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【著者インタビュー】一生使える“プロセス思考の伝道師”𡈽方雅之氏が著書『プロセス思考でビジネスが変わる』に込めた思いとは
『プロセス思考でビジネスが変わる』は、さまざまな作業や手続きを「プロセス」としてとらえることで、ムダやミスを減らすやり方を教える一冊です。 著者の𡈽方雅之氏は日本電気(NEC)時代、全社業務改革プロジェクトの中心人物として活躍。革新的な業務改革を実現した企業・人物を表彰する世界的な大会「プロセス・ワールド」で、アジア初の「ビジネスプロセスエクセレンス賞」に輝きました。 その𡈽方氏が業務を通じて磨き上げた「プロセス思考」を身につければ、仕事の効率をグッと高めたり、暮らしをより良くしたりできます。 このインタビューでは、𡈽方氏が本書にこめた思いや、アフター・コロナの時代にプロセス思考がどう役立つかについて聞きました。
目的の明確化、原因の明確化、施策の成功率アップがプロセス思考のメリット
――𡈽方さんはなぜ、著書『プロセス思考でビジネスが変わる』を書こうと考えたのですか。
一番の動機は、多くの日本人ビジネスパーソンが、「プロセス」という言葉をそれぞれ違う意味で使っていると痛感したからでした。
私は業務プロセス改善の専門家です。ですから、プロセスに注目して業務をとらえれば、業務の目的や失敗の原因などが明らかになって仕事が円滑に進むことをよく知っています。
また、欧米の企業では「process-thinking」という言葉が普段からよく使われていて、その大切さがしっかりと認識されています。ところが、多くの日本企業ではプロセス思考の重要性が浸透していませんし、プロセスとは何かということすら共有されていないこともあります。
このままでは、日本の会社や組織の生産性はなかなか高まりません。そこで、「プロセスとは何なのか」を皆が正しく理解できるような本があれば多くの方々のお役に立つのではと思い、この本を書き上げたのです。
――では、「プロセス」とはなにか簡単に教えていただけますか。
私はプロセスを、「入力から出力までの一連の手続きのこと」と定義しています。例えば生産現場の仕事なら、前工程から材料を受け取り、加工して、完成した部品を次の工程に渡すまで。そういった、誰もが仕事の中で行っている流れがプロセスです。
プロセスには必ず、「必要な資源」「目的や期待される品質」「得られる結果」の3要素があります。先ほど例に挙げた生産現場であれば、「どのような材料が必要なのか」「どんな品質が求められているのか」「加工の結果、どんな部品が得られたか」の3つですね。
これらのポイントを常に意識し、さらに手続きを順番に押さえることで、プロセスの中で改善すべき点が見えてきます。そして、明らかになった改善点を常に改善し続けようとする態度が「プロセス思考」なのです。
――プロセス思考を身につけると、どんなメリットがあるのでしょうか。
メリットは3つあります。
1つ目のメリットは「目的が明確になる」こと。誰が・いつまでに・どんなレベルまで成し遂げるかが明確になるので、仕事の進め方に迷いがなくなり、ムダも大幅に減らせます。また、その仕事が「誰を幸せにするために存在するのか」「誰の笑顔のためなのか」も明白になるため、仕事へのモチベーションも高まるでしょう。
2つ目のメリットは「原因を突き止められる」こと。仕事に取りかかる前に作業上の問題点をいち早く発見できたり、作業と作業の合間に潜む落とし穴に気づけたりします。何か問題が起きたら犯人捜しをするのではなく、プロセスのどこを改善すればいいのか考えられるようになります。
そして3つ目のメリットは、「実行できる」ことです。プロセス思考で一連の手続きを明確にしておけば、迷うことなく動けるようになり、目標達成の成功率が高まります。さらに、標準プロセスをマニュアルなどにまとめれば、属人性を排除して誰でも同じ仕事をこなせるようになるのです。
経営層や管理職はもちろん、若手ビジネスパーソンや主婦、学生にも役立つノウハウ
――刊行後、読者からの反応はいかがでしたか。
当初考えていた読者層は、40~50代の経営層・管理職というものでした。もちろん、そういった方々にも好評だったのですが、20~30代の若い世代からの反応が大きかったのが意外でした。今でも、SNSなどを通じて、「著書を買いましたよ」とか、「この部分を教えてほしいのですが」などのご連絡をいただいています。
プロセス思考は「ロジカルシンキング(論理思考)」などと同様に、ビジネスパーソンであれば誰でも身に着けておくべきスキルです。刊行から1年経った今でも著書が売れ続けているのは、プロセス思考が業務を進める上での基礎となる考え方だからだと思います。
