教室改革

書籍内容
「教える」を捨て、「コーチング」を実践すれば
教師という仕事をもっと楽しめる
校務分掌、保護者対応、職員会議……
次々に仕事が湧き出て時間が足りない――。
教師の本分である教材研究や、生徒の個別対応に割く時間はどんどん削られ、
生徒に勉強の楽しさを教えるどころか、明日の授業案を練ることもままならず、
疲弊していく教師たち。
子どもたちが輝き、教師もやりがいを感じる
“理想の教室”は「コーチング」で実現できる。
コーチングとは、「相手の話に耳を傾け、質問や承認、時に提案などをして
相手の内面にある答えを引き出す目標達成の手法」です。
日本でも1997年頃から、主に企業での人材育成に用いるものとして
注目されてきました。
かつて高校教師として様々な悩みを抱えていた筆者は、
子どもたちへの教育にコーチングを用いることの有効性に着目し、
実践を通じて子どもたちの生活態度や勉強への向き合い方が変わっていくのを
目の当たりにしました。
そして「コーチングが子どもたちの未来を拓く! 」という確信のもと、
メソッドを確立し、普及に努め、教育現場への導入を支援してきました。
本書では現代の日本が抱える教育問題について提示するとともに、
今後の教育におけるコーチングの有効性、メソッド、
またそれがいかに教師を支えるかということを、事例を交えて解説します。
目次
はじめに
[第1章] 夢叶って教師になったのに̶̶
〝理想の教室〞とはほど遠い現状に戸惑う教師たち
教師になりたい高校生は4人に1人
下がり続ける教員採用倍率
公立小学校は過去最低を更新
教員採用倍率の低下を招いた3つの原因
本当に教職はブラックなのか
教員アンケート調査に見る実態
根っこにあるのは「自信のなさ」かもしれない
ロールモデルや相談相手がいない
孤立する教師たち
私も悩める教師の一人だった
転職した塾で転機が訪れた
コーチングとの出合いが私の人生を変えた
[第2章] 教室の問題を解決できるのは教師自身̶̶
これからの学校を担う教師が身につけるべき〝力〞とは
教師を目指したあの頃の思いが、問題解決の原動力になる
子どもの学びの力を引き出すコーチング
コーチングを授業に応用すると「主体的・対話的で深い学び」型授業になる
コーチングや「主体的・対話的で深い学び」の土台となる教育コミュニケーション
教育コミュニケーションの実践に重要な4つの要素
なぜ3つのRefが大切なのか
教室で役立つアクション1児童生徒に安心を与える「傾聴」
教室で役立つアクション2児童生徒をありのまま受け止める「承認」
教室で役立つアクション3児童生徒が考えを深めるための「質問」
教室で役立つアクション4鏡に映る自分を見て知るための「反映」
教室で役立つアクション5児童生徒自身が選択するための「提示」
メンターが持ちたい信念「人は総である」
「教える」から「学ぶ」へのパラダイムシフト
教育コミュニケーションの土台となる「Being 」
あなたのBeingを定める
「教える」ことを手放すとき本当の教師になる
保護者との関係創りにも効果を発揮
学校全体で良くなることを目指す
まず自分が変わることから始め、周りを巻き込む
学校が変われば地域が変わり国が変わる。そして、子どもたちの未来が変わる
[第3章] 教師のコミュニケーション一つで生徒はみるみる変化する̶̶
コーチングと「主体的・対話的で深い学び」が教室を改革する
コーチングや「主体的・対話的で深い学び」はすべての児童生徒・教室に有効
【事例1】荒れた子だって本当は勉強がしたいんだ!
【事例2】自分の思いを言葉で語れるようになった生徒たち
【事例3】生徒が「前のめり」で授業に取り組み、自学自習の力がついた
【事例4】勉強のできる子もできない子も普通の子も、みんな伸びる!
【事例5】楽しんで取り組み、少しずつ周りを巻き込めば学校が変わる
【事例6】ベテラン教師の「生徒らがこんなにできると思ってなかった」という気づき
【事例7】迷ったときはBeingや信念に立ち返る
[第4章] 教師とは人と社会の未来を創る仕事 20年、30年先のビジョンをもって教室へ
教育の理想と現実とのギャップが教師たちを苦しめている
教師も生徒も失敗できる社会、やり直せる社会に
子どもに広い世界を教えるなら、教師にも社会経験が必要
偏差値ヒエラルキーからの脱却
子どもたちが大人になる20年後30年後をイメージして
教師はもっと夢を見ていい 未来を創るのはあなた
おわりに