「2024年本屋大賞」読書家100人大賞予想ランキング
全国の書店員が選んだ、いちばん売りたい本「本屋大賞」。2024年度は、2022年12月~2023年11月の間に刊行された日本の小説を対象に10作品がノミネートされ、2024年4月10日(水)に大賞が発表されます。そこで今回は、読書好きの皆さんに聞いた大賞予想をランキング形式で発表します。ぜひ皆さんもどの作品が大賞に選ばれるか予想しながら、結果をご覧ください。
第1位『星を編む』(凪良ゆう (著) / 講談社 )
<コメント>
・まず装丁の美しさ。透明感のある静かな世界でゆっくりどっぷりと読書に浸ることができそうな、そんな第一印象を受け思わず手に取ってしまう。そばにあるだけで気持ちの休まる装丁は、おすすめの理由から外せない。そして内容をざっくりとジャンル分けすれば『恋愛もの』ということになると思われるが、ただロマンチックなお話、では語れない。多様性や女性のキャリアについてなど、現実的な問題が出てくるが、無理に考えさせられるような説教じみた印象は全く無く、自ら考えたくなってしまうような、人生を広くまっさらに考えたくなる作品。続編ではあるものの、忙しく不安定な現代人の心に響く作品として、多くの人に触れてもらいたいと思う。(女性・30代)
・「汝、星のごとく」の前日譚と後日譚なので、前作と間をおかずに読めて良かったです。特に「星を編む」はタイトル通り編集者の話で(舟を編むもそうでした)、お仕事小説として熱くて良かったです。スピンオフの「波を渡る」は読みながらずっと泣いていました。北原先生と暁海がどれだけ人を大切に思うことができる人たちなのかと感動してしまいました。(女性・20代)
・凪良ゆうさんの作品は本をあまり読まない人でも読みやすく、物語の中に気づいたら入り込んでいる作品が多い。新しい愛の形を考えさせられる、読み終わったあとに言葉で表現するのが難しいが、ただただ優しい作品。また読み返してみようと思わせてくれる。(女性・30代)
・「汝、星のごとく」を読んでいる方なら、本屋大賞にノミネートされていることに必ず納得する作品です。(男性・30代)
・「汝、星のごとく」の続編にもなる本で、本屋大賞受賞作に続く本だから。話題性があるため。(女性・30代)
・人生において情熱を燃やすことの美しさを教えてくれる。(男性・50代)
・登場人物も等身大で共感しやすく、いろんな立場から物事を考える事ができる。(女性・40代)
・愛情の形、家族の形を丁寧に描いた作品で、切ない気持ちになったから。(女性・20代)
・凪良さんの小説は引き込まれ方が他の小説とは違う。自分がすっかり入り込んでしまう素晴らしい作品です。(女性・40代)
・人を愛する切なさと強さが繊細に描かれて読みごたえがあったから。(女性・40代)
・汝、星のごとくの続編で、深い言葉もあり考えさせられる作品です。前作ももう一度読み返したくなるおすすめです。(男性・30代)
・「汝、星のごとく」を読んだ人は読んで欲しい。いろいろ気になっていたことが理解できるし、未来が見えます。(女性・40代)
・「汝、星のごとく』の続編です。とても丁寧に『その後』を描かれています。(女性・50代)
・「汝、星のごとく」で語りきれなかった魂の言葉が横溢しています。(男性・60代)
・ずっと読み続けたい、浸っていたいと思える本だったから。(男性・30代)
・物語に引き込まれるからです。(女性・20代)
・主人公が思いを寄せる相手に気持ちを伝えるために恋文という方法を使うことに、今は携帯で簡単に伝えることもできる世の中なので、とても良いなと思いました。(女性・20代)
・二人の編集者のそれぞれの愛のカタチや人間の感情などが描かれていて読みごたえがあります。(女性・40代)
・他とは違う恋愛物語を読める。(女性・20代)
・もともと自分がこの作者の作品が好きだからです。(女性・40代)
ネット書店
第2位『黄色い家』(川上未映子 (著) / 中央公論新社 )
<コメント>
・お金がテーマの作品。世界観にのめりこんでしまう、心が掴まれる作品。最近の本屋大賞の雰囲気に合っている感じがする。(男性・20代)
・居場所のない若者、安易に手を染められる犯罪、現代社会を反映しつつ、全体像は綺麗にまとめられた読みやすいストーリーだから。(女性・40代)
・今まで色々な小説を読んできたのですが、全然展開が読めなくて、とても面白くて引き込まれました。(男性・20代)
・ストーリーが読めなくて次の展開が常に気になる構成だからです。(女性・20代)
・家族からの愛情をあまり受けずに育った主人公が、犯罪に手をだしてしまう恐ろしさに衝撃を受けました。黄色の物が物語のあちこちにでてくるのも印象的です。(女性・40代)
・お金、家、犯罪をしっかり描きながら、仲間との絆や居場所の大切さを描いている。(男性・50代)