しかし、一般の日本企業ではその重要性がなかなか認識されていないため、社内の研修などでも十分には学べていないのでしょう。そこで若手の皆様が、私の本を手に取って下さっているのではないでしょうか。
――なるほど、若い方々が読んでも役立つ本なのですね。
大企業だけではなく中小企業や少人数のチームでも大幅な業務改善ができるでしょうし、個人の仕事の進め方だって、プロセス思考を使えばずっと楽に、効率よく進められます。
仮に、成績が伸びずに悩んでいる営業職の方がいるとします。ここで一番いけないのは、全体の流れを漠然としたままでとらえてしまうことです。すると問題点がどこにあるのか気づけず、営業成績はいつまでたっても伸びないでしょう。
一方、営業の一連の流れを「市場調査→接触・連絡→ニーズ把握→提案・交渉→契約・購入→アフターサービス」といった細かいプロセスに分けて現状を測定したり問題の原因を分析したりすれば、課題がはっきりと見えてきます。
また、プロセス思考はビジネスのためだけにあるわけではありません。例えば、料理や洗濯のやり方を見直して家事を効率よく済ませられるようにしたり、ダイエットや禁酒、受験の成功率を高めたりすることだってできます。仕事から暮らしまで、幅広い分野で活用できるのです。
働き方改革など現代的課題の解決に貢献するためプロセス思考をさらに広めたい
――著書を刊行したことは、𡈽方さんにどんな影響を及ぼしましたか。
一番大きかったのは、「自分自身のブランド力」が高まったことです。
私は2019年にNECを退職し、株式会社カレントカラーを設立しました。大企業の看板がなくなった私は、ゼロから信頼を築いていかなければならなかったのです。
そんななか、著書の存在は大きかったですね。新たなお客さまと取引を行う際にも、私のメソッドや人となりを大体知っていただけたので、安心して取引をしていただけました。また、さまざまな業務改革プロジェクトを担当する際にも、最初から高い信頼関係を築きやすかったと感じています。
今後の日本では、私と同じように、企業を離れて一人で仕事をするビジネスパーソンが増えるはずです。そういう方々には、本を書いてセルフブランディングを行うことをぜひお勧めしたいですね。自分自身でも多くのことに気付けると思います。
――さてコロナ禍以降、時代は大きく変わりつつあります。こうした中、世の中のプロセス思考に対する評価は変わってきましたか。
プロセス思考そのものはどんな時代でも有効なのですが、その重要性はますます高まってきたと感じています。
新型コロナウイルスの感染拡大前から、「働き方改革」が話題になっていましたね。また感染拡大後は、テレワークやペーパーレス化などが急ピッチで進められています。実は、これらはすべてプロセス改善で解決すべき問題なのです。
例えばテレワーク環境下では、チーム全員が「離れていても心は一緒」という状態で仕事を進めることが求められます。このとき、新たな働き方=標準業務プロセスを確立して共有しなければ、一心同体のスローガンも絵に描いた餅で終わってしまいます。
また、労働力不足や労働環境の悪化などが続くなか、出産や育児、介護、病気の治療など生活面の事情を抱える従業員に活躍してもらうためにも、業務のプロセスを標準化して、さまざまな労働条件の人材が働けるようにする努力が必要です。
さらに、女性活躍、ダイバーシティ、DX(デジタルトランスフォーメーション)など、あらゆる改革活動分野でも、プロセスそのものを変えなければ、業務改善など進まないのです。
コロナ禍をきっかけに、日本の社会や組織ではさまざまな矛盾点が明らかになっています。これらを解決するため、さらに多くの人にプロセス思考を知っていただきたいですね。
――今後、𡈽方さんが目指していることはなんですか。
すでに述べたように、プロセス思考は社会人にとって基本的なスキルです。それにも関わらず、学校でも新入社員教育でもほとんど教わることがありません。
私が企業研修で教えるときも、受講生から「このような知識を体系立てて教わったことは今までになかった。プロジェクトや日常のマネジメントで上手くいかなかった原因が良く分かった。もっと早く知りたかった!」という声をたくさん耳にします。
「プロセス思考」という言葉を聞くと、理屈っぽくて難しそう、自分とは関係がなさそうというイメージを持たれるかもしれません。でも、そんな先入観はぜひ取り払ってください。プロセス思考とは、私たちにとってなじみやすい考え方ですし、身につけられれば、仕事から日常生活まで大いに役立ちます。私はこのメソッドを、小学生の頃から教えてもらいたいと思っているくらいです。
この本は、「今のままではいけない」「何かを変えていきたいが、どこから手を付けたら良いのか良く分からない」という方に、改めて基本となる考え方を学んでいただけます。皆様の今後の人生の支柱となる一生モノのスキルですので、ぜひ、本書をお手に取っていただければと思います。
「プロセス思考」公式サイト