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『テラスの旅路』著者・響乃みやこインタビュー|小学6年生作家が長編ファンタジー小説を書き上げるまで

今回ご紹介する『テラスの旅路』の舞台は、今から300年後の文明が滅んだ日本。絶望の淵に立たされた一人の少女が仲間たちと出会いながら冒険し謎に迫るファンタジーミステリーです。 この読み応えある長編小説を書き上げたのが小学6年生の響乃みやこさん。わずか12歳でなぜこのような長編小説を書くことができたのか、大人顔負けの語彙力や表現力、魅了的なストーリーを生み出す力はどのように身につけたのか。 『テラスの旅路』著者の響乃みやこさんに普段の生活から小説執筆の裏側まで、さまざまなお話を伺いました。
物語を書き始めたのは小学3年生の時から
ーーまずはじめに自己紹介をお願いします。
響乃みやこ、小学6年生の12歳です。栃木県で生まれて、お父さんの仕事の関係で幼稚園の頃まで北海道と広島で過ごしていました。
小学校3年生の時にお父さんからパソコンを譲り受けて小説を書き始めました。 今はピアノ、そろばん、空手、書道の習い事をやっています。特技はタイピング、趣味はカラオケです。
ーー小学校3年生の頃から書いているのですね!やはり普段から本もたくさん読んでいますか。好きな本についても聞かせてください。
今は習い事や小説のことで忙しいので月に5冊ぐらいしか読めていないんですが、好きな本は 『かがみの孤城』『きみの膵臓を食べたい』『レーエンデ国物語』です。ファンタジーミステリーが好きですが、あまりジャンルにこだわらず、他にもいろいろな本を読んで います。
好きな作家さんは辻村美月さんや住野よるさん。あと漫画家さんなら吾峠呼世晴さんと堀越耕平さんが好きです。
ーー大人向けの小説も読んでるんですね。それはいつ頃からですか。
小説自体は小学3、4年生の頃から読んでいたと思います。5年生の頃までは小学校高学年向けの小説を読んでいて、大人向けのものを読み始めたのは6年生になってからです。
難しい言葉が出てきた時は手元のパソコンで調べながら読んでいます。
思いついた小説のアイデアはノートにストック
ーー小学校 3 年生で初めて書いたお話はどのような内容でしたか。
確か「犬 VS 猫(いぬたいねこ)」という絵本のような短いお話を書いたのが最初です。犬軍と猫軍がバトルして最後は引き分けに終わったというストーリーだったと思います。
ーーそのようなお話はどのように考えるのでしょうか。
最初にあらすじを思いついて、その後の展開をどうしていくか考えます。ベッドの枕元にノートを置いていて、アイデアを思いついたらメモをしています。
ーー小説のネタ帳があるなんてすごいですね!これまで何作くらい書いたのですか。
『テラスの旅路』で3作目です。最初が先ほど話した絵本で、2作目は私が好きなゲームのキャ ラクター達で考えた物語です。どちらも作品と呼べるほどのものではないので、そういう意味では長編の作品は今回が初めてです。
ーー小説を書くために普段から勉強していることはありますか。
森沢昭夫さんの「プロだけが知っている小説の書き方」という本を読んで勉強しています。 あとは、いろんな本を読み漁って、「この表現いいな、こう書いたらいいんだな」と、参考 にさせて頂くこともあります。
ーー学校の勉強ではやっぱり国語が得意なんですか。作文で褒められることもきっと多いですよね。
はい、国語は得意ですね。ただ逆に算数とか体育はちょっと苦手で、特に体育は全くと言うほどできなくて(笑)。あと自分のことを語るのはちょっと苦手なので読書感想文など創作ではない文章を書くのはあんまり…。
大好きなアーティスト「ずっと真夜中でいいのに。」の「暗く黒く」のMVにインスパイアされた『テラスの旅路』
ーー『テラスの旅路』はとても読み応えのある長編小説でした。改めて『テラスの旅路』について簡単にご紹介ください。
『テラスの旅路』は今から約300年後の文明が荒廃した日本を舞台にしました。
そこで「ティーナ」という女の子と、「ナギサ」というロボットが一緒に暮らしていたんですけど、ある日ナギサが壊れてしまいます。ティーナはナギサを直すためにナギサを作った科学組織、リベドルトを目指して旅をするというお話です。
ーー物語の見どころはどのようなところでしょうか?
