社長引退勧告 ~1年以内に次期後継者を決めなさい

藤間 秋男[著]

2021.09.27

1760円(税込)

幻冬舎メディアコンサルティング

単行本

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書籍内容

世代交代をしない社長は会社を潰す!
後継者がいない、育たない……と言い訳するな!

後継者がいない中小企業の数は、実に127万社にのぼるといわれています。
事業がうまくいっているにもかかわらず、後継者がいないという理由で廃業してしまう
ことは、会社にとって不幸でしかありません。
社員が自ら考えて動いて成長していく仕組みをつくっていれば、
社長は日々の業務と並行して後継者探しと育成に注力でき、
M&Aをせずとも、憂いなく社長を退き、円満な事業承継を達成できるのです。

「社長の年齢が60代の中小企業のうち、約半数は後継者が決まっていない」
――中小企業庁が発行している「中小企業白書(2020年版)」のデータです。
事業を引き継ぐ人がいないということは、たとえ経営が安定していても、
廃業もしくはM&Aの道を選ばざるを得ない会社が存在するということです。
ともすれば、残された社員が失業や別会社への異動で不幸を被ることになります。
そうならないためにも後継者を決め、育成し、会社を強くしていくことは
社長の責務なのです。
本書では、多くの中小企業で、社員育成のアドバイスや後継者探しの手伝いを経験し、
事業承継において全国ナンバーワンを自負する著者が、
100年続く盤石な企業を創るための事業承継の仕組みづくりや
実践的な社員・後継者育成のアイデアを分かりやすく解説します。

目次

はじめに

第1章 「後継者がいない、育たない」は、ただの言い訳
M&Aに逃げる経営者たち
・愛のないM&Aは社員を不幸にするだけ!
・「最短最楽の事業承継」かもしれませんが
・「売れればなんでもいい」という仲介業者もいる
・実は「土地が欲しかっただけ」というケースも
・後悔するM&A、後悔しないM&A
・M&Aは会社存続の最終手段と考えるべし
・タイミングを間違うと悲劇
・事業の一部を売る方法もある
・M&Aの前に挑戦したい正統な事業承継プロセス
・「残すべきものはお金なのか?」
・「後継者がいない、育てていない」はただの言い訳
・会社を変えたいなら、まず社長から変わること
・会社を任せられる社員や後継者を育てる方法

第2章 経営理念の浸透なくして強い組織は生まれない
ワンマン経営から脱却し承継に備えよ
・承継できない企業最大の特徴は、「社長が独裁者タイプ」
・人が定着しない企業は長生きできない
・とある独裁者タイプ社長の場合
・独裁を改めない限り長寿企業の仲間入りはできない
・独裁者になってしまったのは、社員に任せられないから
・「あるべき論」が社員のやる気を奪う
・我慢して任せることの意義
・任せるだけでは頭打ち
・息の長い企業にするために理念を受け継げ
・理念に込めるもの
・理念に従っていれば何をしてもOK
・実体験で学んだ「理念を甘く見てはいけない」理由
・「理念なんて」と思うなかれ
・会社を社長の器以上にするための最適ツール
・共感できず去る人、共感して入る人
・理念が浸透している会社は収益も大きい
・不祥事の起きやすい企業ほど理念が浸透できていない
・理念浸透が弱いと代替わりでしくじる
・「気持ち悪くて不正なんてできない」が理念の真骨頂
・理念の確立と浸透、8個のポイント
・当社の理念を例に解説
1 よく口にするポジティブな言葉で編む
2 業種業務を限定する
3 大切にしたい「幸せ」と「貢献」
4 理念の先にあるビジョンも確立する
5 時代に応じて柔軟に変えていく
6 しっくりくるまでこだわる
7 目や耳にする機会を増やして浸透させる
8 クレドを作成し実践に落とし込む
・理念は後継者が迷ったときの道標になる
・創業者の分身として永遠に残る
・混迷時代のガイドブック

第3章 経営計画は社員がつくってこそ、価値がある
社員の自主性を育てれば、後継者が決まる!
・ワクワクする会社は、社員一人ひとりが考えて動ける会社
・売上は社員の成長の総和
・成長がワクワクにつながる経営計画
・社員が公平に評価される会社にする
・社員みんなでつくる「経営計画」のメリット
・全社員の計画を可視化する
・経営計画は成長とワクワクの素
・経営計画は「全員経営」の感覚が身につく
・経営計画はたくさんの「種まき」ができる
・経営計画は社内のバイブルになり争いが避けられる
・正しい経営計画がないと未来ビジョンを共有できない
・大雑把な数値計画だけでは成長はない
・社長プロデュースでは意味がない
・社長の「ご乱心」を止めることができる
・経営計画に盛り込んでおきたいことリスト
・「毎月」の目標を入れる
・数値目標は「5勝5敗」がベスト
・冒頭に社長の「経営指針」を入れる
・「何を」「誰が」「いつまでに」やるかを決める
・社員全員の「思い」を込める
・必ず「反省」し次へ活かす
・経営チーム結成が組織の風通しをよくし、後継者を育てる
・「気に入らない人」ほど歓迎すべし
・運動会開催もチームで熱く議論
・組織を大きくしたいなら、人事評価制度を見直そう
・マクドナルドの人事評価制度
・売上に直結しない成果も評価する

