町のかかりつけ医が中心となって支える 身の丈地域包括ケアシステム

楠部 滋[著]

2025.11.04

990円(税込)

幻冬舎

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書籍内容

地域包括ケアは“身の丈”で実践する

東広島の「町のかかりつけ医」が描く、
地域医療の持続可能なかたち

若者人口の減少と高齢化率の上昇、そして医療従事者の不足が深刻化するなか、日本の地域医療はかつてない危機に直面しています。
診療所の閉鎖や救急医療の縮小が相次ぎ、従来の医療サービスを維持することが難しくなる一方で、注目を集めているのが「地域包括ケアシステム」です。医療・介護・福祉が連携し、地域全体で住民の健康と生活を支えるこの仕組みは、今後の地域医療の基盤となる可能性を秘めています。しかし現実には、地域ごとに十分な構築・運用が進まず、医療機関や行政、介護・福祉分野の連携が思うように機能していないのが実情です。加えて、人材・資金・設備といったリソース不足も深刻で、理想と現実の間に大きな隔たりが生じています。限られた条件のなかで、いかに持続可能な仕組みを築くか————その問いが、いま各地域に突きつけられています。

東広島市で四半世紀にわたり診療所を運営してきた著者は、そうした制約の中で「身の丈に合った地域包括ケアシステム」を実践してきました。診療所をハブに、介護・福祉の多職種との柔軟な連携体制を築き、地域のニーズに応じたコンパクトな医療・介護事業を展開。さらに、地域住民の医療リテラシー向上にも取り組みながら、持続可能なケアの形を模索してきました。

本書では、著者が築き上げた地域包括ケアの実践を、具体的な事例を通して紹介します。医療機関だけでは地域を支えきれない時代に、限られたリソースの中でも実現できる“身の丈”のケアとは何か、その答えを現場の経験から導き出した一冊です。

著者:楠部 滋

1969年広島大学教育学部附属高等学校卒業、鹿児島大学医学部入学。1975年鹿児島大学医学部卒、広島大学医学部附属病院内科研修。1977年広島大学医学部第二内科入局、町立西城病院内科医長に就任。1978年に広島大学大学院医学研究科(病理学)で研鑽を深め、1984年広島大学医学部助手を経て連合王国ロンドン大学セントメリー医学校へ留学。帰国後広島大学医学部講師を務めたのち、1987年から広島赤十字・原爆病院検査部長に就任。地域医療を支える医師としての社会貢献を目指し、1991年から国立療養所広島病院の内科医師として再び臨床に従事。1992年に開業、東広島市になんぶ内科医院創立。
1999年介護認定審査委員に就任、2004年から一般社団法人東広島地区医師会理事就任。地域包括ケアを積極的に推進し、2016〜2018年に東広島地区医師会会長を務める。行政も巻き込んだ地域包括ケアの取り組みが評価され、2014年広島県医師会長表彰、2019年広島県知事表彰(医師の医療功労)を受賞。医学博士。広島空港ロータリークラブ会員。

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