廃業寸前の会社を打ち出の小槌に変えるオーナー社長の最強引退術

宮部 康弘[著]

2021.12.21

1760円(税込)

幻冬舎

単行本

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書籍内容

赤字、零細企業でも後継者は必ず見つかる!
経営権を譲渡し、財産権を残す“新しい事業承継の形”
後継者候補探しから承継のスキームまでを徹底解説

後継者不在で、廃業してしまう会社が日本にはたくさんあります。
引退を考える際、廃業は最後の選択肢としておいておき、
まずは承継の道を探ってみてください。
会社を継ぎたいと思っている後継者候補はきっといます。
赤字でも零細でも、その事業に魅力を感じる人はいるのです。

日本政策金融公庫総合研究所が2020年に実施した調査によると、
廃業を予定している60歳以上の中小企業経営者(1万3,193件)のうち、
およそ7割もの企業が「業績不振が理由ではない」と答えています。
引き継がれるべき中小企業も廃業に追い込まれてしまう背景には、
後継者不足が関係しています。
事業承継は「親族内承継」「社内承継」「M&A」が主流です。
しかし、少子化の影響で会社を引き継ぐ子や孫がいない、
社内承継をしたいが承継者が多額の株式を買い取ることが難しい、
など一筋縄ではいきません。結果、廃業を選択する中小企業が少なくありません。
そこで著者が提案するのは、
株式をほとんど買わずに経営権だけを継承する新しい事業承継です。
本書では、一介の保険営業マンであった著者が、
営業先の企業を継いでほしいと頼まれたことから生み出した
新しい事業承継の形について自身の経験を交えて解説します。

目次

はじめに

第1章 私が他人の赤字会社を継いだ理由
人生を変えた運命のメール
亡き父への想いが交錯
「経営者になりたい」の夢が突然叶う
初仕事はトイレ掃除とお茶汲み
辛かった午前6時3分
「見えない爆弾」が次々見つかる
社員の力を借りて臨んだ賃料交渉
徹底的なテコ入れで黒字回復
事業承継したことに後悔はなし
「高齢オーナー」と「後継者になりたい人」を繋ぐ

第2章 廃業は悪手
オーナーも従業員も社会も誰も幸せにならない
中小企業の半数は後継者がいない
中小企業の廃業で26兆円のGDPが失われる
事業承継を阻む3つのハードル
自社で後継者を育てる難しさ
資質があっても後継者になれない
引退を先延ばしにするオーナー社長
「生涯現役」は危険な合言葉
地方のほうが事業承継のハードルは高い
言わなくても分かるだろうは失敗の第一歩
廃業はデメリットだらけ
廃業費用が1000万円超のケースも
廃業は社長だけの問題ではない
廃業したオーナーの3割は「誰にも相談していない」
廃業の説明は神経を消耗する
企業の平均寿命は約23年
事業承継は蘇りのチャンス
資産超過で廃業しても手元に残るお金は有限
廃業するより承継を!
オーナーが考えるより大きい会社の存在意義

第3章 財産権を手元に残して老後は安泰
経営だけを第三者に承継する「最強の引退術」
事業承継の主流は親族内承継、社内承継、M&A
親族内承継から第三者承継へのシフト
従来のデメリットを克服する「第4の事業承継」
社外から優秀な後継者を招き入れる
後継者側にもメリットがある
種類株を用いた第4の事業承継のスキーム
株式の比率はアレンジ可能
連帯保証は議決権とセット
赤字会社の承継は会社分割
オーナー社長だけが受け取れる「自分年金」
子や孫を株主にすれば相続対策も可能
難しくない第4の事業承継の手続き
承継は「人(経営)」「資産」「知的資産」
従業員との関係はスキームだけでは不可能

第4章 マッチングから経営の引き継ぎまで
引退に向けて経営者がすべき25のこと
第4の事業承継の3つのハードル
後継者探し・後継者選び編
1社外で後継者を探す
2オーナーは理念や熱意をどんどん語る
3「引き継ぐべきもの」を整理する
4分散株式は回収するのがマナー
5自社のコアコンピタンス明確化
6後継者候補の資質を見抜く
オーナーと後継者の意思統一編
7事業承継の主役は後継者と心得る
8この瞬間から社長の代わりができる人材を探す
9自社に合わせた後継者を育成する
10後継者のやり方を否定しない
11議決権株式の譲渡は半年~1年後とみる
12橋渡し役を採用し、意見の衝突を回避
13「恕」を大事にする
14後継者は家族同然 感謝と愛情で接する
従業員など関係者との関係作り編
15オーナーのお墨付きを宣言する
16進むべき方向を従業員に伝える
17後継者に「錦の御旗」を預ける
18人をやる気にさせて動かす
19幅広い関係者からの支援体制を作る
20軌道に乗るまで助けに入る
オーナーの気持ちの整理編
㉑「会社の未来」を描く
㉒引退後の資金計画を立てる
㉓人生を24時間軸で捉えてみる
㉔人生の宿題を片付ける
㉕引退後にワクワクできるビジョンを持つ

第5章 会社をつぶさず、後世に残すことが
経営者としての最後の務め
事業承継は経営者の最後のテスト
日本は世界1位の100年企業保有国
「自分の代で終わり」は万策尽きたとき
新規事業でオーナーの共感が得られない壁
オーナーたちに第4の事業承継の存在を知ってほしい
熱意ある者が最強の後継者
事業承継は高速道路で運転を代わること
マッチング後のリーダーシップ移行が最大の落とし穴
目指す事業承継の成功を明確化する
事業承継を通して幸せの連鎖を作る

おわりに

著者:宮部 康弘

株式会社南星代表取締役社長
九州東海大学機械工学科卒業後、住宅会社を経て保険業へ転職、
現在はソニックジャパンに勤務。
営業一筋25年。保険営業時代、2017年12月26日に当時保険のお客さまであった社長から
「会社を継いでほしい」とメールがあり人生が一変する。
後継者を求めている企業と後継者になりたい人たちの懸け橋を創る新規事業
“LEADERS プロジェクト"を立ち上げる。
2018年11月、株式会社南星の代表取締役に就任。

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