事例で学ぶPEファンドを活用した中小企業のM&A

株式会社日本M&Aセンターファンド部[著]

2021.12.21

1760円(税込)

幻冬舎

単行本

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書籍内容

かつてない「PEファンド活用」の時代が到来!
5社の成功事例を素材に
PEファンドを活用したM&Aを徹底解説

M&Aにおいて、譲渡先の候補になるのは事業会社だけではありません。
「PEファンド」への譲渡もまた、有力な選択肢であり、
事業会社とのM&Aとは違ったメリットが数多くあるのです。
PEファンドの活用という経営戦略の選択肢を知らないまま
M&Aを実施してしまうのは、非常にもったいないことだといわざるを得ません。
(「はじめに」より抜粋)

近年、中堅・中小企業にとって、PEファンドを活用できるチャンスが、
どんどん広がってきています。
PEファンドとは、非上場企業の株式に投資をするファンドです。
投資をした譲渡企業へさまざまな経営資源(人材やノウハウ、資金など)を投じて、
経営をサポートしながら企業価値を上げることを目指します。
そして企業を成長させ、最終的には株式を上場させたり、
より良い相手へM&Aを実施したりしていくことが役割です。
PEファンドはオーナー経営者自身のみならず、従業員、取引先など、
すべての利害関係者に益する存在だといえます。
しかし、わが国ではまだこのPEファンドの本質や、メリットへの理解が
広く浸透しているとはいえません。
本書ではPEファンドの仕組みや特徴、
中堅・中小企業のPEファンド活用方法について、
さまざまな事例を用いながら分かりやすく解説します。

目次

はじめに

序章 PEファンド活用の5大メリットを一挙に解説
メリット1 既存の組織や人材をサポートし、成長させてくれる
メリット2 後継経営者、経営人材を外部から招聘できる
メリット3 会社を成長・発展させることができる
メリット4 将来のIPOの可能性を高めることができる
メリット5 経営の独立を尊重できる

【第I部 事例編】
第1章 PEファンドのサポートで社内改革を実行
一族経営が続く企業で社員から後継者を選び事業承継をした事例
M&Aの概要
はじめに
路面保護用ゴムパッドのパイオニア企業に起きた事業承継問題
カリスマ経営の光と影
事業会社とのM&A交渉破談から、PEファンドへ
「PEファンドなら会社をレベルアップさせてくれるかもしれない」という期待
PEファンドから見たアートジャパンの魅力
経営情報開示や人事透明化などの社内改革を実施
社内改革が、人材採用や新製品開発、販売にも好影響をもたらす
ロールアップ(追加M&A)戦略、さらにはIPOを視野に入れて飛躍を目指す

≪解説≫
そもそも「ファンド」とは?
なぜファンドが存在するのか
投資ファンドの仕組みとPEファンド
PEファンド以外にも、非上場企業に投資するファンドはある
PEファンドのビジネスモデルは「伸びる会社を探して」「育てる」「譲る」
PEファンド事業の流れ1 ファンドを組成する
PEファンド事業の流れ2 投資対象となる企業の探索
PEファンド事業の流れ3 マッチングを実現して、Ⅿ&Aを実施する
PEファンド事業の流れ4 バリューアップ
PEファンド事業の流れ5 イグジット

第2章 PEファンドへの株式譲渡により創業者利益を確定し
上場企業のグループ入りを実現させた事例
M&Aの概要
はじめに
商社から独立起業。スマホ普及の波に乗り成長を遂げる
たまたま参加したセミナーで会社の価値を知る
M&Aを決意するも、事業会社には希望とマッチする譲受け先が見つからない
PEファンドとのM&Aのメリットを知り、実行を決意
創業者利益の確定に加えて、債務保証がなくなるメリットも
当初目指していた上場企業グループ入りが実現

