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【著者インタビュー】「医療としての美容外科」を貫く形成外科専門医が語る、クリニックに騙されない「賢い患者」へのすすめ
「美しくなりたい」「コンプレックスをなくしたい」「若返りたい」など、さまざまな理由から美容クリニックを利用する人が増えています。一方で、数あるクリニックの中からどこを選べば良いのか、どんな施術を選択すれば良いのか迷っているという声も聞かれます。 迷った挙句、「キャンペーン中」「今なら半額」など、煽るようなクリニックのキャッチコピーにのせられて施術を受けた人の中には、納得のいかない仕上がりに泣き寝入りしたり、不必要な施術を受けさせられ高額な治療費に困惑している人もいるようです。 こうした現状を踏まえ、美容外科の施術を受ける人には「賢い患者」になってほしいと訴えるのは、形成外科専門医の丸山直樹さんです。『32歳の悩める女子が美容外科医に聞いてみた「痛い?」「こわくない?」「いくらなの?」』や『美乳の教科書』の著者を持つ丸山さんに、後悔しない美容クリニックとの付き合い方、そして病院選びのポイントについて伺いました。
クリニック選び、施術方法選びのポイントを丁寧に解説
――改めて『32歳の悩める女子が美容外科医に聞いてみた「痛い?」「こわくない?」「いくらなの?」』『美乳の教科書』刊行のきっかけを教えてください
残念ながら、美容外科クリニックにだまされている患者が多いのは事実です。金儲けのために手術を行う美容クリニックが圧倒的で、「あれも、これも」と次々と手術を受けさせる傾向が見られます。患者の求めている仕上がりのイメージ、そして患者の体の状況を考えれば、そこまでの手術が必要でない場合でも、余計な施術をすすめるのです。
しかも、自由診療ですから料金はクリニックが自由に設定できます。言いなりになっていたら出費はとんでもないことになってしまいます。そうならないためにも、美容クリニックの扉を開く前に、事前の知識として知っておいてほしいことを詰め込んだのが『32歳の悩める女子が美容外科医に聞いてみた「痛い?」「こわくない?」「いくらなの?」』になります。
――最適な施術を受けるためのテキストということですね。
『美乳の教科書』は施術方法の種類の多い豊胸術について、一般の人にもわかりやすく解説しています。痩せすぎていて全身の脂肪が少ない人、仕事の都合で大きなバストにしなければならない人、乳がんなどの病気で乳房を失った人など、一人ひとりの希望に合わせた最適な施術方法を知るとともに、それぞれのメリット、デメリットについても説明しています。
クリニック選びについても、価格が安いから、院長がテレビに出演しているから、とにかく大きなバストにしてもらえるからなど、安直な理由で選択することがないように、クリニックを見極めるポイントについても解説しています。
専門医がカウンセリングからアフターケアまで担当する
――丸山先生が院長を務める、「マイアミ美容外科」の強みについてお聞かせください。
私たちのクリニックの医師は、全員「形成外科専門医」です。形成外科を専門的に学び、専門医の資格を取得した、技術も確かな医師だけを採用しています。「医療」を施す以上、専門知識を学び、患者のために人智を尽くす覚悟があるべきだと思うからです。
しかし実際、美容クリニックで働いている医師の中には、内科医だったけれど儲からないので美容クリニックに転職したとか、脳外科医だったけれど目が悪くなってきたので美容クリニックで注射専門の施術を行っているような医師が少なくありません。クリニックによっては、研修医を終えて間もない新人医師にメスを握らせ手術を任せているケースもあるのです。
――カウンセリングも医師が行うと聞きました。
もう一つの特徴としては、施術を担当する医師が、首尾一貫、患者に関わる点です。多くの美容クリニックでは、カウンセラーと呼ばれる職種の方が施術の提案や料金の説明を行い、担当の医師とのコミュニケーションは数分というのが相場だと思います。効率重視で、手術をたくさん行うには、この流れがベストなのでしょう。
対して私たちのクリニックでは、最初のカウンセリングから、施術の説明や費用についての説明はもちろん、術後のケアも施術を行う医師が一貫して行います。納得できるまで説明をし、安心して施術を受けてもらうためには当然のことです。もちろん、その分、一人の医師ができる手術数は減ってしまいますが、それが適正だと信じています。
――どのような施術を得意とされるのでしょうか。
適切な形成外科の技術を持っているので、どんな施術でも他院にひけをとらない自信はありますが、豊胸と顔の輪郭に関しては特に手術数が多く得意と言えるかもしれません。
「顔を小さくしたい」という要望はとても多いのですが、輪郭、脂肪、皮膚、筋肉の4つの要素は人それぞれ全く違い、施術方法も千差万別です。単純に骨を切ればいいと判断するクリニックも多いようですが、脂肪吸引が必須になるケースもあります。患者に合う施術を正しく判断できなければ、満足いただける仕上がりにはなりません。
賢い患者になるためのポイント
――ネットにはさまざまな情報がありますが、ネットの情報は役に立ちますか?
