同族企業の5代目社長が挑む企業風土改革

井村 優 (著), 佐藤 善信 (監修)[著]

2022.11.01

1650円(税込)

幻冬舎

単行本

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書籍内容

同族経営が生み出した古い企業風土を大改革!
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旧態依然とした組織構造や制度を変えていかなければ
企業風土は一新されない!
メスを入れるべきはモノ・カネ、そしてヒト
5代目社長が語る経営改革の全貌とは――

同族経営で100年以上成長してきた業界唯一の上場企業、イムラ封筒。
著者は3代目社長の長女と結婚した婿入り社長で、元々は証券会社に勤務するサラリーマンでした。
イムラ封筒に入社後、常軌を逸したコストの無駄使い、当たり前のように行われる不正の数々を知り、その実態に驚愕、落胆することになります。この会社の最大の問題は、無駄や不正といった問題に対し誰も何も言わないことでした。
そのとき、会社の一番の課題は企業風土であり、これを改革しなくては会社の成長はないと確信します。
そして問題を発見するたびに改善策を提案するも社内からは煙たがられ、ことごとく却下されます。
同族企業の企業風土は経営と深く結びついているため、全経営陣、特に社長が率先して経営課題を挙げて、組織構造や制度などを改革していかなければ何も前には進まなかったのです。そしてずさんな経営体制を放置した結果、ついに社員のボーナスを大幅に減給しなければならないほど業績が悪化しました。
そんな状況下で著者は代表取締役社長に就任します。

まずは無駄なモノ・カネの見直し、
最後にヒトという順番で大胆な風土改革を起こしていくこととなります。
本書では、旧態依然とした同族経営が生み出してしまった悪しき企業風土を大胆に改革していく軌跡をまとめています。
老舗、同族経営の企業がそのような体質から脱却し、新たな成長の一歩を踏み出すためのヒントが詰まっている一冊です。

目次

はじめに

序章 同族経営で成長してきた
業界トップの封筒メーカー
100年を超える歴史をもつ封筒メーカー
イムラ封筒のビジネスモデル
海外メーカーと日本メーカーの違い

第1章 露呈した古い企業風土
同族経営で会社は疲弊
一介の証券マンが封筒メーカーの社長の娘と結婚
イムラ封筒に入社する前の私
独立採算制の名のもと経費を湯水のごとく使う
改善しても元の木阿弥
飲食費の不正精算
企業風土とは何か

第2章 事なかれ主義がまん延
業務の改善提案が逆風を呼ぶ職場
新たな派閥を作るつもりだというデマ
人生で最低最悪にまずかった社員食堂
業務改善コンサルタントのキツい一言
工場の壁に穴が開いていても誰も気にしない
最新鋭機械導入計画の稟議書が通らない!
企業風土だけにとどまらない悪しき業界風土
リーマンショックで地獄の門が開く
2009年、自ら東京に。そこにあったのは39台のコピー機
出張費の見える化作戦
役員車が営業部員に使用される
雇用調整助成金の影響
東日本大震災が発生した夜のこと
どこまでも足元をすくわれる?
企業風土改革のケースメソッド

第3章 同族経営に大胆にメスを入れる
「モノとカネ」から着手
社長就任、社長室はボロボロだった!
役員ミーティングの議案がダダ漏れしていた
「ヒト・モノ・カネ」の「モノ」と「カネ」から改革する
社長専用車を廃止して8年間で数千万円の経費削減
オフィスはパソコン無法地帯と化していた
余剰な現金で借入金を返済し、買い過ぎた金融商品を処理する
株式・土地・社員寮・保養所を売却して8億円以上の資産圧縮
先駆的な子会社タイパックを吸収合併
思い切ってオフィス移転を実行
社員が全員参加の「挨拶と5S活動」
赤字体質だった山口美和工場を閉鎖

第4章 社外から役員を招聘
「ヒト」を一新し、人心を掌握する
「モノ」「カネ」の改革と「ヒト」の改革はどう違うのか
大企業の役員経験者を経営顧問として招聘
役員を対象にタナベ経営の勉強会を実施
コモンズ結成、社員のコミュニケーションアップ
桃太郎作戦
社外取締役、監査役を外部から採用
仕方なく創業100周年記念イベントを開催
大学の先輩を副社長に! 井村家以外初の代表権者が誕生

第5章 人心改革を一過性のもので終わらせない
200年続く強い企業を目指す
経営理念の見直しを検討し始める
初代社長の創業の地を会社が所有する
社員研修センター「潤創館」が創業の地にオープン
新たな社員研修「経営理念を浸透させる会」がスタート
新たな経営理念IMURA PHILOSOPHY STRUCTUREを発表
変化の予兆? 社員から新規ビジネスの提案

おわりに

佐藤善信教授によるケース講義
講義の目的
井村社長の組織変革への取り組み
根強い制度的慣性による組織変革への抵抗
組織変革への抵抗の発生原因
モノ・カネの整理を通じた組織風土改革への挑戦
組織文化の基底の変革=ヒト改革の難しさ
理想的な組織文化とは?
Edmondson(2018)の4つのゾーンと組織コミットメントとの関係
井村社長の意図的なヒトの改革
3Hと組織変革のレディネスとレジスタンスとの関係
社内コミュニケーション活性化策
IMURA PHILOSOPHY STRUCTUREの制定
エフェクチュエーション・ベースの組織改革

著者:井村 優 (著), 佐藤 善信 (監修)

■井村 優/イムラ ユタカ
株式会社イムラ封筒 代表取締役社長
1963年東京都世田谷区で生まれる。1983年慶應義塾大学経済学部へ入学。1987年慶大経卒、日興証券(現SMBC日興証券)入社。1993年イムラ封筒に入社し、2001年には取締役に就任。2003年には常務、2009年には専務に就任し、2013年に代表取締役社長に就任する。

【監修者プロフィール】
■佐藤 善信/サトウ ヨシノブ
関西学院大学名誉教授、兵庫県公立大学法人芸術文化観光専門職大学教授
1981年、神戸商科大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得退学、流通科学大学教授を経て、2005年4月より2022年3月まで関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科教授。2022年4月より現職。著書は『企業家精神のダイナミクス――その生成、発展および発現形態のケース分析』(関西学院大学出版会、2017年)、『ケースで学ぶ現代経営学[改訂版]』(共編著、放送大学教育振興会、2016年)、『ケースで学ぶケーススタディ』(監修、同文舘出版、2015年)、など多数。

ネット書店

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