・個人的に文体が淡々としつつも愛がある感じで好きだから。(女性・40代)
・予想ができない。サスペンスでスリルもありどんどん読み進められるから。(男性・20代)
・ハラハラする展開もありおもしろいから。(女性・20代)
・仲間との絆や居場所の大切さを描いた胸に迫る小説。(女性・40代)
・ 川上未映子さんを代表する新たな作品になると思うから。(女性・30代)
ネット書店
第3位『リカバリー・カバヒコ』(青山美智子 (著) / 光文社 )
<コメント>
・短編集ですが各ストーリーの登場人物が少しづつ関連性があるためとても読みやすい小説でした。リカバリーとの題名通り誰もが抱える悩みなどにそっとやさしく寄り添ってくれるようなこころ温まる物語です。私の心にもメッセージが伝わってきて、心地よく読める作品だったから、みなさんにおすすめしたいです。(女性・40代)
・すごく読み進めやすいストーリーで出てくる登場人物の誰かには、自分をあてはめやすいとおもう。(女性・30代)
・行き詰まった時に塞ぎがちなってしまうけれど顔を上げるきっかけとなる誰かに出会うことの大切さを学べたから。(女性・30代)
・青山さんの代名詞である優しくホッコリする連作短編ですが、特に最終話の「和彦の目」が良かったです。(男性・60代)
・古い公園にあるカバヒコと新築マンションの住人という対比や、それぞれに抱える悩みが描かれていて、悩んでいるのは自分だけではないこと、小さな悩みなどないことを教えてくれた一冊だったから。(女性・30代)
・表現が緻密でストーリーが良いから。(女性・20代)
・読んでいて優しい気持ちになれる作品だから。(女性・40代)
・青山先生の書く小説は心があったかくなるような作品が多く、本作品も前向きになれるから。(女性・20代)
・ストーリーが良いから。(男性・20代)
・なかなか読みどころがあったので。(男性・30代)
ネット書店
第3位『スピノザの診察室』(夏川草介 (著) / 水鈴社 )
<コメント>
・神様のカルテからのファンです。医療の描写がとてもリアルで、ストーリーにちゃんと重みがあります。(女性・40代)
・医療ならではの権力争いや派手な手術シーンはなく、主人公が医師としての信念が強いながら人としての優しさ溢れる心温まる内容で、泣ける場面が多くて最後の締めくくりが感動して読み終わってからも余韻を感じる作品のため。(男性・30代)
・最近年齢的に医療に関心があります。創作の医師像がこの小説には書かれていますが、医師には「こんな一面がきっとある」と誰かに伝えたいからです。(男性・50代)
・繊細な描写が心を打つ作品だと思った。知人の国語教師も授業の読み物として使用したいと言っていた。(女性・30代)
・主人公を取り巻く人間模様がとても魅力的な作品です。内科医である主人公が妹の子供である甥との生活の中で、新しい自分の人生を見つめ直す。同作では主人公が内科医として関わった人々の死なども描かれています。ひとりの人間の人生を凝縮した作品で、読むだけで疑似的に自分が主人公の人生を疑似体験している気分に浸れます。(女性・30代)
・医療物は人気なので大賞になれるんじゃないかと思ったからです。(女性・30代)
・題名に引かれたが、とても面白い。(男性・50代)
・時勢に合った内容。(男性・30代)
ネット書店
第5位『君が手にするはずだった黄金について』(小川哲 (著) / 新潮社 )
<コメント>
・たまたま見かけて気になったタイトルなので読みました。ちょっと哲学っぽい感じもあるんですが、短編集も相まってかとても読みやすいです。個人的に色々ぐるぐる考えながら読む本が好きなので、この小説にしました。(女性・40代)
・連続短編集ということもあり時間がまとまって取りにくい方も1話ごとに読めるところが特徴だと思います。話の内容は少し難しかったりするところもありますが読めば読み込むほど小川ワールドに引き込まれるので小説が苦手だという人にも是非おすすめしたい作品です。(男性・20代)
・著者のことかもと思わせる日常と嘘の融合が、自然と流れていく文章で書かれており、自然と嘘を許せてしまう濁味のない本です。(男性・60代)
・これは現実なのか否か分からないような短編小説集で、読めば読む程引き込まれます。(男性・30代)
・連作短篇集で読みやすく面白い。(男性・40代)
・作家の実体験を感じる。(女性・40代)
・どんどん続きが気になるような面白さなので。(男性・40代)
ネット書店
第5位『放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件』(知念実希人 (著) / ライツ社 )
<コメント>
・”児童書で史上初の本屋大賞ノミネート”ということで、気になって読んでみたが親子で楽しめる本だと思いました。子供が大きくなったら一緒に読んでミステリーの面白さを共有できそうだと感じました。(女性・30代)
