【話題の本】『現役東大生おすすめの本』40選!【文系編】

日本の大学のトップに君臨する「東京大学」。東大の全学部の平均偏差値は75で、国内最難関の大学と言われています。 そんな東京大学に通う現役東大生の皆さんに「1年間で読んだおすすめの1冊」を聞きました。 東大生だからといって難しい本だけではなく、小説・ビジネス書・古典・ライトノベルまで様々なジャンルがそろっており、中学生から大人まで楽しめる40選となっています。 回答頂いた東大生の学部に合わせて【文系編】と【理系編】で紹介いたします。 このページでは「現役東大生が選ぶ『1年間で読んだおすすめの1冊』」【文系編】40選を一挙にご紹介します。
ここからは早速、現役東大生が選ぶ『1年間で読んだおすすめの1冊』【文系編】40選を紹介します。
読書家が多い東大生が厳選した「おすすめの1冊」は、中高生から大人の方まで、読書好きに必読の作品ばかりです。
それでは、40作品お楽しみください!
1.『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』(デヴィッド・グレーバー著/岩波書店)
<コメント>
・生産性の低い時言われている日本社会の根本の原因を言い当ててくれている。必要がないと本人も分かっていながらその仕事が存在しているというブルシットジョブは日本にもよく当てはまっていると考えられるため。(教育学部・教養学科総合社会科学分科相関社会科学コース/学部3年生)
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2.『思考の整理学』(外山 滋比古 著/筑摩書房)
<コメント>
・この本を読んで、自分は典型的な「グライダー人間」であり、真の学力はまだまだ身についていないということに気付かされたから。また、思考を一旦寝かせるというアドバイスが、重要な決断をする際に役に立ったから。(教育学部・理科二類/学部1年生)
・40年ほど前に出版されたものだが、今にも十分通ずる思考術が書いてあるから。(教養学部・文科二類/学部1年生)
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3.『 トクヴィル 平等と不平等の理論家』(宇野 重規 著/講談社)
<コメント>
・ポスト・トゥルースの時代とも言われる、現代の民主主義社会では、人々はこれまでに存在していたあらゆる権威の後退を経験し、多数者の声に従属する。民主主義が成立した当初のアメリカ社会を分析・考察したトクヴィルの思想は、今日に生きるわれわれにとっても示唆に富んだものであることを解説している。(文学部・思想文化学科/学部4年生)
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4.『絶滅できない動物たち: 自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ』(M・R・オコナー著/ダイヤモンド社)
<コメント>
・環境保護が喫緊の課題と叫ばれる中、1990年代前後に保護された絶滅危惧種の動物たちが辿った、絶滅することも自然に生きることもできないという結果は、たくさんの示唆を与えてくれます。日本社会は実学主義ですが、本当は倫理的、哲学的、社会学的な視点と両輪でなければならないと教えてくれる一冊です。(学際情報学府・文化・人間情報学コース/修士2年生)
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5.『青の数学 』(王城 夕紀 /新潮社)
<コメント>
・青春の中で自問自答し、悩み、楽しみ、一瞬を生きる少年少女の姿が愛おしい。中学生の時に読んで、高校生でも読んで、大学生になっても読んでいる。読むたびに受ける印象も、好きになる人物も、響く考え方も変わるのが面白い。自分は数学が苦手だが、数学という学問、世界自体を好きになれた。(文化三類・学部1年生)
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6.『バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則』(ジョージ・S・クレイソン 著/文響社)
<コメント>
・お金持ちになる方法を古代で大繫栄した都市バビロンの人達が何をしてお金を増やしていったのかのエピソードを通して学んでいく本で、大勢の人がお金で悩み、しまいには老後の資金が大きな問題になっていくなかで、その悩みを解決する大きなヒントになると考えているからです。(法学部・第1類(私法)/学部4年生)
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7.『また、同じ夢を見ていた 』(住野 よる著/双葉社)
<コメント>
・読んでいる間の何が起こっているかわからない不思議な感覚と、読み終わって全てが繋がった爽快感と暖かな感動がとても良かったから。(教養学部・文科三類/学部2年生)
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8.『ランスへの帰郷』(ディディエ・エリボン著/みすず書房)
<コメント>
・著者はフーコーの伝記や、デュメジルとの対話などで知られる哲学者。階級、セクシュアリティなどについての考察も交えながら、自らの半生を心を打つやり方で文章にしている。(文学部・言語文化学科/学部3年生)
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9.『社会学 (ヒューマニティーズ) 』(市野川 容孝著/岩波書店)
<コメント>
・社会学という語の期限から広く語られていて、社会学の入門書にぴったりだと思う。また、文系学問は相互関係が強いので他を選考する人にもおすすめ。(教養学部・文科三類/学部2年生)
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10.『世界史で学べ!地政学 』(茂木誠著/祥伝社)
