伝統を守り伝統を変える 時を超える呉服屋

奥山 功[著]

2024.09.19

990円(税込)

幻冬舎

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書籍内容

斜陽産業再興のヒントは伝統の継承と革新にあり!

地域で愛され続ける着物販売店の勝ち残り戦略
着物文化を守る古き良き接客と大胆な販路開拓とは


技術革新が激しく人々の生活様式が変化しつづける現代において繁栄する産業がある一方、衰退する産業もあります。日本古来の文化を扱う伝統産業にとって、日本人のライフスタイルが欧米化し人口も減少している現状は逆風そのものです。
本書の著者が担う着物販売業もこうした衰退産業の一つですが、著者は「あえて伝統にこだわる部分」と「大胆に伝統を変える部分」の見極めが生き残りの秘訣だといいます。

著者は52年前にタイヤメーカーの営業職から着物販売業に参入し、現在は香川県に6店舗を展開する地域一番店の代表取締役を務めるほか、日本きもの連盟理事として活動しています。友人とともに着物販売店の経営を始めた著者は「地域一番店」になることを目標に、真夏に成人式用の振袖の販売会を開催するなど斬新な販売方法を取り入れることで業績を伸ばしてきました。
このように着物業界の常識を打ち破る販売戦略を展開する一方で、伝統的な対面接客はあえて守り続けています。着物に関する豊富な知識と経験をもつ販売員が着物の魅力を伝え、お客様ごとのニーズを汲んだ提案をするという伝統あるおもてなしの接客がお客様との信頼関係構築に不可欠であるためです。また、古参社員を重用し若手を学ばせる「修業生制度」によって後継者を育て店の伝統と信用を後代に引き継ぐ取り組みもしています。

本書では、着物業界を背負ってきた著者の経営戦略と実体験を紹介し、衰退産業だからこそ生かせる強みとは何かを提言します。
着物業界に限らず、あらゆる衰退産業に携わり、伝統と改革のバランスに悩む経営者にとってこれからの時代を生き残るために有益な一冊です。

著者:奥山 功

奥山 功(おくやま いさお)
1944年旧満州(現・中国東北部)生まれ。両親の故郷である山形県や、東京都、静岡県で暮らしたのち、中学時代に香川県高松市へ。高松一高を経て、日本大学法学部を卒業。1972年、28歳で着物の世界に飛び込み、若い感性で和装の普及と発展に注力。1984年、40歳で株式会社桂を設立。高松市と同県丸亀市で「きものサロン桂」3店、フォトスタジオ3店の6店舗展開。着物業界自体は斜陽産業ながら、〝地域密着〞〝地域一番店〞を目指す独自の経営戦略や、四国で初めてきものリサイクル店と着物フォトスタジオを展開するなどのアイデアで順調に売上を伸ばしてきた。2024年、息子に事業継承を予定している。一般社団法人日本きもの連盟会長理事。NPO法人楽しく着物を着る推進委員会代表。一般社団法人全日本きもの振興会副会長、日本きものシステム協同組合顧問。

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