DXによる事業変革とは?成功異形から学ぶ、これからの時代を生き残る戦略
DXといえばまず社内環境のデジタル化が思い浮かびます。
しかしDXの最大のメリットは社員のデジタルリテラシーを高めて、事業そのものを時代に合わせて変革できるところにあると考えます。
DXによる事業変革とはどのようなものか、プロパティエージェントの実例を交えて解説します。
ビジョナリー・カンパニーを目指して
ビジネス書のロングセラー・シリーズに『ビジョナリー・カンパニー』があります。
ビジョナリー・カンパニーとは、長年繫栄し続けて社会になくてはならない存在となった企業のことです。書籍では、例としてソニーやIBMやP&Gがとりあげられていました。
このビジョナリー・カンパニーには意外な共通点があります。それは創業から現在までの間に主力製品が時代に合わせて変化し続けていることです。
たとえば、ソニーは戦後すぐの1946年に創業し、当初はNHKなどの放送設備の修理をしていましたが、そのNHKで見かけたテープレコーダーに着目して自社開発を決意。1950年に新発売したテープレコーダーG型から、皆さんがよく知っているオーディオのソニーが始まります。続いて1955年の日本初のトランジスタラジオの開発を経て、世界的大ヒット商品ウォークマンの原型となる世界最小・最軽量のカセットテープレコーダーが1968年に発売されます。
その後もビデオカメラやデジタルカメラなどオーディオヴィジュアル系のヒットが続きましたが、現在のメインはプレイステーションに代表されるゲームと、音楽や映画などのコンテンツ、そして銀行や生命保険などの金融になりました。
ひとつのことをずっとやり続けるのは職人的で美しいかもしれませんが、どのような商品・サービスにも寿命があるので、一本足打法では企業を永続させることができません。
変化の激しい現代にあっては、時代の変化を読んで事業や職場環境を絶えずアップデートしていく必要があります。
私たちの企業理念には「社会を進化させ、人の未来を育み最高の喜びを創出する」とあります。お客様に最高の喜びを提供できるのであれば、商品やサービスは変わってもかまわないのです。
私はプロパティエージェントを永続するビジョナリー・カンパニーにしたいと思っています。だから不動産にこだわらず、時代の変化に対して常に先手を打つかたちで成長を続けていきたいし、そのためにはDXに象徴されるイノベーションが欠かせないのです。
DXでビジネスが変わる
私見ではDXの定義の幅はとても広く、いわゆるITといわれるものはもちろん、それ以外のテクノロジーまでも含むと感じています。
その根幹にあるのはデータです。
たとえば私たちが行っている不動産クラウドファンティングでは、1万円から投資ができるので、一つの不動産に対して何千人もの投資家が存在しています。この事務処理をすべて手作業で行うとコストがかかりすぎて実現が難しいのですが、DXによってリーズナブルなコストで実現できるようになります。
貴社のビジネスにDXをかけあわせることでどのような変化が起きるかを想像してみてください。きっと将来像が広がって見えてくると思います。
たとえば顔認証IDも、もともとはロックを外すためのものだったのですが、顔認証を使う様々な場面がクラウドで繋がれば、一つの顔IDでバスや電車にも乗れるし、買い物にも使えるようになります。そのように情報とモノをDXによってスマートにつなげれば、 社会の利便性が高まっていきます。
自らのビジネスをDXでどのように変革できるかを考えてみてください。
DXについて話し合えるプラットフォームを
ポジティブな言い方をすると、DXを本気で推進していくと、必ずビジネスや働き方のイノベーションが起きます。お客様も従業員も喜んで、会社が成長します。
ネガティブに言うと、DXに取り組まない会社は時代に取り残される可能性があります。一つ例を挙げれば、若く、優秀な人が入ってこなくなります。もうしばらく経つと、DXがどれくらい進んでいるかで就職先を決める学生も出てくることでしょう。
いずれにせよ、やらない理由はありません。
私たちは4年間かけてDXに取り組んできて、いろいろな落とし穴にはまってきました。みなさんが同じ穴にはまらないように、伝えられることを書籍『DX 戦記 ゼロから挑んだデジタル経営改革ストーリー』に書きました。
もちろん、DXは現在進行形でアップデートされていきますから、今後もさまざまな罠が待ち受けているかもしれません。
今後に必要なのは、DXに取り組む企業同士が、業界を超えて情報交換できるプラットフォームです。
「我々の会社はいまこういう状況なのだけど、どうしたらいい?」、「チームを作ってこうやったらうまくいったよ」などと情報共有できる場をいつかつくってみたいと考えています。
もし本を読んで、DXについて情報交換や議論をしてみたいということであればお声かけください。一緒にスマートな未来を創造していきましょう。