誰かのために生きてこそ 人生が好転する「利他の精神」
書籍内容
家族のため、医学発展のため、貧困国のため…
利他の精神を貫いた激動の100年
弟の死を乗り越え決断した外科医への道。
院長として赤字病院の再建に奔走しつつ、
NPOを立ち上げバングラデシュの医療支援に40年尽力。
91歳、現役医師の著者が語る「他人本位」のススメ
著者は朝鮮半島で終戦を迎え、北からソ連軍が侵攻してくるなか
奇蹟的に日本に帰還するという九死に一生を得る経験をした。
戦後は医師の道へと進み、脳神経外科を専門とし医学発展に尽力。
さらに院長として2つの病院の経営再建に奔走した。
そのかたわらバングラデシュの医療支援にも携わり、
NPO法人を立ち上げて40年以上にわたり活動を継続している。
そうした足跡がある著者は、今の日本は多くの国民が
精神的な貧しさを抱えていると危惧している。
特に気掛かりなのが「自分さえよければ」という自己中心的な意識の広がりである。
常に利他の精神を貫いてきた著者だからこそ、人間とは誰かのために生きてこそ、
結果として幸せな人生を手にすることができるのだと今の若者に伝えたい。
「自分さえよければいい」という利己的な考えに埋没するのではなく、
他人の利のために尽くしたことが、やがて自分の幸せとなって返ってくるのである。
本書では、「利他の精神」を貫いた著者の軌跡をつづっていく。
今の自分の生き方や社会の風潮になじめないものを感じ、
今後どのように生きるべきか悩んでいる人々に向けて、まさに道標となる一冊である。
目次
はじめに
第1章 〈祖国のために〉 軍国少年が抱いた夢
9人きょうだいの長男
満州から朝鮮半島へ
軍国少年の夢
ソ連の侵攻
運命の列車
生きて日本の地へ
祖国のために
第2章 〈家族のために〉 敗戦(ゼロ)からの再出発
自給自足の日々
弟の病
信仰という支え
旧制高校への入学
学友との出会い
石鹸売り
大きな決断
家族のために
第3章 〈医学発展のために〉 最後の砦として生命を守る
勉強漬けの日々
医学の道
自分の「夢」とは
1本の電報
外科は最後の砦
定説を覆す
救急車
やるべきことをやる
医学発展のために
岩手から神戸へ
第4章 〈病院再建のために〉 経営改善に奔走する
素人への白羽の矢
就任早々の危機
患者増加への抜本的改革
信念に基づいた経営
61歳、最後の執刀
阪神・淡路大震災
次なる舞台
病院再建のために
第5章 〈貧困国のために〉 医療の発展に尽くす
空港での衝撃
医療技術の遅れ
人材育成への情熱
現地で出会った〝仙人〟
国境を越えた支援の絆
貧困国のために
第6章 〈未来のために〉 人生観を明確にして生きる
楽ではない人生こそ楽しい
生と死について考えることの大切さ
愛娘を襲った病魔
つらい別れ
生かされているということ
おわりに
「人のため」に仕事をする喜び
「利己的」と「利他的」
謝辞