・子供から大人まで読めるのがとても良いです、探偵ものなので非常に良かったです。(男性・40代)
・知念作品にハズレなし!これまで読んだ作品で「読むんじゃなかった」と思ったものは一つもありません。もちろん今作もです。(女性・40代)
・この作者のミステリーは最後まですごく気になる感じが好き(後引く感じ)。結構考えさせられたりクスッとさせられたりで最後がやはり気になる。ここ数年ハマっている作家さんです。(女性・50代)
・この作者の方が書く作品はどれも面白く、今回も期待を裏切らないないようだったので。(女性・30代)
・子どもから大人まで幅広い世代が楽しめる作品で、考えるのが楽しくなるようなストーリーに引き込まれるから。(女性・30代)
・読み進めていく中でのワクワク感と緊張感がとても面白かったので。(女性・30代)
・タイトルだけでも聞いた事がある人が多いのではないか。私の経験上、そういう物は手当り次第読んでも構わないくらい面白いものだった。(女性・20代)
・医療サスペンス小説で面白い発想。(男性・30代)
ネット書店
第5位『レーエンデ国物語』(多崎礼 (著) / 講談社 )
<コメント>
・大人が楽しめる王道ファンタジー。年を重ねてからは平和でのほほんとした本を好むようになっていましたが、ファンタジーのハラハラドキドキ感を思い出させてくれたこの本に感謝です。(女性・30代)
・書店員が選ぶというコンセプトなので書店員のメインである20代から40代女性に、タイトルや著者の背景、そしてファンタジーという内容が響くと思われます。また、装丁やタイトルが美しく、文章も幻想的で宝石の様な本だと思います。(男性・30代)
・異世界ながらも歴史系としても読めるファンタジー小説が面白い(女性・40代)
・ひとつの作品としてでも続きものとしても楽しめ、年齢問わずよい読書体験ができそうだから。(女性・30代)
・世界観がしっかりしており引き込まれる(男性・40代)
・世界観の作り込まれたファンタジー小説であるため。(女性・20代)
ネット書店
第8位『存在のすべてを』(塩田武士 (著) / 朝日新聞出版 )
<コメント>
・序章は情報量が多かったが、本編からすいすい読めるミステリとなっている。ノミネート作品の中では一番万人受けしそう。(男性・30代)
・是非とも存在を否定されていると思っている全世代の被害者に読んでもらいたい。(男性・30代)
・クチコミが良いものばかりだったために、ハードルが随分と上がった状態で読むことになったが、読了感がとても好ましく、評価の高さにも納得が得られたため。(女性・10代以下)
・本屋大賞は書店員さんの投票ということだが、その先に映像化が見え隠れしていると思う。本年の候補から、映像化と言う点で選んでみた。ミステリーとしても年月をかけている、そこに執念を感じると話は一気に盛り上がるが、序盤から止まっていた時間が動き始めた時から苦しさ切なさが相成って、読ませる趣向が凄かった。人間味が溢れる記者と夫婦のやり取りがよかった。(女性・40代)
・著者の他の作品を読んだことがあり、気になる作家だった。正直この作品はまだ読んでいないが、期待を込めて受賞すると予想します。(男性・40代)
ネット書店
第9位『成瀬は天下を取りにいく』(宮島未奈 (著) / 新潮社 )
<コメント>
・主人公の少女、成瀬あかりの圧倒的バイタリティと、その存在感に惹かれどんどんと彼女に魅了されていき、あっという間に読み終えてしまう。傑作青春小説だと思います。(男性・20代)
・とにかく成瀬のキャラクターが面白い。漫才を一緒にする親友や、成瀬を取り巻く人たちの温かさも心に沁みる。(女性・60代)
・主人公の成瀬あかりがわが道を突き進んでいく姿が痛快でスカッとする。(男性・50代)
・今の時代の出来事をうまく絡めながら表現していると思うからです。(男性・20代)
ネット書店
第9位『水車小屋のネネ』(津村記久子 (著) / 毎日新聞出版 )
<コメント>
・ヨウムのネネに心がわしづかみになりました。児童書かと思っていたらもっと人間的な物語で、読み終わるのが惜しくなった本の一冊です。とにかく読んで。(女性・50代)
・この作品の登場人物たちのように、ヨウムのネネに癒されながら、日常で困ったことが起きても、周りの人にも自分自身にも、いつも温かく丁寧に生きるのは清々しいなあと、ほっこりした気持ちになれました。(女性・50代)
・津村さんの作品は人間模様が多い印象ですが今回はその周りの景色などの描写が柔らかく描かれている感じがして、読む人を引き込んでいく魅力ある内容に感じたから。(女性・40代)
・ページ数の多い長編作だが、読みやすく、誰の心にも刺さるような心の温まる作品だから。(女性・20代)