第一に、ネットの情報を鵜呑みにしないこと。インフルエンサーと呼ばれるような人がいい加減な情報を流しているケースはとても多いと感じます。美容クリニックのホームページに関しては役立つこともありますが、話半分くらいに受け止めてください。施術の種類を学ぶには良いですが、結果に関しては良いことしか書いていないことが多いです。また、クリニックに行く前には、必ず受けたいと思っている施術についてある程度調べておきましょう。何も知らずにカウンセリングを受けると、より高い施術、しなくてもよい施術をすすめられても「そういうものか」と納得してしまう可能性があります。その点が、私の書籍には詳しく著していますので参考にしてください。
――複数のクリニックで話を聞いた方が良いのでしょうか。
気になるクリニックがあったら、まずはカウンセリングに行ってみましょう。自分に合うか合わないかは感覚としてわかると思います。そしてご自身の悩みに対して、真摯に向き合って施術方法を考えてくれるのか、キャンペーン中の施術やクリニックが推している施術を無理やりすすめてくるのか見極めてください。
必ず、複数のクリニックに足を運び、冷静に施術方法や料金について整理してみましょう。カウンセリングの場で舞い上がって即決するのだけは避けてください。
社会に還元できる仕事がしたかった
――丸山先生が医療の道を目指したきっかけを教えてください。
父も祖父も歯科医で、3代目を継ぐのが当たり前のように育ちました。医療に対する考えは祖父から受けた影響が大きいと感じています。祖父は常に「弱い者を助ける」「社会に還元する」姿勢で医療に携わっていました。
マイクロバスに歯科治療のユニットを積み込み、休日を利用して寝たきりの高齢者の家を回って治療にあたっていました。貧しい人には無償で、金を持っている人からはたくさんの治療費を取り、誰もが必要な医療を受けられるようにと考えていたようです。
私の中にも自然に「困っている人を助けたい」という気持ちが根付きました。実際、現在のクリニックの治療でも、苦学生や本当に気の毒な人には割引をして施術を提供しています。必要としている人が必要な治療を受け、幸せになってもらいたいと願っています。
――ご家族と同じ歯科医ではなく、なぜ美容外科の道に進んだのでしょうか。
思春期になり、敷かれたレールの上を走ることに抵抗を感じて、歯学部ではなく医学部に入学しました。当初は精神科か小児科に進もうと思っていたのですが、さまざまな診療科の経験をするうちに手術をしたいと思うようになりました。
手術の中でも形成外科は赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年齢層の治療ができる点に魅力を感じました。交通事故で顔面の骨を怪我した人の手術や、赤ちゃんの生まれつきの問題を解決するなど、人の役に立ちたいという志とも一致しました。
ただ、顎や顔の骨の手術に関わってみると、歯科医とオーバーラップする部分が多く、導かれてしまったなという気持ちにもなりました。形成外科と歯科治療は密接な関わりがあり、今でも歯科医や矯正歯科医とタッグを組んで治療を行うことは珍しくありません。
医師の技術をあげるための設備投資はいとわない
――今後の展望をお聞かせください。
まともな美容外科医を育てることが私の使命だと思っています。そのために、クリニック内に設けた会議室で手術の様子を見ることができるシステムを構築しました。大学病院の一医局以上に教育費を使い、専門医の腕をさらに磨く場となるように意識しています。
今後は、この会議室を使って、他の美容クリニックの医師とも勉強会を開催するなど、地域の医師と切磋琢磨する場にもしていきたいと考えています。
――グループ展開でクリニックを増やす意向はあるのでしょうか。
手狭になったので、隣に分院はつくりましたが、積極的にクリニックを増やそうとは考えていません。将来的に、私のもとで学んだ優秀な医師が、別の地域で開業する際に「マイアミ美容外科」の看板を使うことはあるかもしれませんが、腕も倫理観もわからない医師に支店を任せるような展開にはしたいと思っていません。
医師免許を取ったからには、国民の幸せにつながることをしたいというのが私の最たる願いです。少し余裕ができたら、医療過疎地への支援や、子ども食堂の運営や、学習の機会を失っている子の支援など社会福祉に関わる運動もしてゆきたいと思っています。