第4章 後継者を育てられない社長は、無能と思え!
1年以内に後継者を決めて会社を強くせよ
・「自分は死なない」と思っていませんか?
・もしトップが突然いなくなったら
・後継者探しは社長の「義務」
・「経営がうまくいった」だけでは50点、次にきちんと引き継いで100点
・事業承継とは「悔しい」ものです
・会社存続に必要なのは「譲る側の我慢」
・「後継者が正しい」にしてあげる
・経営計画で衝突を回避する
・1年以内に後継者を選ぶポイント――親族、従業員、社外
・後継者を決めると会社が強くなる最大の理由
・最も多い「親族内承継」の留意点
・養子を迎える手もある
・社内で後継者を決めるなら従業員全員が候補
・社外から連れてくる際は要注意
・スペシャリストよりはゼネラリスト
・後継者は能力よりも人徳重視
・能力は後付けでいい
・謙虚さのない後継者はダメ
・客観的な意見をたくさん取り込むべし
・従業員アンケートで後継者候補を絞る方法も
・「いきなり社長」はNG!
・「試用期間」は必ず設ける
・形だけの事業承継にしないために
・後継者候補に尋ねたい3つの質問
・「継ぐ気はありますか?」でやる気を探る
・「どうすれば継いでくれますか?」で懸念材料を引き出す
・「理念やビジョンを大切にしてくれますか?」で思いを託す
・もし「子どもに継がせたい」と決めたなら
・早い時期からの意識改革が必要
・職住分離問題
・子どもへの理想的な事業承継・社外編
・子どもへの理想的な事業承継・社内編
・早期の心掛けが肝心!
・間違った「株分け」が火種となる
・「この、たわけ者! 」(田分け)
・後継者にすべて託すリスク
・社員みんなで保有し争いを避ける
・会社は「社長」「会長」「株主」、誰のもの?
・「会長=大株主」だった場合の力関係
・「誰のもの」ではなく「誰のため」
・「事業承継は悔しい」を忘れるべからず

第5章 社長の覚悟が引退後の会社の未来を切り拓く!
・「家族がいちばん大事」の盲点に気をつけて!
・会社に親族を入れることの強みと弱み
・「私情」の多い会社は腐る
・親族トラブルに巻き込まれた会社の末路
・老舗に学ぶ正しい同族経営
・経営の「一本足打法」は危険、引退後も成長を続ける会社へ
・時代は常に前へ進んでいる
・決断力で未来をこじ開ける
・「お困りごとはありませんか?」から生まれる新発想
・失敗がワクワクになる・成功になる
・社長の引退宣言が社員の意識を変える
・「敬い」や「温かさ」が会社の熱量になる
・家庭がうまくいっていない社長は、会社もうまく経営できない
・家族を敬い尊ぶ愛が人徳となる
・読書で育む温かい心
・「楽しくなりたい」「幸せになりたい」が万人の願い
・当たり前のことを、当たり前のように実践しよう
・意識して感謝の言葉を伝える
・採用基準を理念ベースにする
・従業員満足度調査を行う

おわりに

著者:藤間 秋男

TOMAコンサルタンツグループ株式会社 代表取締役会長
TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社 代表取締役社長
100年企業創りコンサルタント。公認会計士。税理士。中小企業診断士。行政書士。
1952年東京生まれ。
慶應義塾大学卒業後、大手監査法人勤務を経て、
1982年藤間公認会計士税理士事務所を開設。
2012年より分社化して、TOMA税理士法人などを母体とする
200名のコンサルティングファームを構築。
100年企業創りと事業承継をライフワークとし、関連セミナーを1500回以上開催。
老舗企業を集めたイベント「100年企業サミット」を主催するほか、
雑誌やテレビ等で老舗企業取材も多数経験。
著書に『中小企業のための成功する事業承継 心得88』
『どんな危機にも打ち勝つ100年企業の法則』(ともにPHP研究所)、
『永続企業の創り方10ヶ条』(平成出版)、
『2時間でざっくりつかむ! 中小企業の「事業承継」はじめに読む本』(すばる舎)などがある。
元日本青年会議所議長・委員長、ニュービジネス協議会会員、東京中小企業同友会会員、
東京都倫理法人会幹事長、元盛和塾会員、日創研経営研究会会員。

ネット書店

  • https://amzn.to/3f3Yc6Z

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