3章 建物、IT機器、運用システム……「データセンター」の構造とは
データセンターの四大要素
データセンターはどのような建物なのか?
床が二重床で強固なコンクリート
天井が高い
壁は防火壁、消火はガスで
地震対策も万全に
セキュリティの基本は入らせない・出させない
場所を分かりにくくしている
柵、植栽、監視カメラ、警備員で抑止効果
何重もの本人認証によるセキュリティ
データセンターは迷路のような施設
データセンターの電気設備には最大限の可用性が求められる
電源は二系統から取られている
非常用発電機も完備
UPS(無停電電源装置)の二つの役割
空調設備が重要な理由
20kwを超える対策を講じなければいけない時代が目の前に
データセンターの空調方式
空調効率を高めるアイルコンテインメント
通信設備まではデータセンターの責任、IT機器はユーザーの責任
通信設備の重要拠点MDF室
高速通信用のケーブル接続
ラックマウント型サーバー
データセンターのストレージ
ネットワークスイッチ
AI(人工知能)による影響と変化
進むメーカー統合とノンブランド化

第4章 デジタルトランスフォーメーションが本格化
「データセンター」が抱える課題
データセンターの変革が求められている
デジタルトランスフォーメーションが本格化する
AIでは膨大なデータが必要になる
AIによるコンピューティングの変化
IoTでも大量のデータが発生する
ビッグデータとは?
問われるデータセンターの能力
電力消費量の増大で冷却が不可能になることも
データセンターで進む老朽化
IoTに対応するためのエッジコンピューティングとは?
データセンターに課せられた課題

第5章 AI時代を見据えて──「データセンター」の未来像
10年後どころか5年後も分からない
これからのデータセンターが解決すべき三つの課題
いくつかの新しい冷却技術
ダイレクトチップ冷却
アクティブ型リアドア熱交換器
サーバーごと液体に浸す冷却方式がある
液浸冷却の仕組み
冷却システムの選択の仕方
データセンターに求められる省電力
省エネ効果が高い液浸方式
モジュール化で小型データセンターを素早く展開
ハイパースケールデータセンターとは?
海外事業者の日本進出
タイプ別に見た日本のデータセンターの方向性
大規模データセンター
エンタープライズデータセンター
地域データセンター
エッジデータセンター
必ずしも堅牢なデータセンターばかりでなくてよい
分散することでコストメリットも信頼性も
データセンターの小型化では冷却方式の課題解決が必須
データセンターでの技術革新に向かって
創造する未来の「基地」
ムーンショット計画とは
今の技術に固執せず常に進化を

おわりに

著者:杉浦日出夫

1974年東京生まれ。カナダ留学から帰国後、通信設備工事会社にて外資系金融・証券会社のデータセンター構築に従事。2000年からアメリカのモルガン・スタンレー証券でストラクチャードケーブリングの設計・管理を担当する。在職中にアメリカ同時多発テロ事件に遭ったことで、データセンターの重要性を実感。2006年に株式会社RSIを設立。データセンターの設計、プロジェクトマネジメント、運用体制のコンサルティングなど、データセンターに関するあらゆる業務に従事。データセンターをテーマとする研修の講師なども務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

ネット書店

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