≪解説≫
非上場会社の株価は、どうやって算定されるのか?
一般的に用いられるバリュエーション方法は3種類
PEファンドのバリュエーション手法の主流、「EV/EBITDA倍率法」とは
バリュエーションをベースにして価格を決める
譲渡価額の大まかな目安を知りたいなら「EBITDAの3~6倍」と考える
PEファンドと事業会社の、譲渡価額に対する考え方の違い

第3章 PEファンドが主導となって社長を招聘し事業承継をした事例
M&Aの概要
はじめに
PEファンドによる後継社長選び
新社長とPEファンドによる社内改革
同業他社もM&Aによる事業承継に注目

≪解説≫
PEファンドへ譲渡する最大のメリットは「ハンズオン」による持続的な成長
ハンズオン施策 後継経営者をはじめ、最適人材を補充する

第4章 IPOを目指す経営者がPEファンドをパートナーとして
社内体制強化・追加M&Aを実行した事例
M&Aの概要
はじめに
リーマン・ショック直前に起業。創業11年で売上高100億円まで急成長
一度はIPOを目指すが、リソース不足により中断
PEファンドに経営参加を求めた2つの理由
以前は採用できなかった優れた経営人材が参加
早々にロールアップ戦略も実施開始。半年の間に、2社1事業がグループ入り
まず採用、次に営業へと、業務オペレーション改革も継続的に取り組む
オーナーが株式の一部を保有しておくことのメリット
日本一の技術者派遣会社に向けて

≪解説≫
IPO支援のためにPEファンドを活用する経営者は増えている
ハンズオン施策 経営戦略の策定、見直しや経営計画の策定
ハンズオン施策 組織構造の見直しや適正化
ハンズオン施策 業務管理や非効率なオペレーションの見直し
ハンズオン施策 仕入れ先、販売先の紹介、拡張や海外市場展開など
M&Aの譲受け企業となる場合=ロールアップ(追加M&A)戦略にも
PEファンドは活用できる

第5章 経営危機の老舗企業がPEファンドの出資で再生しイグジットした事例
M&Aの概要
はじめに
「KYOSHO」の名で世界に知られる老舗ラジコンメーカー
リーマン・ショック後の売上低迷から債務超過、そしてPEファンドによる支援
まず貸借対照表のスリム化から着手
驚くほど業界についてよく知っている
2期目から早くも黒字回復。そして、イグジットへ
小売店舗チェーンを展開するエーツーと、メーカー京商との提携
PEファンドだからこそスムーズに進んだⅯ&A
自ら変わっていくためにエーツーとの提携を歓迎

≪解説≫
ハンズオン施策 資金繰りや金融機関対応、資本戦略などの財務改善
経営陣が望まないイグジットが無理強いされることはない
PEファンドのメリット

【第II部 知識編】
第6章 大企業から中堅・中小企業へ拡がるPEファンド活用のチャンス
かつてない「PEファンド活用チャンス」の時代
常に出資の窓口を開いてくれている存在がPEファンド
PEファンドに潤沢な投資資金が集まっている
PEファンドは積極的な投資姿勢を強めている
なぜ日本企業が注目されているのか
国も、中小企業のPEファンド活用を支援
PEファンドの種類
国内系PEファンドは、中小企業を対象とするファンドもたくさんある

第7章 最高のPEファンドと出会うために欠かせない仲介会社を知る
M&A仲介会社でもっとも大切なのは担当者
PEファンドとのM&Aに適した仲介会社の選び方

付録 PEファンドに関するよくある質問と回答

おわりに

著者:株式会社日本M&Aセンターファンド部

日本M&Aセンターは1991年設立のM&A仲介専業会社。
東証1部上場企業、社員数698名ながら、時価総額約1.2兆円を誇る。
ファンド部はダイレクト事業部の中核部署として、
国内のPEファンド約70社をカバレッジする唯一の専門部署。
部長の能登がPEファンドのポテンシャルを考え、2014年に起ち上げ、
ファンドへの投資事例から、投資会社のロールアップ、イグジット提案まで
幅広いサポートを行う。
メンバーは金融機関や事業会社でトップレベルの成績を上げた19名で構成。

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