ティーナが冒険をしていく中で仲間たちと出会い、初めての友達を作ったり恋愛をしていきながら世界がどうして滅んだのか、なんでナギサが壊れてしまったのかという謎に迫っていくミステリー要素が見どころだと思います。ティーナたちの旅や冒険を読者の方も一緒に楽しみ、ワクワク、ドキドキしてくれたらとてもうれしいです。
ーー現代ではない遠い未来が舞台になっています。それも決して明るい未来とは言えないディストピアのような世界が描かれていますね。どうしてあのような舞台設定にしたのでしょうか。
そもそもこの『テラスの旅路』を書こうと思ったきっかけは、「ずっと真夜中でいいのに。」さんの「暗く黒く」のミュージックビデオを見たことだったんです。私は「ずっと真夜中でいいのに。」さんが大好きで、その映像作品も音楽やストーリーもとてもステキなんです。
まるで一本の映画を見終えた後のように感動をしたんですが、主人公の女の子のその後がすごく気になってしまって。だったらいっそのこと自分で考えてしまおうと。それで続きを小説として書いてみたんです。
ーーなるほど。「ずっと真夜中でいいのに。」さんの「暗く、黒く」のミュージックビデオの世界とリンクしてるんですね。このお話はいつから書き始めたのでしょうか?
5年生の2学期後半あたりだったはずです。だいたい1年くらいかけて書き上げました。
「やりたくてやっていること」だから小説を書くことは楽しみしかない
ーー学校に行って習い事もして本もたくさん読んでいて。とても忙しいと思いますが、1 日のうちのいつ書いているのでしょうか。
時間ができた時ですかね。暇になった時はやることをいろいろと決めているんですけど、今の優先順位 は小説を書くことが一番です。あとは土日を使うことが多いですね。親からストップがかかったり、頭が痛いなと思うまでずっと書いています。最大何時間くらいやってたかな…?休憩しながら1日中書いている時もあるので、肩こりや腰痛になっちゃって(笑)。
ーーええ!?それは大変!
はい。だんだん慢性化してきてしまって逆にあまり痛みも感じなくなっちゃって。そのうち血流 が悪くなって頭が痛くなって学校を休むという悪循環が…。それで家でパソコンを使ってもいい時間のルールが作られちゃいました(笑)。
ーーずっと書いていてアイデアに詰まったり途中で心が折れそうになったことはないですか。
「やらなきゃいけないこと」じゃなくて、「やりたくてやっていること」だから、そういうのはあまりなかったです。アイデアに詰まったときは、頑張って捻り出します!
ーー見習いたいです(笑)。では書いていて楽しいのはどんな時ですか。
全部楽しかったです。私はパソコンをいじることも好きだし、あと物語を書くことも小さい頃から好きなので。それに『テラスの旅路』に出てくるキャラクターたちのことも大好きなので、みんなが物語の中で旅をしたり話している時は、私も一緒に楽しんでいます。
ーー『テラスの旅路』はどのような方に読んでほしいですか。
老若男女問わず、いろんな人に読んでほしいです。それとできるかどうかは分かりませんが、私が大好きな「ずっと真夜中でいいのに。」さんに読んでもらえたらとてもうれしいです!
『テラスの旅路』の気になる続編も執筆中!
ーーこれだけ長い小説を書き終えた時はどんな風に感じましたか。
感慨深いっていう感じですかね。「終わったー」って思って、とりあえず一旦休憩しましたが、 今回の最後の部分を書き終わった後も、そのまま続きを書いていました。
ーー最後まで読み終わった後「一体この後はどうなるんだろう」と気になりましたが、やはり続きがあるんですね。
はい。『テラスの旅路』は今回出したもので全体の4分の1くらいです。もう第2作目の後半くらいまでは書き上がっています。1作目は冒険がメインでしたが、この後はミス テリー的要素に加え、複雑な人間模様も絡んできて、結構ドロドロの展開になるかも。
ーー続きが気になりますね!『テラスの旅路』続編の他にも小説の構想はありますか。
まだ書く余裕はないですし、後々プロットが変わっていくと思うんですが、一応構想はあります。恐らく、テラ スの旅路の前日譚になると思います。世界が崩壊する前のリベドルトを舞台にしたお話です。
ーーまた難しい世界に挑戦ですね。みやこさんのように小説を書いてみたいと思う子に向けて何かアドバイスできることはありますか?
まずは自分が好きなように書くのがいいと思います。それで表現部分が納得いかなければ後からいくらでも手直しできるので、まずはとにかく好きなように書くのが一番です。
あとは本をたくさん読むことだと思います。ジャンル問わず読み漁るのがいいと思います。それが一番です。
魅力的な仲間たちの旅を一緒に楽しんで
ーーみやこさん自身、これからやりたいことはありますか?
大人になったら、小説家になるか出版業界で働いてみたいです。中学生になっても小説を書くことは続けますが、部活もやりたいです。
ーー出版記念でやりたいことはありますか。出来上がった本は誰にプレゼントしたいですか?
まずはカラオケに行きたいです。フリータイムで!カラオケが本当に好きなので。本をプレゼントしたいのはお父さんとお母さん。おじいちゃん、おばあちゃん、親戚のみんな。
学校の先生と友達、習い事でお世話になっている先生達にもプレゼントしたいです。
ーーたくさんの人に読んでもらえたらいいですね。では最後にこのインタビューを読んでいる方に向けてメッセージをいただけますか。
『テラスの旅路』を読んで登場人物に感情移入しながら一緒に旅を楽しんでもらえたらとてもうれしいです。1ミリでも興味が湧いたら、ぜひ本を手に取って読んでみてください!