産科医療過誤 救済を求める家族
書籍内容
“万が一”が起きてしまったとき、家族はどうすればいいのか?
医師と弁護士、両方の資格を持つ著者が
豊富な事例を元に徹底解説!
出産は、新たな命が生まれる素晴らしい瞬間であり、家族は母子の無事を願いながらその瞬間を心待ちにしています。しかし、世界トップクラスの周産期医療を誇る日本でも、すべての出産が安産で終わるわけではありません。時には母子の命が失われたり、子どもに障害が残ったりすることもあり、その中には医療機関のミス、「医療過誤」が疑われるケースがあります。
医療過誤を疑う患者や遺族の中には、弁護士に依頼して医療機関側に損害賠償請求を行う人たちも少なくありません。しかし著者は、医療過誤が認定されない場合や、認定されても望みどおりの結果を得られず、少額の賠償金しか支払われないケースも多く、賠償責任が認められるか否かについては、医療行為とその結果との因果関係が非常に重要なポイントになると述べています。また、この因果関係を立証するためには、医学・法律、両方の専門知識を駆使し、医療記録や診療過程の詳細な分析、協力医による意見書などの証拠や資料作りが不可欠になるほか、タイミングを見極めた証拠の提出など交渉術が裁判の行方を左右するといいます。
本書では、日本で初めて医療過誤に特化したチームを立ち上げた弁護士事務所に所属し、医師と弁護士、両方の資格を持つ著者が、実際の判例をまじえながら医療過誤に備えて家族が持っておくべき知識、万が一事故が起きた場合の解決方法を詳しく解説しています。
医療過誤で苦しむ患者や家族はもちろん、これから出産を控えている人にとっても予備知識として役立つ一冊となっています。