超高齢社会を支える 「ブロックチェーン型」地域包括ケア

阿部 行宏[著]

2024.07.02

990円(税込)

幻冬舎

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書籍内容

医療・介護の垣根を越えて

従来の枠組みを越えた、新たな地域包括ケアの形とは


超高齢社会を迎え、医療・介護の連携の重要性が増すなか、
地域包括ケアシステムが国をあげて推進されるようになりました。
しかし、多くの地域では各施設の連携体制が整っておらず、情報共有の場が不足しているため、
最適なサービス提供ができていないことが課題となっています。

新潟市内で祖父の代から続く診療所を営む著者も、地域住民の訪問診療を行うなかで、
最期まで自宅で過ごしたい、できる限り手厚いサポートを受けられるよう施設に入りたいなど、患者のさまざまな要望を聞く中で、
より良いサービスを提供するためには多職種の連携が重要だと考えるようになったといいます。
そして、2013年に「山の下地域包括ケアネット(以降、山の下ねっと)」を立ち上げました。

この「山の下ねっと」では、従来の医師・病院主導型の地域包括ケアシステムとは異なり、
いわゆる「ブロックチェーン型」の組織構造を採用しています。
この仕組みの大きな特徴は特定の人物や組織に情報を集中させず、
医師や介護施設、ケアマネジャーなど参加者全員が平等に意見を述べられる関係性を構築している点です。
互いを信頼し合い、立場や競合の垣根を取り払うことで、真に利用者の生活を支えるためのネットワークとして機能するのです。

本書では、「山の下ねっと」の構築経緯や課題、展望を通して地域包括ケアシステムの新しいあり方を提言しています。
また、定期的なグループワークによる課題共有や連携強化、情報共有ツールの活用など、
効果的な運用方法についても詳しく解説しています。
深刻さを増す超高齢社会において、
立場や利害を超えたより良い多職種連携のあり方を考えるきっかけとなる一冊となっています。

著者:阿部 行宏

1974年生まれ。1999年に昭和大学医学部を卒業後、消化器内科医として病院勤務。2010年に阿部胃腸科内科医院を継承。2021年4月1日より医院を移転し山の下クリニックと改名。在宅患者により良い医療が提供されるためには、生活を支えるための介護・福祉職との連携が不可欠と感じ、2013年に介護・福祉職と顔の見える関係のネットワーク「山の下地域包括ケアネット 通称:山の下ねっと」を構築し代表を務める。また、2015年より摂食嚥下障害・栄養に関する取り組みにおいても多職種で対応できるよう新潟東区摂食嚥下サポートメンバー「新潟エッセン」の会長に就き、介護・福祉職とともに新潟の在宅医療の推進を実践している。

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