賃貸仲介・管理業一筋50年 必勝の経営道

加治佐 健二[著]

2022.08.01

1650円(税込)

幻冬舎

単行本

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書籍内容

1972年、7月――
儲からないと言われていた
「賃貸仲介業」にあえて挑戦した

東海地方初「賃貸住宅情報誌」の創刊、
日本初のiモード対応デジタル間取図――
顧客のニーズに合わせて、次々と最先端のサービスを打ち出す。
東海圏随一の賃貸不動産会社の成功から学ぶ、「必勝の経営道」とは


今でこそ、インターネットの賃貸住宅情報サービスを使って
全国のほとんどどんな物件でも簡単に情報を見ることができるようになりました。
しかし50年前の賃貸住宅情報は不動産屋の窓ガラスに張り出された物件広告または、新聞の広告欄に載る三行広告のみで、
誰もが簡単に知ることができるものではありませんでした。
そんな時代に、著者が今代表を務める賃貸仲介業の会社は1972年に名古屋で産声を上げました。

著者はメーカーから転職して1976年に28歳で営業職として入社し、充実した日々を送っていました。
その矢先、突然社長と常務から呼び出され「東海エリア初の賃貸住宅情報誌の創刊」を命じられたのです。
そして右も左も分からないまま雑誌の創刊に向けて奔走し、
1977年7月1日に日本で3番目、東海エリアでは第1号となる「アパートニュース」をなんとか創刊するに至りました。
その後、携帯電話からアクセスできるウェブサイトの立ち上げやオンライン商談、バーチャル内見など、
業界の常識を覆す取り組みで、東海圏随一の不動産会社まで成長することができました。

本書は著者のこれまでの50年を振り返り賃貸住宅仲介業界の変遷をたどっていきながら、
賃貸仲介業でなぜ入居者から高い顧客満足度を得続けているのかその理由を紹介します。
目まぐるしく変わる時代のなかで会社が生き残っていくためのヒントが得られる一冊です。

目次

はじめに

第1章
「賃貸仲介業は儲からない」を覆せ!
不動産業界の常識に挑んだ日――
「部屋を貸したいオーナー」と「借りたい顧客」をつなぐ賃貸仲介業
なぜ「賃貸仲介業は儲からない」と言われてきたのか
敗戦から立ち上がり復興を目指す気運のなかで人々は未来を夢見た
東京オリンピック開催に向けた近代化・開発ラッシュ
1960年代半ばの名古屋は開発途上の街だった
「ついでの事業」だった賃貸仲介業で勝負!
不動産営業は競争社会 スピードと土地勘が命
春は賃貸仲介業の繁忙期 仕事量は普段の倍になる
突然の本社異動 賃貸住宅情報誌の出版の命が下る

第2章
東海地方初の「賃貸住宅情報誌」に着手
奇跡の創刊から4万部を売り上げる大ヒットへ
雑誌はどうやって作られ店頭に並ぶのか――白紙からのスタート
どこに行っても断られ……孤軍奮闘は続く
運命が好転した編集プロダクションとの出会い
物件台帳の改良という予想外の大仕事に苦戦
販売店と取次へのルートを開拓
誌名とロゴは「分かりやすさ」で勝負
難攻不落の取次業者から「取扱いOK」の知らせ
全社員で喜び合った1977年6月30日
創刊誌の反響は発売翌日に来た
「住まい探しのガイド誌」として大切にした7つの誓約
創刊5号目で続行が決定
初めてのテレビ広告で知名度アップを図る
地下街の書店は初春号より売り切れが続出
待望の名鉄沿線売店での販売が実現
管理事業の部門設置の重要性
賃貸管理業の成長とそれに伴う混乱
入居者の満足と同じだけ大切なオーナーの満足
オーナーとの泥臭い駆け引きも醍醐味
もう1つの先進的取り組み、損害保険代理業
編集企画課の増員により雑誌作りの負担を軽減
仕事の疲れを癒し、人脈を広げてくれた酒とゴルフ
上昇気流のなかで余裕を失う社員たち
ある秘策で第三種郵便物の認可を取得
月刊から月2回刊へ 社内編集も5名体制にパワーアップ
ライバル誌が台頭するなか、ブランド化に成功
ロングセラーの秘訣は「読者目線」と「真摯な編集姿勢」
賃貸住宅情報誌が今の「間取図を見て部屋を探す」文化をつくった
情報誌を起点とする事業成長のスパイラル
自社で情報誌を発行することが最大の強みになる
専任物件の多さが読者を引き寄せる

