知られざる日本漢方のチカラ

菅原健[著]

2023.02.21

990円(税込)

幻冬舎

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書籍内容

「漢方は効かない」は大きな誤解!
日本人にあった漢方を処方すれば
難病も慢性疾患も改善する!

1万3000人以上の患者を救った名医が解説する
日本漢方の真の実力とは

「漢方」と聞いて思い浮かぶイメージは人それぞれです。「体に優しい」と好印象をもつ人がいる一方、
「すぐ効く気がしない」「どこにどう効くのか、よく分からない」
そんなふうに思っている人も少なくないはずです。

 本書の著者は、約20年前に日本漢方と出合い大学病院で漢方外来を担当後、
クリニックを開業してからの約10年で1万3000人以上の慢性疾患や難病に苦しむ患者を
日本漢方で治癒・改善に導いてきました。そんな著者曰く、
今、日本で行われている漢方治療はかつて行われていた本来の漢方治療とは大きく異なるといいます。
漢方には大きく分けて二つの流れがあります。
一つは中国で成立した理論体系重視の「中医学」に基づく治療、
もう一つはその中医学成立以前の古代中国医学をルーツとしつつも江戸時代までの
日本で独自に発展を遂げた「日本漢方」に基づく治療です。
日本漢方の大きな特徴は実践重視の処方運用であり、その考え方の基になっているのが
「六病位」です。
病気の進行段階によって処方を適切に変えてゆく考え方で、これにより
アトピー、リウマチ、認知症、がんといった慢性疾患や未知の難病を改善に導くことが
容易になるというのが著者の主張です。
しかし、日本漢方は明治時代に西洋医学が重用され医学として認められなくなるなどの
弾圧を受けた経緯もあり、今の日本では日本漢方を熟知し実際の診療に用いている専門家は
ほとんどいないのです。

そこで、たくさんの効果が期待できる「日本漢方」をもっと多くの人に、
「日本人による日本人のための、日本人に効く漢方」があることを知ってもらうべく
執筆されたのが本書です。
日本漢方(和漢)とは何かを中医学や西洋医学との考え方の違いもふまえてひもときつつ、
著者のクリニックでの例を紹介しながら診断や治療の特色を伝えています。
漢方に少しでも興味をもっている人、漢方を自身や身近な人の病気の治療に役立てたいと
考えている人に役立つ一冊です。

目次

はじめに

第1章 即効性がない、体質改善するだけ、あくまで治療の補完的役割
誤った処方が「漢方」のイメージを低下させている
・漢方は「西洋医学の補助」ではない
・正しい治し方を知らないから治せない
・問診だけで処方がそもそもの間違い
・表立った症状しか見ないから、正しく治せない
・漢方は中国の医学ではない

第2章 漢方の成り立ちと独自に発達した日本漢方の特徴とは
・日本の漢方の歴史
・西洋医学との違い
・患部にとらわれず、全身を診て原因を特定
・重症肺炎が3日で治癒へ。新型コロナにみる西洋医学との違い
・たった一つの理論で、万病を診ることができる
・急性疾患にもよく効く・西洋医学で手づまりになった慢性疾患も根治が目指せる
・中国4千年の歴史に疑問符
・現代の医者に最も多い「マニュアル漢方医」
・日本の漢方は攻めの治療
・日本の漢方の基本知識
・気血水とは
・患者の体力、虚実
・病気の表れ方、寒熱
・中医学にはない疝(せん)の概念
・病気の位置、位どり

第3章 原因究明が治療の第一歩
病気の源を解明する日本漢方4つの診断法
・日本の漢方の診察法である四診とは
・〈望(ぼう)診(しん)〉
・〈脈(みゃく)診(しん)〉
・〈腹(ふく)診(しん)〉
・胸(きょう)脇(きょう)苦(く)満(まん)
・心下支結(しんかしけつ)
・胸脇満微結(きょうきょうまんびけつ)
・心下痞硬(しんかひこう)
・〈舌(ぜつ)診(しん)〉

第4章 病気の進行を六段階に分けて治療する
日本漢方特有の「六病位」の考えとは
・六病位は病邪を退治し治癒へと導く虎の巻
・戦況は、刻一刻と変わっていくもの
・陽病=軽症、陰病=重症とは限らない
・同じ病名でも、敵の居場所が違えば病態が変わる
・六病位の典型的な症状
・〈太陽病位〉
・〈少陽病位〉
・〈陽明病位〉
・〈太陰病位〉
・〈少陰病位〉
・〈厥(けっ)陰(ちん)病位〉
・敵の居場所を探せないと誤治に
・基本は奥から。陰証は陽証へ向かわせる
・陽病は先表後裏。陽証は熱を捨てて陰証に近づける
・治療の基本は、発汗、吐、下
・処方の早分かり「定症」を活用
・六病位の考え方に基づく治療の実際
・精神疾患も日本の漢方が奏効
・うつ傾向から不登校に至った子どもの治療
・発達障害と思われるケースへの、漢方の試み
・落ちつきのない子どもの治療

第5章 日本の漢方が難治性・慢性疾患の患者を救う
・西洋薬との併用の考え方
・漢方薬は食後でも効果に変わりはない
・副作用か、好転反応か
・疾患によっては西洋医学のほうが早いことも
・治療の前に食養生!
・日本の漢方は先進的な医学
・漢方の再評価と問題
・日本の漢方が日本を救う

おわりに

著者:菅原健

1997年山梨医科大学医学部医学科を卒業、その後同大学麻酔科に入局。
山梨大学医学部附属病院、山梨県立中央病院、青梅市立総合病院などさまざまな病院で勤務をし、
開業前の約8年間は同大学病院の漢方外来担当として漢方薬治療に従事する。
2011年には漢方治療や麻酔治療に対応した健友堂クリニックを開業。
同時に山梨大学医学部非常勤講師となり漢方医学の教鞭を執り続けている。
2019年日本東洋医学会奨励賞受賞。2022年からは健康科学大学特任教授も兼任。
著書に漢方専門書の「有持桂里方輿輗解説」、「校正方輿輗解説講義(婦人門)」。
校正方輿輗解説講義は「月刊漢方療法」に連載中

ネット書店

  • https://amzn.to/3f3Yc6Z

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