空飛ぶ自動車学校 三代目社長の理念と革新の経営

祖川 嗣朗[著]

2024.08.02

1760円(税込)

幻冬舎

単行本

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書籍内容

伝統を礎に、未来へと飛躍する

経営基盤を活かした既存事業のアップデートで
斜陽産業から飛び立つ、三代目経営者の挑戦とは


IT技術の進歩や生成AIの登場など社会環境の急速な変化のなかで、時代のニーズに応えたビジネスが次々と生まれる一方、旧態依然とした業界や中小企業は経営的に厳しい状況におかれています。本書の著者も、少子化や若者の車離れの影響で年々市場が縮小している自動車学校の経営者です。

徳島市で60年以上続く自動車学校の三代目である著者は、2012年の入社当初から年々減っていく生徒数を目の当たりにし常に倒産の危機感を抱いていたといいます。今後さらに厳しくなるであろう経営環境の中で生き残るためには、創業者である祖父と二代目の母が確立してくれた経営基盤や企業理念は大切にしつつ不要なものは作り変えるしかない――。そう考えた著者は、社長就任を機に数々の改革を実行していきます。

著者は県内初のドローン教習所の開設、広報用の映像制作を手掛ける新会社を設立するなど、業種にとらわれず多角化経営へと会社をシフトさせ、新たな収益の柱を次々と創出してきました。近年は県内の人口減少を見越しての免許合宿事業による市場の拡大や、M&Aでの事業拡大も視野に入れるなど現在進行形での改革に取り組んでいます。しかし、こういった新たな取り組みの一方で、二代目の母が策定した「卒業したら終わりではなくいつでも帰ってこられる“母校”のような自動車学校にしたい」という理念を職員に浸透させるなど、人と人との心のつながりを大切にした経営にも注力してきました。その結果、社長就任以降業績は伸び続けており、2015年からは徳島県内での通学の普通車入校者数シェアNo.1を維持しています。

著者はどのような業種でも、その企業が本来持っている価値を大切にしながら、将来を見据えた前向きな発想を持つことで、これからの時代を生き抜いていけるだけの力をつけることができるといいます。
かつての著者と同じような状況に立たされている斜陽産業の二代目・三代目経営者にとって、変革の時代を生き抜いていくためのヒントとなる一冊です。

著者:祖川 嗣朗

1983 年徳島県に生まれる。徳島の高校を卒業後、東京の大学に進学し、東京の広告代理店に勤務。2012 年より家業である広沢自動車学校専務取締役に就任。経営理念を形にするという信念のもと組織改革と、マーケティング改革を行い、2015 年には創業以来初めてとなる地域トップの入校者数を実現。同年、経済産業省「おもてなし経営企業100 選」に選出される。2022 年には少子化が進むなか創業以来最高益を記録。2018 年に(株)シンク・スリーを設立。ドローンの教習所を開始し、朝日新聞やYahoo! ニュースをはじめ、多くのメディアに取り上げられる。2020年、広沢自動車学校の代表取締役社長に就任。2021年には有志と次世代教習所共創コンソーシアム(NDCC)を立ち上げ、代表理事に就任。現在は広沢自動車学校の経営に携わりながら、自動車学校の経営資源を活かした映像サービスや海外事業など、さまざまな新規事業の立ち上げに取り組んでいる。

ネット書店

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