第3章
多様化するライフスタイル、入居者ニーズに応える
IT時代の新たな仕掛けで、入居者とオーナー双方の満足度を高める
会社への貢献が評価され営業本部長に昇進
初仕事は宅地建物取引士の強化策
業法改正で従業員5名に宅地建物取引士1名の配置が義務化
55歳以上の資格者の雇用が既存社員の励みになった
支店長や係長昇任には宅地建物取引士資格を必須とした
寝耳に水の社長退任
株券と自宅を担保にして借り入れた株式取得費4000万円
想像だにしなかった36歳での代表取締役社長就任
社長就任時に行った3つの社内改革
管理物件が増えて管理事業部が発展
中堅社員の大量離職で自身の経営の甘さを痛感
社員教育の一環でスパルタ合宿を導入
出店ラッシュで経営は「バッテリーを積んでいない自転車」状態に
コンビニで販売開始 実売3万8000部を記録
IT時代を先取りした編集のデジタル化
創刊時からのパートナー企業との別れ
デジタル化がもたらした「一石三鳥の大改革」
紙媒体の衰退とウェブへの移行
ブラックボックス化していた広告宣伝にメスを入れる
全社をオンラインでつなぎ、事業の効率化を推進
仲介システム開発から2年で全支店がオンライン化
複雑の極みだった管理事業部門も自作のシステムでスマートに
停止していた家賃保証サービスを再開
社内の閉じたシステムからインターネットの開かれたシステムへ
システムの心臓部、ホストコンピューターのデータ保護を強化
インターネットの普及でセキュリティー対策が課題に
スマートフォン普及に合わせてシステムを再構築
2016年夏、本社ビルが完成 すべては人の縁だった
本社にもたせた5つの機能
創業から50年で支店は74、管理営業所は29に拡大
ホールディングスによる体制整備と強化
オーナーと入居者の満足度を上げるワンストップサービス
システムが先にあったからワンストップが可能に

第4章
100年企業を目指して これからも挑戦は続く
建売事業からの撤退で再確認した、自社の使命
株式上場への誘いと私の信念
不景気で再確認した本業の強み
フランチャイズではなく直営でクオリティーを高める
自社でリーダーを育てることの重要性
企業DNAをもったリーダーを輩出し続けることが企業存続の生命線
賃貸仲介業は「入居者とオーナーの縁結び」
賃貸管理業は「オーナーの安心のためにある」
信頼関係があるからこそ3世代50年にわたる付き合いもできる
誠実であることはすべてのビジネスの基本
今後の賃貸ニーズの動向を踏まえて次の50年に備える
賃貸に住む人の属性は時代とともに変化する
賃貸に求める条件はライフスタイルや価値観で変わる
経営者だけが味わえる苦労と喜び
やると決めたら最後までやり抜く、それが負け知らずになる唯一の方法
地元で愛される不動産会社であるために

おわりに

著者:加治佐 健二

1947年宮崎県生まれ。工業高校卒業後、18歳で愛知県名古屋市の醸造機器メーカーに就職し、製造現場に勤務。
1976年 7 月、高校時代の友人が名古屋で創業した賃貸仲介専門の不動産会社、株式会社日正に28歳で転職、営業部に配属となる。
翌年 4 月、編集企画課に異動し、東海エリア初となる賃貸住宅情報誌を創刊。
その後、営業本部長を経て1983年に株式会社日正の代表取締役社長に就任。
現在はニッショーグループの代表としてホールディングスを統括している。

ネット書店

  • https://amzn.to/3f3Yc6Z

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