なぜ大手の自動車メーカーは失敗し、田舎の車販売店がサブスクで成功できたのか?

岡野 茂春[著]

2021.07.30

1760円(税込)

幻冬舎メディアコンサルティング

単行本

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書籍内容

大手ですら苦戦を強いられるサブスクリプション
田舎の中古車販売店はなぜ成功を果たしたのか――
コト売り時代に求められるマーケティング戦略を紐解く

あらゆるサービスがサブスクを通して利用できるようになりました。
その市場規模は2020年時点で8000億円弱。
その後3年間で1兆円を越える規模に成長すると予測されています。
しかし、参入すれば成功できるという安易なものではありません。
サブスク成功の明暗を分けるものは一体なんなのでしょうか――。
(はじめにより抜粋)

サブスクマーケティングには、フォードやBMW、TOYATA等、
多くの有名企業が参入しているものの、苦戦を強いられています。
著者は、長野県佐久市で月々4980円から軽自動車に乗れる「定額エコノリくん」という
サブスクサービスを展開、成功を収めました。
地方は、通勤、買い物、などのために車が必需品であり、
一人1台ずつ、複数の車をもつ家も珍しくありません。
そのため、なるべく車にお金を掛けたくないというのが本音です。
故障や不具合が起きると非常に困るのですが、
女性や高齢者層はメカに詳しくない人がほとんどで、
メンテナンスや車検の手間を省きたいと感じている人もたくさんいます。
こういった状況を踏まえて、安く、手軽に車に乗れる仕組みを作り出そうと決意しました。
「ユーザーがいくらなら安いと感じるか」「どの手続きを面倒に感じているのか」など、
カスタマーインサイトにとことん向き合った結果、
カスタマーエクスペリエンスを満たす事業モデルにたどり着いたのです。
本書は、中古軽自動車のサブスクサービスを作り出したプロセスを踏まえながら、
顧客ニーズとの向き合い方、事業モデルの作り方、仕組み化のポイントを公開します。

目次

【目次】
はじめに
第1章 大手自動車メーカーも失敗する「サブスクサービス」
・サブスク時代の到来
・サブスクの定義
・テクノロジーの発達が追い風
・サービスをカスタマイズできるツールの出現
・サブスク支持者に見るサービスの特性
特徴1 デジタルネイティブ
特徴2 「みんなと同じ」より「個性」を重視
特徴3 モノや所有に執着しない
・成功例はほんのひと握り
・安易なサブスクは大怪我につながる

第2章 顧客が本当に求めているものとは
時代はモノ売りからコト売りへ
・サブスクの失敗例
1 新規のお客様しか見ていない
2 事業者都合の条件を付ける
3 安さのみで勝負する
・失敗に終わる根本的な理由とは
・価値がモノからコトへ変化した
・モノを所有することがステータスだった時代
・所有しないことが「かっこいい」
・所有から利用へ
・「所有しない人」が顕在化
・事業を根本的に見直す時期
・CSの時代からUXの時代へ
・変わらない企業は勝てない
・自分が提供できるコトは何か

第3章 田舎の生活に車は必需品
地域によって変わる車の価値
・コト売りをどのように事業化するか
・カーライフの負担軽減
・コト売り事業の肝は利用者の「使いたい」 「使い続けたい」気持ち作り
「使ってみたい」気持ち作り1
安さに目を向ける
「安さ」には2つの見方がある
0円でも利益になる理由
成果を見て仮説を検証
「使ってみたい」気持ち作り2
価値を分かりやすく見せる
選択肢が多過ぎると選べない
値頃感を押さえる
・お客様を絞り込む
・「安く買える」と「安く乗れる」は違う
・定説を疑って商機を見出す
「使い続けたい」と思わせる 長く付き合える関係性作りが重要
LTVが事業の生命線
手間と時間の負担を軽減する
・LTVを高められる事業モデルに変えていく

第4章 月々5000円で車が手に入る
田舎でうけた「中古車のサブスクリプション」
・「買って乗る」常識を壊したい
・ディーラーだけど車は売らない
・リースをベースに事業を考える
・リースの良いところを踏襲する
・「買うより安い」をどう実現するか
・車の価格を再定義する
・既存のリースより安くする
・リース料の鍵は残価
・安くする方法は2つ
・目標は「月1万円以下」
・仕入れを安く、残価は高く
・軽自動車なら残価がつく
・仕入れ、販売の独自ルートを確立

第5章 野立て看板、チラシ、のぼり旗――
田舎の顧客を囲い込むセールスプロモーション
・ファンにしたい人は誰か
・利用者を具体的に想像
・絞り込み過ぎるのは逆効果
・安さを伝えるならチラシが良い
・新事業はキーワード検索できない
・「安さ」のアピールでは響かない
・事業の背景を伝える
・広告にもコト売り視点が必要
・自分から地域に歩み寄る

第6章 顧客の悩みを分析すれば、
コト売り時代のマーケティングが見えてくる
・全国に広がる「定額エコノリくん」
・分かりやすいから安心して使える
・分かりやすさを維持する
・選択肢を増やすと運営の負荷が大きくなる
・コトを決めてから事業を作る
・試しながら正解に近づく
・小さな悩みごとに商機あり
・組み合わせを考える
・事業の理念を明らかにする
・理念作りは経営者の役割
・組織が良くなり成長するサイクル
・外内両方に向けたマーケティングが重要

おわりに

著者:岡野 茂春

株式会社ガイアスジャパン代表取締役
1968年、長野県生まれ。
東京工科大学工学部卒業後、株式会社メイテックに入社するも、
父親の会社が倒産したことで、若くして借金を抱え長野に帰省することとなる。
的屋業、ラーメン屋、塾講師のアルバイトを掛け持ちし、
借金を返済しながら日銭を稼ぐ日々を送る。
結婚を機に製造業へ転職、現場業務、法人営業を経験したのち、Web企画会社に入社する。
人生を模索するなかで、尊敬するコンサルタントとの出会いを通して自動車業界に参入、
2006年7月株式会社ガイアスジャパンを設立する。

ネット書店

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