あの空の彼方に
書籍内容
痛切なまでに一途な愛を繊細に描いた表題作
「あの空の彼方に」ほか「俱利伽羅峠まで」の短編2篇を収録
親友の息子・透が人を轢いてしまった。
「私、代りになります」
自分の将来を犠牲にすることも厭わず、
透を守る決断を下した真弓が迎える衝撃の結末とは。
――「あの空の彼方に」
「何時か、出来ましたら私も、海とその浜昼顔に会いにいけたらと思います」
七歳で廓に売られ、のちに花魁となったコウ。
そんなコウを支えていた上客・板田屋惣右衛門との約束を果たすため、
年季が明けて自由の身となったコウはまっすぐに彼のもとへ向かうが――。
――「俱利伽羅峠まで」
あの空の彼方に
俱利伽羅峠まで