私の名前を水に書いて
書籍内容
二〇一九年暮、流行ミステリー作家斉田寛は都心の高層マンションの二十二階から転落死して発見された。遺書はなく警察は事故死として処理した。
世界的なパンデミックの中、ジャーナリストの松野はその死を巡りオンラインとリアルを駆使して故人の周辺の人々にインタビューして回る。果たして斉田は自殺か、他殺か? 斉田が蒐集していた中国古美術を巡って暗躍する香港マフィアの影。家族や友人知人を通して次第に明らかになる流行作家の実像とは? そしてその残酷な結末とは?
目次
プロローグ
オンライン追悼会
第一章 自殺しなかった男
現場検証
空き巣事件
芸術家の横顔
第二章 容疑者たち
防犯カメラ
作家の聖域
第三章 事件の真実
観音の呪い
逮捕
砂山の宝石箱
レクイエム
エピローグ
返還
トップ・オブ・東京