<コメント>
・現代の国際情勢や紛争の根本的原因となっていることが多い、民族問題や領土紛争などの背景を、国同士のパワーバランスに注目しながら世界史の知識を基に紐解くことができるから。(教養学部・文科二類/学部2年生)
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11.『道路の日本史 古代駅路から高速道路へ』(武部 健一著/中央公論新社)
<コメント>
・武将や戦いの歴史を中心に語られることの多い歴史を、道という、生活に必要不可欠であるにもかかわらず、歴史の教科書では江戸時代の五街道のような本当に重要なものしか語られないものに注目しながら俯瞰的に語るという、独創的な視点を持っているから。(教養学部・文科二類/学部2年生)
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12.『蒼穹の昴』(浅田 次郎/講談社)
<コメント>
・最後の中国王朝、清朝が列強に侵攻を受ける中で、懸命に国を保とうとする人々の様子が描かれている。主人公の春児は、農村からでてきた貧乏な子供である。彼は貧しさから宦官になる決断をし、天命と向き合いながら紫禁城の中で出世をしていく姿には感情移入せざるを得ない。彼の視点から描かれる中国支配層の威厳や華やかさには心惹かれてしまう。西太后や李鴻章といった世界史の授業で学んだ人物が浅田次郎の視点から登場人物として描かれていることも魅力的である。個人的には李鴻章の授業では知ることができない数々の勇姿が一番気に入っている部分である。(教養学部・文科二類/学部1年生)
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13.『愛が嫌い』(町屋 良平 著/文藝春秋)
<コメント>
・いい意味の普通から外れてもそれでも生きていけるという希望や、苦しみが共有されることでもたらされる心の浄化を与えてくれるから。(人文社会系研究科・日本文化研究専攻/修士2年生)
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14.『詩人であること』(長田 弘著/岩波書店)
<コメント>
・エッセイがおもしろい(教養学部・文科三類/学部1年生)
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15.『ねらわれた星 (星新一ショートショートセレクション 1) 』星 新一著/理論社)
<コメント>
・短い話でありながら、起承転結がしっかりしていたり、読者の想像を掻き立てるような結末の話が数多く入ってるから(文科Ⅱ類/学部1年生)
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16.『9条入門』(加藤典洋 著/創元社)
<コメント>
・日本国憲法成立の経緯がよくわかるから。(教養学部・文科一類/学部1年生)
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17.『兜町コンフィデンシャル―株式市場の裏側で何が起きているのか」(高橋 篤史著/東洋経済新報社)
<コメント>
・投資や会計不正に関する知見を広げられるため。(法学部・第1類(私法)/学部4年生)
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18.『チェルノブイリの祈り』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ著 /岩波書店)
<コメント>
・人間であることがどういうことなのか鋭く抉った名著です。(教養学部・文科三類/学部1年生)
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19.『 竜馬がゆく』(司馬遼太郎著/文藝春秋)
<コメント>
・藩という小さな枠組みではなく日本という大きな枠組みから物事を考え行動に移し続けた坂本龍馬の生き様は、特に若い人に対して情熱を注ぎ込むものだと思ったから。(教養学部・文科二類/学部2年生)
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20.『町田健のたのしい言語学』(町田健著/ソフトバンククリエイティブ)
<コメント>
・言語学の入門知識について非常に丁寧かつ正確に説明されているから。(文科三類/学部1年生)
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21.『フランス現代思想史 』(岡本 裕一朗 /中央公論新社)
<コメント>
・フランス現代思想史の流れが分かる(教養学部・文科三類/学部2年生)
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22.『パサージュ論』(Benjamin, Walter著/岩波書店)
<コメント>
・地に足ついた遊歩者の思考を追体験できる(文学部・行動文化学科/修士1年生)
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23.『ヒトラーとナチドイツ』(石田 勇治著/講談社
<コメント>
・ナチスドイツやヒトラーについて、アウトバーンや失業率の向上などネット上に流布している説の誤り、真相がよく分かる。(文学部・人文学科/学部3年生)
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24.『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
』(アンナロスリング・ロンランド、オーラロスリング、ハンス・ロスリング著/日経BP)
<コメント>
