富裕層のためのオルタナティブ投資の教科書

書籍内容
「貯蓄から投資へ」というスローガンが叫ばれて久しいですが「iDeCo(イデコ)」や「NISA」を始める人も増え、投資への流れがようやく出始めた感があります。
しかし、パンデミックの際の相場の荒い値動きを目の当たりにして、不安を感じた方も少なくないでしょう。
資産を運用する際の主な運用手段とされる株式と債券は、原則として逆相関性を持つといわれています。そのため、資産運用のポートフォリオに両方をバランスよく入れておくことで、市場が多少混乱しても相対的に安定した結果につながるとされてきました。
しかし、この25年間に訪れた金融危機に際して、株式と債券の動きはむしろ相関性を持ち、両者ともに価格が下がってしまうことが多くありました。
こうしたことから、伝統的資産(株式や債券等)だけで組まれたポートフォリオについては分散効果が機能せず、それらの価格下落が続く局面では、じっと耐えるだけしか戦略がないという状況に陥りました。
そのため、機関投資家や富裕層投資家は、伝統的な資産ではない「代替(=オルタナティブ)資産」を運用するオルタナティブ投資に注目するようになってきています。
オルタナティブ投資とは、ざっくりいえば伝統的資産には投資しない投資戦略です。
加えてリターンの特性が、伝統的な投資に対して相関が低いか、あるいは相関がないに等しい傾向を持ちます。こうした特徴から、資産運用ポートフォリオのリスクを分散するために有効であると考えられ、利用されることが増えています。
本書では「オルタナティブ投資とは何か?」から始まり、基本から応用、理解から実践までをカバーします。「投資を始めて間もない」という人でも、この1冊で「オルタナティブ投資」の知識を身につけ、初めの一歩を踏み出せるよう、基本から立ち返って解説しています。読み終わったら誰でもすぐ実践できるよう、具体例も入れ込みました。
読者の皆さんの資産運用がより実り多いものになるよう、本書を活用していただけると幸いです。
目次
第1章 投資の基本
第2章 なぜ今、オルタナティブ投資なのか
第3章 オルタナティブ投資は何が違うのか
第4章 ヘッジファンド投資
第5章 オルタナティブ投資の詳細
第6章 ベンチャーキャピタル・プライベートエクイティ戦略