『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』著者・小川 大介さんインタビュー|「見守る」力を養ってほしい
「のびのびと育てられているのに、頭のいい子」 が育つ、子育て法を紹介する『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA/2019.5.20刊行)の著者である小川 大介さんに本作の見どころや裏側を聞きました。
ーーご著書『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』刊行のきっかけを教えてください。
中学受験指導に関わって25年以上、さらに幼児期からの子育てアドバイスも合わせて5000組を超える親子(2018年当時)の子育てと学力育てをお手伝いする中で、私は日本の、特に都市部における子育てについて拭い難い不安を抱くようになりました。「今の親たちがよかれと思って子どもに与えている教育手法と考え方では、子どもたちが本来持つ力、才能が潰されてしまう」と。
加熱する一方の受験教育は過剰な早期教育熱を生み、5つも6つも習い事を併用した結果、週の休みが1日もないような幼児、小学校低学年の子どもたちすら現れる始末。一方で私が主宰していた個別指導塾では子どもたちそれぞれの特性を見抜き、本来の力を引き出す指導法によって学習成果を生み出すことに成功していました。与え、押し付けるのではなく、適切に「見守る」技術を編み出していたからです。
数多くの教育熱心な親御さんと向き合ってきた私は、親としての愛情も努力も知っていますから、「与えるばかりの教育」で子どもの才能の芽を摘んでしまっている親御さんたちも、正しい子育て知識をお渡しできれば、きっと立て直せることを知っていました。その思いをKADOKAWAの編集さんにお話したことで、本書が生み出されたのです。
ーー『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』でどのようなことを伝えたいのでしょうか。
教育熱心な親御さんが陥りがちな「与えすぎる子育て」の問題に気づき、子ども本来の力を見つけ、引き出し、伸ばしていく「見守る子育て」の魅力を届けたいと考えています。「見守る子育て」とは、放置放任の子育てとは全く違っていて、子どものありのままを見る努力、理解する努力の先にたどり着ける、子どもにとっても親にとっても幸せな子育ての姿であることが伝わってほしいと願っています。
ーー『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』で特に重視したポイントを教えてください。
我が子の力を大きく育て、自信を育み、自分の得意を活かして社会の中で活躍していくことを願うのであれば、教えること、鍛えることの前に、まずはお子さん本来の力を見つけ出すことに力を注いで欲しいということです。
ーー著者として今度どのようなことに挑戦していきたいと思いますか。
「見守る子育て」を日本の常識にしたいと考えています。そのために、子ども一人ひとりの本来の力を見つけ出す「目」を、日本全国に届けていくチャレンジをすでに始めています。
ーー読者の皆様に向けて一言お願いいたします。
子どもは社会の宝です。それ以前に、親にとって何にも代えがたい宝です。愛情をいくらでも注ぎ込みたくなるでしょう。その気持ちは大切にしながら、子ども自身を信じることも大切にしてください。「信じて待つ」、そのために親御さんには「見守る」力を養っていただきたいと思います。お子さんとの幸せな日々を重ねていってください!