・近年よく言われる、「データ」について、分かりやすい例とともに述べられており、楽しんで読みながら勉強できるから。(経済学部・経済学科/学部4年生)
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25.『プラチナデータ』(東野圭吾著/幻冬舎)
<コメント>
・よく練られた展開と次々に読み進められる文章が好きだから(法学部・第1類(私法)/学部4年生)
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26.『オルタネート』(加藤シゲアキ著/新潮社)
<コメント>
・今を大切にしようと思えた。(教養学部・文科三類/学部1年生)
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27.『日本から北へ帰った人の物語』( 錫圭著/新幹社)
<コメント>
・人北朝鮮でのリアルな生活がわかるから。(教養学部・文科三類/学部2年生)
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28.『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』(ティナ・シーリグ著/CCCメディアハウス)
<コメント>
・人生において困難に直面した時に参考になるアドバイスが沢山盛り込まれているから。(教養学部・文科三類/学部1年生)
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29.『革命前夜』(須賀 しのぶ/文藝春秋)
<コメント>
・スパイや諜報員が日常に潜んでいた東ドイツ時代の話で、当時の空気感がよく分かり勉強になった。(前期教養学部/学部2年生)
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30.『鹿の王』(上橋 菜穂子 著/KADOKAWA)
<コメント>
・上橋菜穂子の複雑なファンタジーストーリーに惹き込まれるから。(教養学部・文科三類/学部2年生)
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31.『幸福論」(寺山修司 著/KADOKAWA)
<コメント>
・独特な「幸福論」。幸福を相対化できる。(教育学部・総合教育科学科/学部4年生)
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32.『3週間続ければ一生が変わる』(ロビンシャーマ著/海竜社)
<コメント>
・本当に自分の人生観を変えてくれたから(教養学部・文科三類/学部1年生)
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33.『1Q84』(村上春樹著/新潮社)
<コメント>
・村上春樹の比喩の独特さや、作る世界観の奇妙さが面白く、自分の表現力が増した気がした。(総合文化研究科・国際社会科学専攻/修士2年生)
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34.『ペスト』(アルベール・カミュ 著/新潮社)
<コメント>
・流行病が恐怖される様がありありと描かれているため。(法学部・第1類(私法)/学部4年生)
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35.『リベラリズム失われた歴史と現在』(Helena Rosenblatt 著/青土社)
<コメント>
・感銘するリベラリズムがなんたらかを歴史から知れる(教養学部・文科二類/学部2年生)
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36.『盲目的な恋と友情』(辻村深月 著/新潮社)
<コメント>
・勉強するということについて、学歴や資格といったレベルではなく、生きること全体にとって意義があるのだということを、人間と言語との関係から説明している。そのうえで、勉強を二つの型に分け、「ガリ勉」になって俗世から離れてしまった後に、またそこに戻ってくるための「ガリ勉」からのズレ方についても論じている。人生を大きく生きるために勉強が役に立つのだということを力説している本だと思うから。(文学部・思想文化学科/学部4年生)
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37.『性格とはなんだったのか―心理学と日常概念』(渡邊 芳之著/新曜社)
<コメント>
・日常的に人の性格を判断しているが、そのおかしさが分かった。ひいては人の「心理」について記述する時の危うさが分かった。たとえば、「太郎は親切だから電車で席を譲った」というのはおかしい。これはトートロジーの罠に嵌っている。(文学部・人文学科心理学専修課程/学部4年生)
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38.『「面白い」のつくりかた』(佐々木 健一著/新潮社)
<コメント>
・「面白い」とはどういうことかについて、適切に言語化されている(文学部・言語文化学科/修士2年生)
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39.『蒼き狼』(井上 靖 著/新潮社)
<コメント>
・興味のあったモンゴルについて、物語を通じ知ることができたから。(教養学部・文科一類/学部1年生)
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40.『失われた時を求めて』(マルセル プルースト著/新潮社)
<コメント>
・物語の中での時間の展開の仕方が難しいが、頭の中に豊かな世界が広がり、読み応えがある。(文学部・言語文化学科/学部3年生)
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